2015年2月24日火曜日

福島にて思うこと


これは兄のマンション、7階から真正面に見える山、吾妻山です。
玄関を出たところから見えるので、西側にあることになります。
地元の人は、ここから吹き降ろされる風が強いために寒くなる、と言っています。
ちょうど、甲府や京都のように、盆地特有の天候になっているのですね。
かなり望遠で撮ったので、写っているのは山のごく一部で、左右、山々が視界に入る限り続いています。

東京で生まれ育ったために、山が見えるところにいると、それだけで遠くに来た気がしますし、(何せ、都内の奥多摩に行った時もそう思ったぐらいです。)ウキウキしますね。
これは昨日の朝の様子なので、ちょっと曇りで薄暗い感じでした。



こちらは午前中の、福島駅西口の様子です。
小学1年生ぐらいでしょうか、子供たちが先生の引率でやってきたところです。
ここにある大型スーパーが、10時に開店するのを待って、ミスドでコーヒーとドーナツを食べました。

福島で思うことは。。
人がやはりのんびりした感じ、ということでしょうか。
このミスドでも、気取らないおばちゃんが、店員の女の子を捕まえてしゃべっていたし、
普通に、道やスーパーの中にいても、人が人を気遣っている、という雰囲気があります。
ぶつかるとすぐに「ごめんなさい」と言ってくれます。

しかし、、、やはり同じ人間。たま~に、絶対数からすると圧倒的に少ないのですが、意地悪な、とか無神経な、とか変につっかかってくるような人はいます。当然ですよね。
ただその時考えるのは、、、
ここは被災地だ、ということ。
もちろん、3・11の、地震、および津波、原発事故の、です。

私は常々、できうる限り、被害者の立場に立ちたいと願ってきた人間です。
そこで考えますね、被災地の人、つまり被害者の立場の人から意地悪をされるって、どうすればいいんだろう?と。

これは非常に難しい問題です。
例えばこれとちょっと似ていて思い出すのが、パリでのこと。
スーパーの店員、レジ係。この職業の人は、大抵、白人のフランス人というよりは、移民系の人々がやっている場合が多いわけです。そうすると、彼らはフランスでは被害者ではなくても弱者なわけです。でも彼女たちから、フランスに住み始めた当初、随分意地悪をされました。そのことを思い出しました。虐げられている者が、更に虐げられている者をいじめる構図。そう、日本人だって、パリでは市民権を得ているとはいえ弱者なんですから。

結論としては、そういう場面でも我慢しないこと、ですね。
キリストの言う、「7の70倍ゆるせ」というのは、土台人間には無理です。
もちろん、最初から「無理」と決めつけているのではなく、現実問題として無理、と判断しています。

だから我慢しないこと。抗議できる場合は抗議する、何らかの形で。
じゃないと、体、心に良くないですし、相手の人のためにも良くない。
日本人はいじめてもいい、東京弁をしゃべる気に食わない奴はいじめてもいい、ということにはならないからです。

結局、この世の中、どこに行っても(国境を越えても)、「いい人もいれば悪い人もいる」という、
至極当たり前のことが結論として導かれました。


この間の週末に、住民票をこちらに移して、晴れて福島県人となった兄。
その兄のためにも付け加えておくと、
福島の人は、少し浅草のような下町の人の気安さ、気取りのなさを感じます。
もちろん、他方で、その逆のこともある。
つくづく私は、「生きづらい人間」の部類に入るのかもしれないな、と。

キリスト教の暦から言うと、今は四旬節。
キリストが荒れ野でサタンの誘惑に試される試練の時期でもあり、また神のみ恵みを受けるときでもあります。
英隆一郎神父様のおっしゃるように、
「この世は荒れ野であり、そこに私たちは住んでいると思った方が良い」という言葉は、言い得て妙ですね。この世が荒れ野であるという自覚があれば、逆に強く、たくましく生きる知恵、勇気が湧いてくるのではないでしょうか。
私のような人間には、腹をくくる時が来た、と思いますし、
そのように解釈できるようになった、強くなった自分を思います。



閑話休題。

今晩の夕食のバンバンジーもどき、です。
兄の家には、「信じられないことに」ガスを引いておらず、当初は炊飯器も電子レンジも、鍋・釜もない事態でした。早速電子レンジは購入したわけですが、何とか、レンジだけで作れるものはないか、と考えていたら、古い「自炊本」が出てきました。
そこにあったのがこれ、です。

