2014年5月30日金曜日

やっと一息   Ouf ! enfin, je respire.


久しぶりにブログを更新します。

5月、6月はフランスでは1年で最も素晴らしい時と言われているため行事が多く、夏のヴァカンスも控えているために、皆浮き足立っています。私も昨日でようやくひと段落がついて、ホッとしたところです。
今朝は、寝坊したいのはやまやまでしたが、ごった返している家の中を整理することに追われました。お蔭で今は部屋も気分もスッキリしています。

写真は、シャンゼリゼ通りに面して、ちょっと奥まったところにある緑地です。手前の方に、エリゼ宮、大統領官邸がある立地条件です。写真奥には、毎年見事な花を咲かせる桜の大木があります。
こちらの人は、本当に芝生の上で過ごすのが好きですよね~。私ももう慣れて、その素足で草の上を歩く気持ちの良さを味わっていますが、こうしたところでフランス人は自然と一体となることを楽しんでいるのでしょうか。神経質な人だったら、ちょっとできない事かもしれません。
でも思い切って芝生の上に寝転ぶと気持ちいいですよね。


こちらはチュイルリー公園です。(何かいつもと変わり映えしなくてすみません(*^_^*))
でもこうして、公園のベンチで読書を楽しんだり、友達とおしゃべりしたり、思い思いに寛ぐのは良いものです。ここに来たら、人目なんて気にしないで、例えば、置いてあるイスで、ものすごく背の部分が倒れているのがあるのですが、それに思い切りふんぞり返って座るのも悪くありません。とにかくこっちはリラックスしたもん勝ち。誰もそれを咎める人はいません。日本人的にはちょっと勇気がいることですけれど。
一方で、忙しくしている時の自分も好きだったりします。他の雑念に惑わされている余裕がなくなるからです。そういう意味では、リラックスしている時も、雑念が消えてボーっとできる訳ですから、どっちにも当てはまらないような時に、雑念というのはやってくるのかもしれませんね。

早く仕事をしたいと思いつつできないでいますが、いずれ、動き出す時がくる予感がしています。

そしてふと、実家に置いてきた愛猫を思い出します。
本当に目に入れても痛くないぐらい可愛がっていたので、今1人(匹)になって、ノイローゼになっていないだろうか、と時々いてもたってもいられなくなりますが。まぁ、もう1人(匹)でいるのも慣れた頃でしょう。

今回は、取りとめもないことばかり書きました。
日本はもうそろそろ梅雨入りでしょうか?(さすがにまだ早いでしょうか?)







2014年5月24日土曜日

ローラン・ギャロス!  Roland-Garros !


旬の話題を1つ。
とその前に、日本でも「え~!」という話題がありましたね。
ご存じ、遠隔操作ウィルス事件です。あれは参りましたね。
事件の全容を詳しく追っていた訳ではないですが、ここまで来てついに!自分が犯人だと自白した訳ですが、彼を無罪と「信じていた」人たち、特に弁護団はしてやられた、という感が否めません。終始弁護に立っていた佐藤弁護士は、とても優秀な方なので、これぐらいのことではめげませんが、でもさすがに面喰っていたようですね。
片山被告、今や犯人ですが、彼が生の姿で報道陣の前でしゃべっているのを、ビデオニュースで見たばかりでしたので、衝撃は二倍、三倍、というところなんでしょうが、でも、その彼の生の様子を見ていて、「この人、全くの白とは思えない」と感じていました。悪いけど、とても健全な人には見えなかった。予感って、的中するんですね。
佐藤弁護士も、老練ながら、一応は被告人を無罪として弁護する傍ら、一抹の疑問点は持っていらしただろうと思います。弁護するときは、彼が完全に白だという前提で弁護をしたにしても。でもこういうケースを見るにつけ、弁護士という職業も楽じゃありませんね。まさに大どんでん返し、しかもサドンデスですから、目も当てられません。犯人の精神鑑定は間違いなくされるでしょう。因果な職業ですね。

ところでやっと、「旬の話題、パリ編」です。
明日の日曜から全仏オープンが始まります。Les internationaux de France commencent ce week-end à Paris. とはいえ、詳しく知らないのですが、でも、スポーツ観戦としては、サッカーや野球をこの年までほとんど見て来なかったのが、テニスとバレーボールだけは大好き、という人間です。ただこれも、特定の誰を、というのがしばらくない状態が続いていました。ところが最近、彗星のごとく現れた日本男児、Kei NISHIKORI を応援しています。そうはいっても、こちらも詳しくないのですが、彼はなんでもアメリカでプロのテニスプレーヤーとして育ってきた若者で、今、最も注目株の1人だと、フランスでも報道されています。がんばれ、NISHIKORI !!

