2018年4月22日日曜日

パリも夏日  Les jours estivaux à Paris

Parc Montsouris モンスーリ公園
先週の半ばごろから、パリは本格的な暑さとなっています。
今朝の日本のニュースで、この時期としては異例の、真夏日を関東で観測されたそうですが、パリでも異例の暑さ、日中は30度近くとなっています。
寝室の内装工事を終え、まだまだ部屋の中はごった返しているものの、こんなお天気で家の中にいるのはもったいないと、昨日の日曜日は日差しがさんさんと照り返す屋外に繰り出しました。このブログでも再三書いているように、フランス人は日光浴が大好き。少しでも日が差そうものなら、薄着になって外で過ごします。昨日は午後からカトリックセンターに行くこともあって、近所の森ではなく、Cité Universitaire の目の前の Parc Montsouris へ出かけました。ここへは、我が家からは tramway (なぜか英語が使われるのですが、路面電車です、エコロジーの観点からパリでは路線拡張が進んでいます。)でパリの périphérique (外周環状道路)の南回りで行くことになります。うちからは起点となる Porte de Vincennes から乗るわけですが、14区の Cité Universitaire まで、大体20分ほどの旅程です。ですがその20分の間には、13区の通称チャイナタウンも通りますし、郊外にも近くなるので、乗客の顔ぶれが変わっていくのが面白いのです。


今や、はっきりとした住み分けが定かではなくなりつつあるとはいえ、地区による特徴は厳としてありますね。でも私は14区のアカデミックな雰囲気も好きですが、チャイナタウンの人種のるつぼ的な状況も嫌いではありません。アジア人はもとより、アラブ系、ユダヤ系と、電車の中に乗っているとフランス語以外の言語が飛び交っていて、それはそれで楽しいものです。

写真はすべて、モンスーリ公園内です。この公園も、パリ市内にある他の多くの公園のようにアップダウンのある作りになっていて、もとは石灰岩を掘るための採石場だったそうです。

ところで話は変わりますが、先日、とある教会付けのパーティで、日本びいきのフランス人女性に出会いました。そのパーティは、日仏カップルが主催したものなので、そもそも日本びいき、あるいは日本に一度は社用か何かで行ったことのあるフランス人たちの集まりだったのですが(思い返してみると、黒人の人がいなかったと思い至りました。)、その japonisante (いわゆる日本びいきの人)の女性は、とにかく陽気で、日本語を少しずつ話しては我々と爆笑するということを繰り返していました。日本に二度旅行で行っており、すごく楽しかったこと、仕事はインターネットゲームのソフトの音響を担当していて、日本のアニメ、とくに宮崎駿が大好き、そしてパリ郊外に本拠地のある仏教系の新興宗教の信徒だということでした。
なぜカトリックの教会に仏教系の新興宗教の信者が来ているのかは、そこらへんは日本的なアバウトさに免じて受け入れるとして、とにかく彼女の日本への情熱、passionに圧倒されましたし、ほとんど感動すらしました。この情熱、愛は、一体どこから来るんだろうと考えますが、「好き」という気持ちに理屈はいりませんよね。


翻って自分はといえば、お恥ずかしい限り、まだ擦れている自覚はないですが、「フランス大好き!」と叫んでいた自分はどこに行ってしまったんだろう? と反省しきりでした。批判精神ばかりが発達してしまって、あの、純粋な気持ちはどこに行ってしまったのだろう?
もちろん、一時的な旅行者と違って、生活者ですから、日々受ける事柄にすっかり毒されてしまう面があるのも致し方ないですが、やはりキリスト者として愛に生きる以上、批判精神だけではふさわしいと言えませんね。最大のテーマである「 ゆるし合い」が必要だと実感しました。

しかし長くパリ、海外生活をしている日本人は、個性豊かですが、それぞれの日本という祖国への思い入れも強弱があって、びっくりするぐらい、日本人であるという事への誇りを持っている人々もいます。長く日本を離れて、外から日本を見ること、世界の中の日本という視点から見ることに慣れてくると、どうしても批判することになる訳ですが、その批判する原点をどこに置くのかによって、その中身も大きく変わってきますよね。私の場合はやはり、キリスト教徒としての判断基準となりますので、何も西欧諸国におもねった批判ではないということをお伝えしたいと思います。ちなみに、よく言われるように、キリスト教は、西洋の宗教だから日本人には合わないとの意見がありますが、とんでもないことです。言うまでもなくキリストはユダヤ人であり、祖国のベツレヘムはイスラエルという中近東の国だ、ということを忘れてはなりません。旧約の地であり、世界最古の文明の地とされるチグリス・ユーフラテス川にはさまれたメソポタミアも、日本から遠いとはいえ、アジア大陸なのですから。

Denfert-Rochereau の café の fraise melba ストロベリーメルバ
閑話休題。
パリに住んでいると、日々様々なドラマに出くわし、そんなことには一つも驚かないわ、というクールな態度を身につけがちですが、幸いなことに、と言いますか、性分なので開き直るしかないのですが、非常に強い好奇心のおかげで、日々、倦むことなく暮らしています。退屈は人生の一番の敵、という見方からすれば、決して飽きることない世界に暮らしている私は、その一番の敵とは合わずに済むとはいえ、それはそれで疲れるものです。開き直るのに、かなりの年月を必要としました。やはり知的好奇心と共に、肉体的な体力発散も、それには不可欠ですね。

先週の火曜日、17日に52才の誕生日を迎えました。実母が他界した年齢になってしまいました。昔の女性は、本当に老成していたものだと、つくづく感じます。母が死んだ時、私は19才、大学一年の冬でした。もう30年以上も昔になりますが、母が生きている間、十分に愛してくれたことが、今を生きる原動力になっています。

季節外れの暑さ厳しきおり、どうぞご自愛ください。







0 件のコメント:

コメントを投稿