耐熱皿に鶏の胸肉を1枚広げて、皮目にフォークでぶすぶす突き刺して穴を開け、
塩と大さじ1の酒をふりかけ、レンジで温める事5分。
完全に火の通った状態のものを冷まし、それを裂いてサラダの上に乗せ、マヨネーズをかけただけ。簡単でした。でも結構いけました。
皆様もぜひ、試してみてください。(胸肉1枚で2人分できます。)
結構ボリュームありますよ~。
 



 

2015年2月22日日曜日

夫の一時帰国

これは福島市に着いて、兄のマンションで一夜を明かした後の様子です。
前日の雪、吹雪の後、こんなに綺麗に晴れました。
何となく清々しいので載せてみます。

福島市内は、ほどんどの車が福島ナンバー(当たり前といえば当たり前ですが)、
そして軽自動車がとても多い。
兄もそれにつられて軽に乗っています。小回りが利くことが、最大の魅力ですよね。

ところで今朝は、ついに夫が帰国します。
2年半ぶりだそうです(私はもっと帰ってないと思っていたのですが)。
今はまだ空の上ですが、
韓国の上空ぐらいにいるでしょうか。

久しぶりの日本、彼にとっては待ちに待った楽しみの日々となるでしょう。
飛行機が無事成田に到着しますように。心から祈ります。


 

2015年2月16日月曜日

新しい夜明け


福島での2日目の朝を迎えました。

13日(金)に家を明け渡した後、ネコを連れて兄の運転で福島へ向かったのですが、
兄の連日の片づけの疲れを心配し、途中、栃木にある佐野サービスエリアにあるロッジで1泊しました。そこは動物もOKのところだったので、私はネコと一緒に小奇麗な部屋で一夜を明かしました。

福島に着いてから、昼食をとっている最中に、車に置いておいた猫がいなくなる、というハプニングが起き、かなり動転し、福島県警にもお世話になったほどでしたが、兄のマンションで、傷心のもと荷物を少しずつ降ろして部屋に運び込んでいる最中に、ひょっこりと猫が現れました。
青天の霹靂とはこのことで、なんと、あんなに車の中を探していなかったのが(駐車している最中に、ドアのロックのかけ忘れで、ネコが盗まれた、と判断したのです。)、運転席の座席のしたから顔を出したのです。

一時は、ネコが福島に到着した途端にいなくなったということで、かなり衝撃を受け、とても象徴的な出来事だ、と思ったのですが、やはりここは日本。車の中にいる猫を取ったりはしませんよね。
パリにいる夫とも何度も連絡を取り合って話したのですが、「信じられないよ」、しかもいなくなったこともそうですが、後から出てきたことにも驚きました。
まぁ座席の下から出てきたことは、冷静に考えれば、十分にあり得たのですが、何しろ後部座席の部分を倒して、その部分にだけ、ネコの居場所を作ったせいか、その部分しか探さなかったのです。

とにかくやれやれ、ネコを無事に、福島のマンションに連れて行くことができました。

写真は、今朝の福島の朝の様子です。
マンションの部屋は、7階にあるために、眺めがとても良く、美しい山並みが朝日で輝いていました。窓から山が見えるって、最高ですね!




佐野サービスエリアで泊まった宿の様子と、朝食です。                                              とても素敵なロッジで、朝食のクロワッサンが、小さ目でしたが焼き立ての感じでとても美味しかったです。コーヒーも本格ドリップでした。後の那須高原のサービスエリアで、同じクロワッサンを見たので、そこから搬入したのかもしれません。那須高原では、牛乳パンと、ミルクジャムを購入しました。

同じ佐野インターで朝を迎えた時に、あまりに影が鮮明に映っていたので撮ってみました。
向こうには、雪で真っ白な富士山が見えました。ちょっと薄いですが載せておきます。


これから、兄と2人、ネコもいますが、新しい生活の始まりです。
この福島のマンションには、とりあえず私は2週間しかいませんが、
3月の後半の2週間もここで暮らす予定なので、随分と福島に慣れることでしょう。

東京の実家では炬燵に慣れきっていたので、いくら暖房が効いて暖かいとはいえ、
イスとテーブルでの生活だと足元が冷えますね。
これから長い厚手のソックスを買いに行こうと思います。

福島は昨日は晴天の中での雪でした。
青空なのに雪がふぶいている様子は圧巻でしたね。

兄のマンションの部屋は、とても他人が住めるような状態ではありませんが、
何とか片づけて快適にしようと思っています。

何とか、真冬の福島を楽しく乗り切りたいですね~。


 