因みに、このローラン・ギャロスというのは、ブーローニュの森の中にあるテニスコート場です。
私たちの住んでいるアパルトマンは、パリの最東にあるので、この森へ行くには、パリを東西に大きく横切って行かなくてはなりません。遠いので、ちょうどこの時期に、バガテルのバラを見に行く ぐらいしか出かけません。
翻ってパリの東には、このブーローニュに対峙するような形で、ヴァンセンヌの森が広がっています。総面積を比べると、ややヴァンセンヌの方が大きいそうで、「勝った!」と勝手に喜んでいますが。それと、2つも森の違いも明らかですね。ヴァンセンヌの方が、より自然に近い形になっています。より sauvage というんでしょうか、人の手があまり入っていない、自然の豊かさを感じます。
直径2キロの湖も、2つありますしね。その1つの周囲を、夫は好んでランニングしています。

またローラン・ギャロスですが、ご存じのように、世界4大会の1つで、ウィンブルドンに次いで大きな大会なのですが、特徴は、コートがクレーだということです。なので、このクレーコートを苦手とする選手には受難の時となります。

今年は一体どんな選手が活躍するのでしょうか。フランス人選手たちは、どうも振るわないようです。。


園芸報告を1つ。
大切に育てている鉢植えの1つ、アボカドちゃんが、こんなに大きくなりました。
水栽培から土へと植え替えてから、急激に葉の数が増えて、この数週間で、葉数は倍以上になっています。友人がスペインから持ってきてくれたアボカドですが、2つの内1つは育ちませんでしたが、もう1つは成功した訳です。ありがとう~(^_^)/





2014年5月23日金曜日

少し読書を   


今日も日中は良く晴れました。
時々思い出したように降る雨が、お天気雨と言うところ、夫なぞは「狐の嫁入り」とか言ったりします。時々、夫と話をしていると、「一体いつの時代の話だ?」とか、「ね~、年いくつだっけ?」と問いただしたくなるほど、昔のことを良く知っている人なのです。
うちの本棚を知ってる人はうなずける話だと思いますが、やはり小学校6年生でパリに来たものですから、娯楽といえば、ご両親が携えてきた古典や良書を読むしかなかった訳です。なので、時々、びっくりするやら、勉強になるやらで、飽きません(*^_^*) 

写真は、もうお馴染みの、家の近所のナシオン広場。でもこの角度からは初めてだと思います。左手の方角に、6番線のメトロの乗り口がある、という場所です。

つい先だってまで大きな花をたくさん、どっしりと咲かせていたマロニエも、今や花はすっかり終わり、葉が青々と茂っています。青空に映えている雲も、もう夏の雲ですね。

これから先、当分読書は無理と先を見越して読んだ本を、ちょっとご紹介します。

森鴎外の「山椒大夫」、「舞姫」、「阿部一族」を読みました。まさに日本の古典ですね。

まず「山椒大夫」ですが、これは子供の教科書などには、「安寿と厨子王」と改題されて載っていますので、ご記憶の方も多いと思います。いわゆる感想文ではないので、私心としてだけ書きますが。
これを読むと、昔の日本の悲惨さ、というのは、現代の悲惨と質が違うだけじゃなく、救いというものがない、と思いました。更にいえば、フランスの作家のアルベール・カミュが提唱した、「不条理」という言葉そのままに、日本語的にいえば、理不尽、ということなんでしょうが、それがあからさまであった、ということです。安寿と厨子王の2人の子供たちはもちろんのこと、その母親とお付の女中という、とても人情の厚い、無垢な人たちが、人買いという悪人の手にあっさりと騙されてしまい、親子離れ離れになったり、それだけではない悲惨さが次々と降りかかっていく訳ですが、「なぜ、何の罪もない人がこのような仕打ちを受けなくてはならないのか?」という湧き上がる問いに対しての答えは、一切ありません。
これは、キリスト教を信仰する際にもネックになる事柄ですが、あの、3・11の一連の悲惨に答えがないのと同じだろうと思います。 ただし質が違うと思うのは、現代と昔では、生活の質が違いますし、厳とした階級社会であったことがあげられるだろうと思います。もちろん、どっちが悲惨かという意味でも、客観的にいっても昔(大昔ですね、平安時代だそうです。) の方が悲惨だったと思います。反論、意義を唱えたい方は、実際にお読みになってみてください。

