2014年9月19日金曜日

秋の庭によせて



この写真を見て、とくに「萩のトンネル」を見て、どこの庭園かわかった人は、庭園の通と言えましょう。
ここは、実家から、車で10分ぐらいのところにある、向島百花園です。
今の季節、こうして数十メートルに及ぶ萩のトンネルが、待ちに待った見ごろを迎えます。
うちから行くと、北に位置している向島ですが、隣の東向島といえば、昔は粋な芸者のいる街として栄えたものです。今でも街並みに、その雰囲気が残っています。

 





この庭園は、江戸時代、1805年頃、さる粋人が、当時の文人墨客の協力を得て梅をたくさん植えたことから始まったとされています。それ以降、万葉集や詩経に出てくるような植物を次々と植え、四季花の絶えることのない花園として、江戸市民の嗜好に合って、江戸から明治にかけて栄えました。明治以後、度々の洪水で園は荒廃しましたが、昭和14年東京市営の名勝として公開されました。昭和53年には、名勝および史跡に指定されています。



ブルーの花虎の尾でしょうか。この庭園では、花の名前は、洋花でも、日本名を付けています。そして、木の札に墨で美しく書かれています。

毎年8月下旬には、まつむし、すずむし、きりぎりす等を園内に放って、自然を楽しむ会(虫開きの会)を行っているそうです。 


今年は中秋の名月が8日でしたが、それを中心とした3日間、月見の会が開かれたそうです。

園の面積はおよそ1万1千平米。それほど広くはない庭園ですが、1人で散策して楽しむには十分な広さがあります。わりと大きな池もあり、そばに建てられた東屋で、1人物思いにふけることも楽しみの1つですね。

読書の秋、食欲の秋、運動の秋、と色々な楽しみのできる季節となりました。
今年は本当に残暑がなく、秋に突入しましたね。
もっとも、この季節に日本にいるのはやはり10年ぶり。貴重なこの時を、存分に楽しみたいと思います。




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