2015年2月11日水曜日

自作の詩 「窓」


2015211
 「窓」


振り返ると
そこにはいつも
窓があった

ひそひそ声
誰かの視線
そして
日の光

あぁ
どんなに苦しくても
振り返らざるを得なかった
そこは外界との接点
恐れと不安の場
 
あの声も
その声も
もはや
思い出でしかない

閉じ込められた叫びは
もはや
懐かしい痛み

もう振り返らない?
いえ
この家が存在する限り
何度でも振り返ろう

それこそが
この家との別れ
オマージュ
もう二度と
足を踏み入れることのできない
聖域となるのだから



2015年2月6日金曜日

家の明け渡し


いよいよ家を明け渡す日が近づいてきました。
その日は13日の金曜日。キリスト教徒としては、何とも縁起の悪いというか、
あまり心楽しい日ではありませんが、ここは日本。関係ありません。

昨日は、廃品業者に入ってもらって、主に2階にある家具を持って行ってもらいました。
家の解体業者からは、
残置物として全部置いておいていいと言われているのですが、
生まれ育った家といよいよお別れなので、物置状態は避けたかったのです。
お蔭でかなり、家の中がスッキリとしました。

家具をどけることによって、子供の頃大好きだった、自分の部屋の壁紙が綺麗に見えるようになって、懐かしい10代のころを思い出しました。
その壁紙は、淡くてすこし金色がかったクリーム色に、やはり淡い桃色の豪勢な文様が施してあるもので、このころから自分の好みは変わっていない、と再認識しました。

そんな、他愛もないことが、家の最後の時期に、色々と思い出されます。。



夫からは、「家がなくなった後は、その家のこと、夢に見るようになるよ。僕がそうだから。」と
よく言います。なるほど、夫はの生まれ育った家は、とうの昔になくなっているのです。

自分の家に、最後、じっくりと一年以上住めたことは、本当に喜びでした。
神様からのプレゼントでした。

日本で十分に英気を養って、3月にはパリに戻ります。
本当に感謝です。

 
 


 

2015年2月3日火曜日

テーブルウェアフェスティバル 3


テーブルウェアフェスティバル第三弾。

このテーブルセッティングは、
テーブルウェア大賞に参加した個人によるもので、これは兵庫県の阿部瑠以子さんの作品。
題は「Picnic at Home」ということで、ご自身、「気心の知れた友人たちと囲む、ワインの似合うピクニック」という設定をしています。メニューも素敵で、「ホワイトアスパラガスの冷製スープとお花に見立てた野菜のジュレ寄せ、自家製のベーコンとパテ、こだわりのチーズを使ったカラフルサンドイッチ。(エディブルフラワーとホワイトグレープを飾って。)」とあります。
ご本人は、大人同士、ゆったりと楽しめるピクニックと謳っていますが、この雰囲気、ワインがあったとしても子供も十分楽しめるような感じがします。 

考えてみれば、
こんなにテーブルウェアフェスティバルにはまっているのも、
自分の日常に、絵になる風景がないからなのかもしれません。
日本に長くいて、ほとんど東京の実家に暮らしていると、絵になる風景もパターン化してきています。
 


こちらはツェラミカ・アルティスティッチナというポーランド人の陶器セット。
こちらも黄色と、そして青が印象的、そして南仏のイメージにも重なる明るいテーブルでした。
大皿に乗っているクッキー、そして無効にある二段のプレートに乗っているお菓子は、
パティシエである小川美佳さんの作品。アイシングで花をかたどって作っています。この陶器のシリーズにぴったりですね。

ところで話はいきなり変わりますが。。

うちのネコ、アビのことです。
実はあれから、福島の兄のところで預かってくれる、ということになりました。
一度は、パリに持っていくことを完全に決めたことだったのですが、
あまりに環境が変わること、そして私たち夫婦の負担を考えて、兄から申し出てくれました。

ところが改めて考えてみました。
福島へ持って行っても、環境が変わることに変わりはありません。
東京の実家にいるときのように、外と出入りが自由にできるわけではないのです。
朝晩はともかく、昼間はアビ、1人(匹)になってしまいます。。
でも、それでも、飛行機に乗せることへの非常な不安(動物とはいえ、トラウマになる可能性が大です。それでそれが原因で早死にしてしまうかもしれません。)と、夫婦で家を空ける時に、やはり預けるということになって、そのことでトラウマになった犬猫の話も一杯聞いています。
ならば、環境が変わっても、慣れている兄、しかも遠出のしない兄の元がいいんじゃないか、と。
慣れるまで、私も福島に行って付き添いますし。

でも、もう一度、改めて夫と話し合いたいと思います。
大事なペット。人間と同じで、なおざりにはできませんね。
皆さんは、大切なペット、環境の違うところで育てた経験ありますか?