この本で取り上げたい個所は、いろいろあって困るのですが、やはり最後、厨子王が盲目となってしまった老いた母親と、ついには再会する場面です。
母親は、ぼろをまとって、百姓家の前にむしろを敷いた上で、木の枝をたたいて寄ってくる雀を追っていたのですが、その間ずっと、安寿と厨子王のことを恋い慕う言葉を口に、歌っていたのです。
それを聞いた厨子王は、「うっとりとなって、このことばに聞きほれた。そのうち臓腑が煮え返るようになって、獣めいた叫びが口から出ようとするのを、歯を食いしばってこらえた。」のです。
そして詳細は避けますが、ようやく、親子の再会が果たされます。
「救いがない」と書きましたが、確かに最後は救われます。でも、そこに至るまでに父親は死に、安寿も自殺をしています。そして母親は、盲目になって、乞食同然の暮らしを強いられていた訳です。救いと言うには、あまりにも犠牲が大きいな、と思います。


すみません、ちょっとご紹介のつもりが、長くなってしまいました。

次に「舞姫」ですが、これは、私は初めて読んだ小説となります。「これも教科書に出てるでしょう?」と夫は言いますが、記憶にありません。そして実際に読んでみますと、想像していたのと全く違ったので驚きました。今読んだ後に思うのは、明治の時の鹿鳴館のような華やかさをイメージしていたのです。全然違いました。この本に関してはあまりネタバレしないようにしますが、これは森鴎外の実際に身に起こったことと、非常に近い、いわば私小説だそうです。その点では双丘の、夏目漱石と酷似していますが、洋行先での経験が違いますね。2人共が、心身病になってしまうところも同じですが。。

やはりあの頃の、海外留学というのは、今の日本では想像を絶するほど、大変な時間と精神的圧力があったということですね。今でさえ、海外に来ることで病んでしまう人は後を絶たないのですから、昔はもっと深刻でした。
しかし、日本という祖国を出ることで、初めて知る自分の本性だとか、目標だとかが見えるものですから、それは今も昔も変わらないと言えるでしょう。現代人は甘っちょろくなってますから(私ももちろん含めて)、それはそれで、便利になった世の中とはいえ、大変さは同じなのかもしれませんが。
とにかく、想像していた華やかさは一切なかった、とだけ記しておきます。

最後に「阿部一族」です。
これは、この3作の中で、一番読みごたえがあって、面白いものでした。
なので、日を改めて書きたいと思います。(いつになることやらですが。)
しかし一言。昔の(舞台は、江戸時代、徳川の三代目の将軍、家道の時代です。)日本は、階級がしっかりとありましたが、でもそれと引き換えに、忠義とか人情というのが確かにあったということです。これだけの忠誠心は、あっぱれと思いますし、死に際も潔かった。まさに武士道ですね。
そして「末代までの恥」とか、「お家とり潰し」という文化が、一方で徹底して根付いていたために、相当な覚悟での生き様、というのが、どの身分の人にもあった、ということです。



長い文を最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

写真は、私たちの住んでいるアパルトマンの中庭に咲いているバラです。何の変哲もないバラですが、バラはバラ。(元)バラマニアとしては、嬉しいものです。
では失礼します。










2014年5月21日水曜日

「あの人は」  - 自作の詩より  「 Cet homme 」 ( la poème de moi-même)


「あの人は」                         「Cet homme 」

あんなにも素直で優しくて                 Il est si docile et doux
心がとっても澄んでいる                  Et a le coeur si pur

なんであんなに澄んでるの?               Pourquoi si pur ?

それはね                           Eh bien, 
長く長く                                                                c'est parce qu' Il a souffert 
苦しんだから                            longtemps et longtemps
                        
                                
苦しみの中で                         Il a rencontré Quelqu'un
彼に出会って                          dans la souffrance
救いの歴史が始まったの                   et l'histoire de salut a commencé

あの人はね                          Cet homme,
苦しみと引き換えに                     il a obtenu
心の美しさを手に入れたんだよ              le beau coeur
                                 en échange de sa souffrance
キリストと一緒に                       
                                 avec Jésus-Christ,
ずっとずっと                                                  
十字架を背負ってきたからなの              il portait la croix     
                                 longtemps et longtemps


© Sachiko Yuzawa 
                                         









 

2014年5月19日月曜日

少しだけシャンゼリゼ


先日、夕方からシャンゼリゼ方面へ繰り出しました。
実はプチ・パレでの個展を見るためだったのですが、その時間は常設展しかもうやっていないと入り口で言われ、仕方なくの帰り道です。
写真真ん中奥にはるかに見えるのが凱旋門。ここは、後ろを向くとすぐにコンコルド広場という地点で、シャンゼリゼ大通りの始まる起点に近い所です。この後、凱旋門を真正面から撮れるように、横断歩道の真ん中で立ち止まって写真を撮りました。こんな風に。


