2018年12月10日月曜日

待降節 L'Avent


Notre-Dame de Paris ノートルダム大聖堂
一時帰国を間近に控え、ようやく時間にゆとりができました。
先月の25日(日)から待降節、L'Avent となり、救い主 イエス・キリストの誕生を待ち望む時期となりました。待ちに待ったクリスマスシーズンですね ! 

因みに12月25日がキリストの誕生日になったのは、いつ頃かご存知ですか ? ブログを書くにあたり、調べて初めてしっかりと分かったのですが、なんと4世紀に決められたそうです。ちょっと遅いと思われませんか? 私はキリスト教の布教が始まってすぐにこの日を祝うようになったと思っていましたが違うんですね。というのも、一方のキリストの死は歴史的に明らかで、過ぎ越しの祭り、つまり復活祭(イースター)の直前の金曜日に十字架に架けられて死んだわけですが、キリストの誕生は実は謎なのだそうです。
この12月25日に定められたのは、もともと冬至に行なわれていた異教の光の祭りに由来するとされています。冬至を過ぎると、それまでどんどん日が短くなっていたのが逆転して、日が長くなりますね。その日の光である太陽神の復活を祝ったことが始まりで、キリストは「世の光」としてこの世に誕生したことから、その冬至に近い日にちを誕生日と制定したようです。
さて、写真は、先週の土曜日に撮影したものですが、日が明けても日中の暗さが特徴のパリの空です。まさに冬至の前の、日の光を待ち望む天候です。
Sapin de Noël 、クリスマスツリーも、テロが頻発するようになった頃から地味な演出になってしまいました。
思えば先月の13日で丸3年を迎えた、あのバタクラン劇場での惨劇は、パリに住む人々に衝撃を与えましたし、その後も続いたイスラム過激派によるテロの傷跡は世界各地に見られました。

しかしこの日は、昨今日本でも報じられている、gilet jaune(イエローベスト)による暴動が大きなものになると予定されていた日でもありました。ノートルダム大聖堂の中に入るには、いつでもこうして長い行列に耐えなくてはならないのですが、この日はさすがにかなり人の数が少ない印象でした。
gilet jaune のことを書くのは、長くなるので端折りますが、シャンゼリゼを中心とした一連の暴挙は、大統領辞任が最終目標です。長く続いた共和制そのものが脅かされていると言えるかもしれません。その暴動の激しさと規模は、あの68年を彷彿させるとフランスのメディアは騒いでいますし、果てはフランス革命まで引き合いにされている始末です。
このgilet jaune、まだまだ続くとのことで、もしかしたら歴史的瞬間が起こるかもしれませんが、それを見る前に私たちは日本へと飛び立つことでしょう。

ほとんど暴動というものが日常において起こらない、一見平和な日本からすると、フランスという国はとんでもない国として映るかもしれません。(しかし日本も、この間の渋谷でのハロウィーンの暴動には驚きましたが、普段抑圧しているものが、一気に噴き出したように見えました。大人しいとされている日本人ですが、大人しくさせられていることにもっと気づいてもいいと思います。)

皆様はどんなクリスマス、年末年始をお過ごしになりますか ?
私たち夫婦は久しぶりに一緒の日本を存分に楽しもうと思っています。
Joyeux Noël et heureuse année !!

Le coucher du soleil à la place de la Nation  夕暮れのナシオン広場