2016年3月24日木曜日

福島県立美術館・図書館


久しぶりに、ここ福島において絵になる風景に出会いました。

訪れたのは、県立美術館と併設されている図書館。噂には聞いていましたが、外観が立派なのにまず驚きました。大きな空と山を背景に、広々として建てられている建築物は、とても見ごたえがありました。そして中に入って更に驚きました。
まず図書館ですが、そのゆったりとした館内に、整然としつらえた書棚の数々。検索するコンピューターも並び、ここならどんな本も手に入りそうに思いました。訪れていた人々も、のんびりと寛いでいるように見えました。

一方美術館の方は、火曜定休ということで休館でしたが、外から見ても、内観も素晴らしいのだろうと想像できました。来月の6日から、「フェルメールとレンブラント」展が開催されます。私は帰仏まじかなのと、この二人の絵画ならパリで堪能できるとの理由で、来館はしないでしょう。でもこの展覧会も、盛況間違いなしでしょう。

福島は、今朝は雲が広がっているものの、明るく、春めいた陽気です。
明日から全国的に気温が上がるとのことですから、明日からの東京滞在が、とても楽しみです。


愛猫のアビも、あの脅威の水漏れ事件が収まってから、ようやくまたのんびり過ごせるようになりました。あぁいった不測の事態が起こることを考えると、可愛いからと普段、猫可愛がりするのも考え物だなぁ、と思うようになりました。苦労するのは猫本人なのですから。
とはいえ、こうしてのびのび、すやすやと眠っているアビを見るのは本当に幸せだと思ってしまいます。どんなことがあっても、老衰で自然に死ぬまで、可愛がって面倒をみてやりたいと思っています。(パリに戻った後は、兄に任せることになりますが。)


ところでいつの間にか、あの3.11から丸5年という節目を迎えていました。
近所でお友だちになった初老の女性と、この震災のことも話題にしますが、やはり政府、マスコミの嘘には我慢がならない、ということでした。どれだけ当時(今も続いていますが)、福島の人々(地震と津波の被害にあった人々全て)が想像を絶する苦労を味わったか。政府の人間は皆忘れている、と。だからこそ再稼動ということを平気で出来ると。静かに、でも確実な怒りを抱えていることに気づかされました。

福島にいると、東京の人間であることにある種申し訳なさを感じます。



パリに戻る前に、キリスト教徒として、年間を通じて最も重要な復活祭を迎えます。
四ツ谷のイグナチオ教会にて、同級生の洗礼式に出席します。大きな喜びです。
土手の桜、満開が見られるでしょうか。

皆様も、良い復活祭をお迎えください。




2016年3月14日月曜日

とんだ災難


春まだ浅き、と言いたいところですが、
今週から気温が一気に上がって春めくということで、桜の開花はどうなるのか、ドキドキしています。
というのも、今月末に奈良の恩師のところへ、満開の桜を愛でるという企画になっているのです。
どうなるでしょうか。。

さて、写真は福島市内にある、「アンナ・ガーデン」と呼ばれる一角で、
この教会(聖公会)を中心に、様々なショップやカフェが集まっています。
以前にも兄の運転で訪れたのですが、休日とあって駐車場は満杯、車でぐるりと回って終わりでした。今回は、日曜の昼前だったのに、割と空いていて難なく車を駐車できました。

この教会では、毎朝礼拝も行われているということでした。もちろん、牧師による結婚式もよく行われているようです。(最近になって、結婚式はしないようになったと聞きましたが、実際のところは良く分かりません。)


ところで、今月初旬に起きた災難を、やはりお話しておくべきでしょう。
2日の午後6時半ごろ、すでに私は自分の寝室で横になっていたのですが、 突然、雨音がし始めたので、外にいた兄に電話して、「雨が降ってきたね、傘なくて大丈夫?」と言ったところ、兄は、「え?空晴れてるよ!」という始末。何なんだろう?と思っているうちに、部屋の中に雨が降っていることに気が付きました。
「え??!」と思う暇なく、どんどん降ってきます。その頃には玄関の天井からも、各部屋、雨が降っている状態となり、帰宅した兄に、「水漏れだ~!」と叫んでいました。
兄は急いで階上へ行きましたが鍵がかかっていて留守。さぁ、大変だ、一刻の猶予もない、と、マンション中の人に助けを求めて、走り回りました。
とにかく大げさではなく、滝のようにじゃんじゃん、部屋の天井という天井から降ってきましたから、何をどうしてよいか分からず、兄は命の次に大事にしている電化製品にビニールを掛けまわり、私はとにかく一番気に入っている上着だけ雨の降っていない箇所を見つけて置きました。
そうこうしている内に、管理人さんが水道の元栓を止めてくれたのですが何故かほとんど水は止まらず、ついには天井の板が割れてバシャーン、と大水が来ました。
住民の一人が、「もう一刻も早く非難した方が良い、漏電したら大変だよ!」とホテルに電話して、予約してくれました。

ここまで読んでいて、お気づきの方もあろうかと思いますが、
命の次に大事なもの、私にとっては愛猫でした、激しい水漏れの中で茫然自失していましたが、ハタとアビの存在に気づき、そういえば全く泣き声がしない。あまりのことに、普段おしゃべりな猫も無言になって、ひとり、炬燵の中で震えていました。
住民の方々にも、猫が大好きな人がいて、雨漏りの中、一緒に探してくれました。押入れの中に逃げ込んだ後、すぐにいつもの居場所の炬燵の中に逃げ込んだのですね。
でも当然、炬燵の敷布団は水でびちゃびちゃですから、よく我慢していたものだ、と自分の猫ながら褒めてあげたい気持ちで一杯。その猫を、唯一水漏れしていない、ユニットバスに入れ、取る物とりあえず、着の身着のままでマンションを後にしました。。

もうさんざんでした。
その日は、3月とはいえ、冷え込みの厳しい夜でしたから、全身濡れ鼠状態は身に堪えました。
それでも、沢山の人々の助けを借りて、困難を乗り越えられたのは、本当に不幸中の幸いで、以前から気に病んでいた、近所の人との交流のなさも一気に解消され、体は寒さに震えていても、心の中は本当にあったかでした。


長々と失礼しました。

とんだ災難でしたし、今でも部屋の工事のためホテル暮らしですが、たくさんの人の好意に触れられたことは、とても幸せでした。猫も、元気にしています。
そして事件から丸2週間後の明後日には、元の部屋に入居できるようになります。

人生、一瞬先は闇、という言葉がありますが、
そんな人生でも、必ず突破口はある、と信じます。
キリスト教徒として、どちらかというと性悪説の私ですが、実際には、人間、(自分も含めたいですね)そう捨てたもんじゃない、ということを実感した出来事でした。
但し、福島の人は特別かな、という気もします。あの大震災を経験していますから、東京なんかよりもずっと、助け合いの精神が強いと思うのです。その一端に触れられて、本当に幸せです。


来週末は、いよいよ復活祭を迎えます。
洗礼を準備している友人たちと共に、自分の信仰生活を振り返りつつ、毎日を過ごしたいと思っています。当日、晴れたらいいですね!