シャンゼリゼに来ると、みんなこれ、やりますよね。もちろん、信号は青の間にやるのですが。
もっと先に行くと、歩道に中央分離帯が設けられているので、大体一度に渡りきれない歩行者が、そこに留まって、凱旋門を撮りまくっています。あれ、結構スリリングなんですよね。一応、安全地帯にいるとはいえ、とても細長い空間しかないので、両側をすごいスピードで行き来する車とあわや接触?みたいな怖い思いをしたりします。子供やお年寄りなどは、しっかり安全地帯の中にとどまるべきですが、こういう時に限ってはしゃぐ輩がいるもので、ちょっとした危険を犯しても、その地帯からちょっとはみ出るようにして写真を撮る訳です。見てる方もハラハラします。


こちらはもう、コンコルド広場です。
赤い車は(わたしはフランス流人力車と呼んでいますが)、ここが定位置で、客が来るのを待っています。この日はものすごい晴天だったので、広場を横切る人の数も多く、かき分けるのが大変でした。


広場中央に黒く見えるのが、アイスクリームやさんの屋台。その向かって左が、かの有名なホテル・クリヨンだったわけですが、今はどこぞかに買い取られ、今、改築工事の真っ最中です。
このホテル、私は足を踏み入れたことはないのですが、日本の有名人はよく訪れてはお茶を飲んだり、宿泊しましたよね。ある方は、ここの料理コースを習って有名になった人もいます。


私も小さい頃の夢が、親友とパリでお菓子を習って、お菓子屋さんを開く、というのがありましたっけ。今は、そんな高いお金出して習うことは叶いません。むしろ、料理のうまい人に、家庭料理のコツとか教えてもらいたいな、と思っています。
どっちにしても、パリに住むというのは、お金のかかることです。。


最後に、広場でウエディングドレスを着た女性がいたので撮りました。ここではよく結婚式のための記念写真を撮るカップルを見かけます。素敵ですよね。後ろ、背景は、海軍の建物です。上記のホテル・クリヨンの並びです。裾を持っているのはお婿さんでしょうか?普通は付き人かカメラマンがすることですが。。花嫁さんの自信に満ちた表情から、早くも力関係が決まっているような。。。そんな印象を受けました(*^_^*)

今朝もパリは朝日が輝いています。また最高の1日になりそうです。
日本ももう、気持ちの良い季節でしょう。暑いぐらいかな?

ではまた。






 

2014年5月17日土曜日

フラワーアレンジメント  Arrangement floral


家の近所で懇意にしている花屋さんがあります。
日本女性が1人で切り盛りしているお店なので、こじんまりとしていますが、とてもセンスの良い花やブーケをたくさん置いています。これもその1つ。今はやはりバラが季節ですね。

私もお花は大好きなので、花屋で仕事をしても良いな、と考えるようになりました。
本来は、育てる方の仕事をしたかったのですが、色々考えて無理だとわかったので、花を売ることはできるのでは?と思い始めました。

父のことで日本に滞在している間、フラワーアレンジメントを始めました。通販でなので、パリにも花器や教材をもってきて、昨日、ようやく1つ作品を仕上げました。花を生けこむにも、時間だけでなく、精神的なゆとりがないとできませんから、パリに戻って1か月が過ぎて、心に余裕がやっと生まれたのでしょう。
花を生けるって、やはり華道というぐらいですから、とても集中しますし、無心になれます。とても真剣で、しかも楽しいです。


これは花屋の店先に置いてあったバイカラーのバラです。あんまり美しいので、許可を得て撮りました。香りもさわやか。品種名、聞かなかったのですが、 バエリガータ・デ・ボローニャでは?と思います。葉の色も、花色に合う、明るい緑ですね。

さて、活けた花、お見せしたいところですが、今回は見送らせていただきます。トライアングルという、三角形に活ける方法なのですが、花材でつかったガーベラが、うまく行かなかったのです。あしからず。

人の気持ちに寄り添う仕事をしたいと思いながら、こうした華やかな世界でも働きたいと思う自分がいます。。。 「早く仕事がしたい」というはやる気持ちを抑えて、ベストのタイミングが来たら前髪をつかめるように(?)待機していたいと思います。









2014年5月15日木曜日

初夏   Début de l'été


今日は朝から珍しく天気が良く、1日を通して晴天でした。雨が1回も降らないのは、この頃では珍しく、初夏らしい陽気でした。写真は、家のすぐ近くのシャロンヌ通りです。向かって左に行けばナシオン広場、右向こうにずっと行くとベール・ラシェーズの墓地にたどり着きます。

天気が良かったのですが、今日は1日家で過ごしました。午後に窓を全開にして、部屋の隅々まで掃除機をかけて気分をスッキリさせました。
「今日は1日、家で過ごそう」と決めると、かなりリラックスしますね。実際には、外に出て散歩したり、人と会っておしゃべりしたりが好きなのですが、パリに来ると、特に予定がないと、すぐに家の中にこもってしまいます。以前より家の中でリラックスして過ごせるようになったことが大きいですね。
父のことも思い出しますが、東京の実家にいるよりは、泣く時間がぐっと減りました。やはり物理的に距離を置くというのは、大切なんだな、と感じます。




