2017年7月14日金曜日

Quatorze Juillet 「パリ祭」  ― La Fête Nationale

Drapeau tricolore de la brigade de Sapeurs-Pompiers de Paris


パリ消防隊の三色旗
今日は、いわゆる「パリ祭」です。
フランスでは国の祭りという意味の La Fête Nationale が正式名称らしいですが、巷では Quatorze Juillet 、つまりそのまま、7月14日という言い方が一般的です。
「パリ祭」という言い方は日本独自の言い方で、ルネ・クレール監督映画の「Quatorze Juillet」(1933年)が、邦題として「巴里祭」として公開されヒットしたことから来ているそうです。この映画を配給した会社の社長の命名だそうですが、私の世代からするととっくに時代遅れ、この名称にはなぜか反発すら覚えます。今現在パリに住んでいる日本人で、同世代から下は、「パリ祭」などとは言わず、フランス人と同様、「Quatorze Juillet」と言う人がほとんどだと思います。


今朝の8時過ぎから1チャンネルと2チャンネルでパレードの放送が準備され、10時頃から先ずマクロン氏が先陣を切って、パレードの幕開けとなりました。

その後、.École polytechnique ( grandes écoles の一つ、理工科学校)や、Saint-Cyr-l'École (サン・シールの陸軍士官学校)、そしてフランス海兵学校(École navale) の生徒たち等による行進が続きます。歩兵部隊、機械化部隊、フランス空軍のアクロバット飛行チームも演技飛行を行いました。


更にフランス共和国親衛隊、パリ消防隊、そしてフランス国家警察も行進します。

行進の最後を飾るのは、常にフランス外人部隊(写真下)が務めますが、沿道で行進を眺めている人々からは一番人気があり、一番盛り上がるようです。よく見るとアジア系の軍人もいたりして、「あれ、日本人かな?」なんて人が見つかると、やはり興奮しますね。
それにしても、他の部隊に比べてふてぶてしいというか、(髭のせい??)まさしく百戦錬磨の猛者、という感じです。

Pionniers du 1er régiment étranger (いわゆるフランスの外人部隊です)

前後してすみません。今回の投稿の、最上部の写真の旗は、いわゆるポンピエ (Pompier、消防士)と呼ばれ親しまれているパリの消防団の旗ですが、(下の写真2枚がその行進の様子) そこには

『 Honneur et Patrie
   Dévouement et Discipline 』 と書かれています。
つまり、「名誉と祖国愛、忠誠と規律の遵守」という意味です。

フランス人にとって、名誉と祖国愛はうなずけても、忠誠心と規律の遵守というのは。。一番似つかわしくない言葉のように思えます(笑)。



Brigade des Sapeurs-Pompiers de Paris (パリで人気の「Pompiers」です)

パレードが終わると、フランス共和国大統領、つまり今日はエマニュエル・マクロンさんが演説をします。そして大統領は賓客を伴い、エリゼ宮殿に移ってお茶会をします。


ファンファーレは共和国衛兵隊の騎兵たちによって行われました。ここの連隊の軍楽隊はフランスでは歴史のあるもので、パレードの最後をゆっくりと馬で行進します。
大統領をはじめとした貴賓の前では、今年はダフト・パンク Daft Punk の乗りの良い曲 (Harder, Better, Faster, Stronger) を披露したりして、場を大いに盛り上げました。


そして今回の目玉は、なんと言ってもアメリカの大統領であるトランプさんが招かれていることでしょう。



先陣を切って行進を終えた後に、マクロン氏がトランプ夫妻に挨拶をしているところを載せてみます。

その握手の仕方で話題になったトランプ氏ですが、その勢いを止めるかのようにマクロンさんが上手に押さえているのが分かります。
しかし全てのパレードを終え、マクロンさんが演説を終えた後の二人の握手と抱擁は、熱いものがありました。。




とにかくマクロンさんの若さから来る生真面目さに、今回もノックアウトされました。
なにしろ、一つ一つの連隊が自分の目の前に来るたびに、頭を軽く下げていたのです。こうしてきちんと拍手をするのは礼儀としても、頭を下げることでその恩に報いていたのです。ちょっと日本人的ではないですか?好感持てますよね?


あらゆる面でとても対照的な二人ですが、こうして写真で色々な角度から見てみると、いかにトランプ氏の体格が良いか(ごく控えめな表現で言うと)がわかります。並ぶとまるでマクロンさんが小柄なように見えてしまいます。トランプ氏は、その押し出しの強さで乗り切って来たのでしょう。

最後に、マクロン氏が演説で述べたことを少し。

このQuatorze Juillet の歴史的経緯、いかにその時(フランス革命)からフランスの民衆が自分たちの権利を勝ち取ってきたか、そして今も、テロから人々を守るために、今日行進をした軍隊、並びにそれに即した団体の努力に感謝。そして国を守るために命を落としたり怪我をした人々を称えました。また、臨席したトランプ夫妻に対して、その友情に感謝。今後の協力体制を願いました。


そして「Vive la République !  Vive la France !」の言葉で締めくくられました。
                          (共和政万歳! フランス万歳!)
 






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