2016年12月12日月曜日

ノートルダム大聖堂、再び  Cathédrale de Notre-Dame à nouveau  


「次回はシャンゼリゼ」と予告しましたが、十分な写真がないので、再びクリスマス前のノートルダムを載せます。申し訳ありません。
この時点(11月末)では、恒例の大型ツリーの設置はなく、いつも通り、前庭では観光客で賑わっていました。でも待降節自体は、11月の第三日曜日から始まっている訳で、その時点から普通はクリスマス向けの飾りつけやイリュミネーション等がなされるので、この写真の時にまだツリーが置いてなかったということは、テロを懸念してのことかもしれません。その可能性を示唆するように、聖堂内部ではしっかりと飾りつけが施されていました。もちろん、テロとなれば、建物の内部の可能性が大きい訳ですが...


ところでアメリカ大統領選が終わり、トランプ氏に関する様々な物議が続いていますが、こちらフランスでも、来春の大統領選に向けての立候補者による宣伝活動が活発になっています。現大統領であるオランド氏が立候補を取りやめたことで、メディアによるからかいや、逆に賞賛の声まで上がるなど、こちらも賑やかです。
そもそもフランスの大統領は、前大統領のサルコジさん以前までは、それ相応の風格のある人物が歴代修まっていて、二期務めるのが当然でしたが、サルコジさん、オランドさんと、揶揄の対象となりやすい人物がなるようになり、フランスも地に落ちたな、という感じでした。が、今度の社会党からは、エマニュエル・バルス、保守からはフランソワ・フィヨンということで、久しぶりに全うな選挙戦となりそうです。
カトリックの多くはフィヨンを支持、どうも次期大統領はフィヨン氏が有力候補ですね。


我々夫婦は、カトリックとはいえ日本人ですし、当然保守などではありませんが、テロで痛めつけられているフランスとしては、保守や極右が台頭してくるのも無理はないところでしょう。
しかし極右の票が伸びることに関しては、さすが共和国、警鐘を鳴らすということが一方で必ず沸き起こりますから、日本人としては割合楽観視していられると思います。他方で、極右の有力者の一人の奥さんは日本人であるということは割りと知られていますし、日本の右翼とも繋がっているというまことしやかな噂もあったりします。

何はともあれ、極端な排外主義思想を撲滅しなくては、世界の平和は保てません。




以前、不具合でご紹介できなかった、聖堂内の大型のクレーシュ(馬小屋)を載せます。
やはり分かりづらいですね。混んでいたのと時間がなかったのとで、見易い角度からの撮影は難しかったのです。
これはイエス・キリストが誕生したベツレヘムの村の様子で、風車小屋や、井戸、村人たちの生活が描かれています。ここには写っていませんが、誕生したばかりの救い主を求めて、東方からやってくる三人の博士のフィギュアもありました。文字の読めない人々が多くいた時代、ステンドグラスと同様、こうした手作りの人形によっても、聖書を学ぶ機会となっていたのでしょう。


平和への祈り、日本でも年越しの除夜の鐘を鳴らしながら祈りますが、本当に、心からの平安を一人ひとりが強く願うこと。そして願うだけじゃなくて、行動を起こすことが重要だと、パリにいるとつくづく感じます。自分の言動が、誰か何かを差別しているのではないか、偏見に基づいていなか、常に、(そう、常に、なのです!)意識することが、ここ、パリでは求められています。何が真実で何が正義なのか、この国では明確なのです。

キリスト教徒としてはキリストこそ真実なのですが、多宗教も受け入れることは、特に日本人としては大切なことですね。

昨日はカトリックの日本人共同体として、クリスマスバザーを開きました。教会の目の前の通りで骨董市が開かれたお蔭もあり、たくさんの人の来場となって、大盛況となりました。
バザーの直前に、骨董市の売り場に宣伝に行った夫は、日本人のカトリックだと言ったら、「珍しい!」と握手を求められたそうです。しかしこちらとしては内心複雑です。全くのフランス人のカトリックの立場とは、違う立場(もちろん日本人として)をとっている訳で、いつもジレンマです。
でもそんなジレンマを抱えつつ生きることも、また一つの楽しみかな、と最近は思うようになりました。「自分が日本人である」というアイデンティティを忘れてはならない、自分は決してフランス人ではない、という、強い意志も必要ですね。

パリの街はテロの警戒態勢中とはいえ、クリスマス気分に染まっています。
こちらはクリスマスのための休暇というのがありますから(その代わり正月休みというものはありません)、子供たちも休み前、勉強なんか手に付きません。
何はともあれクリスマス、
楽しいクリスマスをお迎えください。









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