家で育てている鉢植えたちです。全部で5鉢あります。
手前が、年上の友人からいただいたベゴニア、真ん中に見えるのがやはり友達からもらったアボカドです。 


アボカドが真ん中に写るように撮りました。これだと上の写真よりはわかりやすいでしょう?
背丈はそれほどではないのですが、葉の数が増えました。そうそう、パリに戻ってから、それまで水栽培だったのを土の入った鉢に植え替えました。


ベゴニアの花をアップにしてみました。
このベゴニアは、私がやはりパリに戻ってから液肥を千分の一ぐらいに薄めた水をあげているせいか、花が次々と咲き始めました。ベゴニアの花の咲き方って面白いんですよ。葉の間から、ピンクの花びらがちょっと覗いたかな、と思っていると、そこから花茎がすーっと伸びて、このように線香花火が散るようにいくつもの花を散らせます。

今日は1日、窓からサンサンと入る日の光の中で、かなりのんびり過ごしました。
前にも書きましたが、こうした鉢植えたちを眺めていると、時が経つのを忘れてしまいます。ずっと眺めてるの、やっぱり好きなんですね~。それにこの5鉢は、家の事情から丈夫で手のかからない、たまに水をやれば育つという植物しか置いてないので、余計楽です。「楽」だから好きなんでしょうかね。
「丈夫で手がかからないものが好き」ということ、実は全ての事物に言えるかもしれないです。 最近は、楽な方、楽な方へ流れて行きそうで自分を諌めていますが。でも客観的にはまだ喪の時期。今月でちょうど父が他界して半年でした。

まだまだ、神様から休んでていいよ、と言われているのかもしれません。



 


2014年5月13日火曜日

モンパルナス  Montparnasse


このところずっと、パリは変な天気が続いています。
朝、暗く曇っていて、日中になって明るくなっても、急に土砂降りの雨が降ってきたりと、1日の内でもめまぐるしく天気が変わります。特に、急に雨が降る、ということが多いので、傘をささないパリジャン・パリジェンヌも、折り畳み傘を携帯しています。ただ、この急な雨、土砂降りにしても、長くは降り続かないので、何とか雨宿りしているうちに、止んでしまいます。そんな、面白い天気が続いています。ただ、晴れ間がのぞいても、気温が低かったり、風が冷たかったりするので、薄着はできません。外を歩いている人は皆、わりと厚手のコートを着ています。

写真は、手前がモンパルナスタワーのある駅で、駅を背にして続いている並木道です。右手にモンパルナスの墓地があります。ここには、かの有名なサルトルやボーボワールの墓もあります。
左手の奥に、我が共同体、教会の建物があるのですが、ここからは見えません。

このところの多い雨で、地面が潤っているせいか、緑が青々としていますね。この並木は、ニセアカシアだそうです。左の写真は、ちょっとしょぼい感じですが、下の写真のように、大体は大きく茂っています。左は通りの家並みの様子、下は墓地の側面です。                                            この間、メトロの6番線に乗っていて、車内アナウンスが、こんな風に聞こえてきました。「ラスパイユ(駅)からモトピケ(駅)まで、工事のため運休します。ラスパイユ(駅)から先に行くことはできません。」その途端、私は思わず目の前に座っていたおじさんの顔を見たのですが、おじさんは、思わず「こりゃ大変だ!」という表情、眉をあげて目を見開いたのです。それを見て、思わず笑ってしまいました。本当にこっちの人の表情や身振りって豊かで楽しいな、と。私としてはラスパイユで降りるので、支障はなかったので、猶更おかしかった。こういうちょっとしたことで面白く感じられるようになった自分にも驚いていますが。                           
                            思い出したついでに書くと、こんなこともありました。                           郵便局でのこと。                  パリに住み始めて間もないころなので、色々と戸惑うことがあった中で、郵便ポストの、どの穴に入れれば良いのか、ちょっと迷っていました。そうしたらお兄さんがやってきて、封筒を見て日本へ送りたいことが分かったらしく、「日本だろ?航空便扱いだよ。だって日本まで自転車で行くわけにいかないからね。」とウィンクされました。しばしあっけにとられた私でしたが、その冗談の意味を理解して、思わす笑ってしまいました。周囲も、わたしが理解したことで和やかな雰囲気に。
どんな場面でもユーモアを忘れずにいたい、と思ったエピソードです。


 最後に、面白い車を載せます。
 パリにあっても、中々見かけなくなったクラシックカーですが、そういえば以前、このナシオン広場の周りを、クラシックカーが占拠したデモンストレーションがありました。