またフェスティバルに戻ります。

こちらは黒柳徹子さんの、「貴族的なピクニック」の風景。
こうした、贅沢で洋風の風景もまた、魅力的ですね。女性として自然なことだと思います。
ちょっと派手過ぎ?という面はあるにしても。

お土産として、友人とお揃いの真っ白いレース編みの小さい敷物、
ウィリアム・モリス専門店でのテーブルクロスを買いました。
パリに帰る楽しみが増えました。

 












2015年2月2日月曜日

テーブルウェアフェスティバル 2


テーブルウェアフェスティバル、第二弾です。

やはりこれも和のコーナーにあったものです。
和のものを、日本的に、洋風にしつらえたもので、和洋折衷が見事だと思います。
柔らかいゴールドをメインカラーにして、白の陶器のシンプルな美しさが際立っていますね。

ところでこの日は連れて行ってくれた当の友人の誕生日。
会場を回っている間に、別の友人にばったり会って、そのことを聞かされました。
私の兄も、誕生日が近く、同じみずがめ座。従姉にもいます。
兄はともかく、みずがめ座に憧れた時があったなぁ、と今では思います。

私は真逆の火の星座の代表、牡羊座。
今ではその強さというか、情熱的なところ、気に入っていますが、
若いころは、4月生まれって一番最初に年をとってしまうから嫌でしたね。



こちらは1枚目のセッティングを、角度をつけて撮ってみました。
ゴールドに見える、籐も使っているのがわかります。
ワインボトルを入れるカゴや、ナプキンを入れてあるデザイン性の高い器、ウエットティシューをまとめてあるカゴなど。素朴な素材を使っていても、洗練された雰囲気に仕上がっているところが気に入りました。


 こちらは友人のお気に入りのブランド、アメリカのマッケンジーのコーナーです。
友人へのオマージュとして載せます。

でもこうした華やかなセッティング、決して嫌いではありません。
むしろ、自分の生きている世界にないだけに、強いあこがれがありますね。
様々な色があってもぶつからずに、一つの調和された世界を作り上げているところが素晴らしい。

次回も続きます。




テーブルウェアフェスティバル 1


友人に誘われて、東京ドームで開催中のテーブルウェアフェスティバルに行ってきました。
友人は、毎年見に行っているらしいのですが、私は初めての参加でした。
この日、見事な晴天ながら、真冬の気候らしく、風の冷たい一日でしたが、
ドームの中は、色々と見ているうちに、暑くなるほど暖房が効いていました。

この大会の中で、一番気に入ったセッティングをまず載せます。
全部を見切れたわけではないので、もっと素敵なものがあったかもしれませんが、
とにかく、詳しい友人の誘導の中、メインのものを見るだけでも、十分素敵なものが一杯ありました。

これは京都の陶芸組合の一員の方の作品で、
和風ながら、洋の雰囲気も併せ持ったデザイン、色彩が見事でした。
華やかで楽しいセッティングだと思います。赤と青、そして活けられた花の黄色。とても好きな配色です。夫と自分のとで、全部欲しいと思いました。




こちらも、京焼、清水焼のコーナーにあったセットです。

右は、箸置きです。
写真だと分かりづらいのですが、
一つ一つが美しく彩色されていて宝石のようでした。

こうして見てみると、
和のものは、金色を見事に使っているのがわかります。



金色というと、実りの秋、というイメージですが、
私はすぐにずっしりと実をつけた麦畑を思い浮かべます。
Auver-sur-l'Oise そう、ゴッホが繰り返し描いた、そして無残な死を遂げた、その墓のある土地の麦畑です。パリに住み始めた当初、よく夫に連れられて、ゴッホの亡くなった夏に、よくこの地へ行ったものです。
麦畑の合間にシートを広げて、手製のお弁当でピクニックをしました。
そうそう、ここには、夫の家族が一家総出でパリに移住した時に連れてきた猫のお墓もあるんですよ。犬もいたそうですが、犬の方が早くに死んでしまったそうです。


こちらは、壁一面に活けられた花瓶の花が印象的でした。
その名もカップボードガーデン。花瓶はガラス器で有名な、琉球ガラスです。


今回は、和を中心に、ご紹介しました。

まだ紹介しきれていないものは、次回へまわします。