2015年5月4日月曜日

「悲しいね」  自作の詩より


悲しいね

「あたしね
 死ぬの
 怖くないのよ
 だって
 向こうで
 友子姉さんが
 待っているんだもの」

そう言って
空元気を見せた
文子おばさん

「これで
 ネクタイでも買って」

兄に
五千円渡してくれた

「友子姉さんが
 生きてたら
 どんなに
 喜んだだろうねぇ」

涙で
声を
詰まらせた

そんな
文子おばさんも
今は
天国

悲しいね
どうして人は
生きるんだろう?
何を
糧にして
生きているんだろう?

どうせ
死ぬと
分かっているのに


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