車、好きか嫌いか、この結婚10年の間、車を持たないでパリで暮らしてきましたが、全くと言っていいほど不便を感じていません。ですが、東京では、19才で免許を取ってからというもの、ずっと乗り回していた(?)ので、運転は好きですね。実は400までのバイクの免許も持っています。(兄たちの影響です。) そうですね、パリで黒い革ジャンなんかを着てバイクを乗り回してみても良いですね(笑)。
運転の何が良いか、と言われれば、即座に答えるのが、「能動的になれること」。男性諸君にはなかなかその新鮮さというのは分かりづらいかもしれませんが、女性が能動的に、しかも誰にも邪魔されずになれる場が、運転席です。ですから、女性も、なるべく運転というのものをした方が良い、と私は考えます。世界観が変わりますからね。ただし、くれぐれもマナー違反をしないように。
まぁ、パリでの運転作法を考えれば、日本人は礼儀正しい範疇に入りますが。

ではこの辺で。



                                                                 

 

2014年5月12日月曜日

苺   Les fraises


スペイン産の苺です。
もう5月なので、季節外れと思われるかもしれませんが、南国スペインから輸送されてきたものなので、今が盛りです。この1箱およそ1キロで、2,5ユーロぐらい。日本円だと300円ちょっとでしょうか。安いだけでなく、味もまぁ、合格ラインです。柔らかいですし。
こちらの苺は、フランス産の旬のものが一番美味しくてその代わり高いのですが、それに比べると大味、という感じは否めません。フランスの農家も、周辺諸国や旧植民地からの輸入物で、かなりの打撃を受けているそうですが。でも関税などの調整で、農業国であることの誇りを保っています。
それにしてもこの苺の安さには驚いています。


上の写真は、中華街のお菓子屋さんで撮ったものです。
表通りに面したガラスのショーケースを写したのですが、もう閉店間際で、片付けている最中ということもあり、照明の当たり具合が今一つですみません。でも、このケーキたちを見て、撮らずにはいられませんでした。買って食べたことはないのですが、このケーキたちは、昔ながらのバターケーキ。懐かしいですよね。日本でも、小さいころは生クリームのケーキは上等でしたので、このバターケーキを食べたものです。そうですね、小学校低学年ぐらいまで、日本はそんな感じだったと思います。大体1970年代前半。それが、中国ではまだその段階なのですね。

でもここの中華街、パリの13区で、通称チャイナタウンと呼ばれていますが、夫とよく、日本の食材を買い出しに来ます。
日本のうどんやソバ、ラーメンといった麺類はもちろん、しょう油、料理酒、みりん、味噌等の調味料も手に入ります。韓国産のものも沢山あって、そちらを買うこともあります。パリにいながらにして日本料理を食べられるのは、本当に有難いことだと思っています。


こちらは家の近所、例のお気に入りのパン屋がある大通りです。道幅がシャンゼリゼぐらいあるので、歩道の幅も大きいです。そこに、ピンクのマロニエが植わっていたので撮りました。夫の説明によると、ピンク色の花のマロニエの木が、白いのより小さいのは、後から植え付けているからだとか。白のマロニエは、病害虫にかかりやすいので、ピンク色を多くしようという政府の計画なんだそうです。ピンク色より白い花の方が弱い、というのは、園芸を好んでいる人にとってはよく知られている事実ですよね。バラでも、白系のものは、他の色より手入れが大変だと記憶しています。

 このピンクのマロニエのある大通りをちょっと入ったところに、毎週ミサにあずかる地元の教会があります。
その前庭に、バラが咲き始めました。
東京の実家で育てているのと同じ品種のバラがあったので撮ってみました。ピエール・ド・ロンサールという大型のつるバラです。実家のバラは、お隣さんが面倒を見てくれているので、今年も無事、咲いているようです。時々どんな様子か、写真を送ってくれます。有難いです。

今回は、旬を外れた苺をご紹介しましたが、パリでは、「旬」という感覚が、日本ほど強くはないように感じます。日本とてその傾向にあると思いますが、パリは世界中から食べ物が輸入されているので、年中同じものが、地産を異にしてスーパーに並びます。その顕著な例が、オレンジでしょうか。フランスが真冬でも、南のオーストラリアからの輸入の美味しいオレンジが並びます。女優であり作家でもある壇ふみさんは、1年を通して、この生のオレンジを絞ったものを毎朝飲んでいるらしいですが、日本でも同じ状況なのかもしれません。味が季節によって微妙に違う描写を本でされていました。

食にまつわる話はきりがありませんが、人がどんなものを食べているのか、興味津々なのは、私だけではないと信じて、これからもブログに食べ物や料理の写真、載せます。

では次回をお楽しみに!

2014年5月10日土曜日

メトロにて   Dans le couloir du métro


毎日使うメトロには、さまざまなポスターが貼られています。
パリに詳しい方は、これらのポスターがどのようにしてはがされ、新たなポスターが貼られるか、ご覧になったことがあると思います。専用の溶剤をつかって専用の刷毛できれいにはがし、そこへまた専用の接着剤を使って貼っていくわけですが、その動作の無駄のないこと。そして手際の良さ。職人の仕事だな~、といつも感心します。

上のポスターは、駅へ向かう通路に貼ってあったもの。あんまり可愛いので、持っている荷物が重かったんですが、苦労して撮りました。かがんで撮ったのですが、でもやっぱりちょっと上からになってますね。ななめだし。
このCarl Larsson 、初めて聞く名前ですが、こうした絵はもう、まさに好みの絵なので、ぜひ見に行こうと思います。来月の7日まで、プチ・パレで開催されています。そういえば、プチ・パレのサロン・ド・テの評判が良いと聞いているので、レポートも兼ねて行ってみます。こうした、暖かい絵、人を和ませる色彩とタッチの絵は、本当に大好きです。



ついでに、我が家のリビングの様子をお届けします。
この壁の色が、本当の色に近い色、バニラ色です。何度も書いて恐縮ですが、最初の出来上がった時にこの壁を見て、すごくショックを受けたものです。天井の色は、Blanc cassé といって、一般的な住居に使われる色にしたのですが、バニラ色 ( もちろん、アイスクリームのバニラの色、という意味です。)は、そのグラデーションと考えて、ちょっと生成りを濃くした程度の白を予想していました。色を決める時に見せてもらった色見本でもそんな感じだったのです。
ところが、ところが。出来上がってみると、予想以上に黄色が濃い。ショックでしたね~。これだったら、塗装しなおす前の淡いオレンジ色の方が良かった、と思うぐらいでした。「バニラというのは、もともとこういう色なの!」と夫に言われても納得できませんでした。こんなに黄色いわけない!バニラアイスって、もっと白いじゃん!と叫んでも後の祭りでした。。皆さんはどう思われますか?実際、パリでジェラート屋さんでバニラを見ると、、、う~ん、これほど黄色くはないけど、確かに自分がイメージしているよりは黄色いかな?という感じ。
それに、慣れてみると悪くありません。もうこの壁になって4年目となるので、すっかり慣れ親しんでいます。この話、最初のころはよく家に来る人ごとに話題にしていたのですが、みんな、褒めてくれるので気持ちが落ち着きました。この薄黄色は、インテリアの色としては良いのだ、と思えるようになりました。こうして間接照明にすると、温かみが増しますしね。

くだらない話を長々と。でも自分が毎日暮らしている家、部屋のインテリアって、とても重要ですよね。とてもないがしろにはできません。どんなタイプのインテリアにすれば、一番しっくりくるのか考えるのは、楽しいものです。

パリはまた、サクランボの季節となりました。
昨日はシスターが、修道院の庭で摘み取ったのよ、と、摘みたてのサクランボを持ってきてくれました。

そういえば、日本にいる時に、山形出身の親戚の叔母が、たくさんサクランボを送ってくれたのを思い出しました。日本のサクランボは、繊細で本当に美味しいですよね。懐かしいです。

緑の小皿は、確かクリスマス用にとHabitat で買ったものだと思います。


パリは、朝方に雨が降ったようで、地面がぬれています。このところ、よく雨が降ります。
私がこちらに戻ってきてから、雨がたくさん降るようになったみたいです。パリジャンたちは、良いお湿りだと喜んでいるみたいですが。
また昼になって、太陽が出ることを願いながら。。



2014年5月9日金曜日

自家製ホットケーキとチヂミ   Pancake et Chidimi fait à la maison


 前回の予告通り、夫が手作りしたホットケーキを載せます。
何度かご紹介しているオムレツと同様、ホットケーキもステンレスのフライパンで作っています。材料も、1から全部、家にあるものを使っているので、一応ベーキングパウダーを入れているとはいえ、市販のホットケーキミックスのように膨らみません。でも味はほのぼの、手作りの素朴な美味しさです。焼き色も良いでしょう?ちょっと焦げる手前、といったところですが、何枚か焼くうちに、慣れてもう少し色が薄くても焼けるようになったのが、奥のお皿に乗っています。そして何より食感が良い。人工的なふわふわ感はなく、ほんわか、しっとりしています。
ソースも手作りしました。砂糖と水だけで、じっくりキャラメルを作って、お湯で薄めたものですが、これも素朴で自然な甘さです。塩入のバターをのせて、はい、いただきます!


 甘いものを食べた後は、さぁ運動!ではないですが、夫はほぼ毎朝、10キロ走っています。タイムは段々縮んで、1時間を楽に切るようになりました。写真は、4階の我が家の窓から、夫が階下の中庭で走る前の準備体操をしている様子です。小さいので分かりづらいでしょうか。
黒い鉄の門の先には、新しく建て直した幼稚園です。壁の小さな四角い色とりどりの窓が楽しい雰囲気です。
夫は、左腕に iPhone をつけて、タイムを計りながら走ります。さぁ今日もがんばって走るゾ!


 こちらは韓国の代表的な料理の1つ、チヂミです。ご存じの方も多いと思いますが、まぁ言ってみれば、韓国版お好み焼きでしょうか。これも夫が作りました。ネットで、韓国の人の本場の作り方を見ながら作ったので、味も食感も本格的に仕上がりました。わたしは例によってそばでアシスタント。たれを作りました。しょう油大さじ2、ごま油大さじ1、そして潰したにんにく1片と唐辛子のみじん切り。これだけで、極上のたれの出来上がりです。
チヂミ本体には、玉ねぎ1個と冷凍の海鮮を解凍したものを使いました。これも良い色に焼けているでしょう?もちもち感を出すために、小麦粉に片栗粉を混ぜています。焼く時のコツは、熱々のフライパンに具を広げてしばらく放っておきながら焼き目をつけた後に、裏返すのですが、それからがこのチヂミを焼くコツで、フライ返しで、ギューギューと押し付けて焼き目をつけるのです。そしてそれを何回かひっくり返しながら繰り返す。ね、面白い焼き方でしょう?そうして焼くことで、中までしっかり火が通り、外はカリカリ、中はもちもち、となります。大満足の1品となりました。これもひとえに、このステンレスのフライパンを使いこなしているが故にできる料理ですね。

 食べる前に、たれと刻んだコリアンダー(香菜、シャンツァイ)をたっぷりかけて食べました。夫の満足そうな写真を載せてみます。

このシャンツァイ、日本人で苦手な方、多いですよね。わたしも最初は香りがキツイので敬遠していましたが、慣れるとこれが病みつきになります。そのキツさが癖になります。
韓国のおふくろの味、これからも時々作ってみようと思います。
食に関しても偏見なく、美味しいものは美味しいと食べる2人で、これも似た者同士で良かったね、と話しています。 


 

2014年5月8日木曜日

食後の散歩  Promenade après le déjeuner


ノートルダム大聖堂のセーヌ川側面です。もっとノートルダムだとわかる写真も撮ったのですが、今回はちょっとひねりを加えて別の角度から撮った写真を載せます。
ゆっくりとお昼ご飯(フレンチでしたが)を堪能してから、3人でこの界隈を散歩しました。夫と友人は例によって話に夢中になって先を歩き、私はあちらこちらへ目を走らせてはシャッターを切っていました。よくノートルダムは後姿が正面にくらべて優美だと言われますが、わたしはこの角度も素晴らしいと思っています。何となく、昔のギムナジウムみたいではないですか?

上の写真の足元は、こうなっています。色とりどりの花が咲き乱れていました。
 

こうした、色とりどりの小花を見ると、モネを代表とする印象画を想起しますね。ここだけ、田舎の田園にトリップしたような、そんなのどかな風景です。
ノートルダムのすぐ裏手に植わっているバラたちは、まだ蕾の状態で咲いていませんでした。

散歩は、これから先ににある、戦没者の記念碑をじっくりと見てからセーヌを渡り、サン・ルイ島へと向かいました。そういえば今日はフランスは祝日。第2次世界大戦で勝った記念日です。フランス語で、Victoire といいます。特に、ナチス・ドイツに勝ったという意味だそうです。

左は、観光客にはいつも大人気のサン・ルイ島です。
写真では見えずらいですが、窓越しに、鮮やかな朱色のドレスがかかっていたので撮りました。

この島にはたくさんの魅力的な、でもこじんまりとしたお店が多く点在しているので、目移りしてしまい、まっすぐ歩くのが大変です。
また、有名なベルティヨンのアイスクリームも、あちらこちらで食べられます。(このサン・ルイ島だけでも、4、5件はあるのではないでしょうか。)

まだまだご紹介したい、写真に撮りたい店は一杯あったのですが、残念、ここで電池切れとなりました。よっぽど撮りまくったのですね。途中で電池が切れることって、滅多にないことなので。

パリは、5月に入ってからも天気が不安定で、時折雨が急に降りだしたりします。
昨日も友達とカフェにいる間に、雨と晴天とを両方経験しました。晴れると日差しがまぶしいのが、パリの太陽ですね。

次回の話題は何にしましょうか。
夫が横で、「ぼくが作ったホットケーキでしょう?」とニコニコしています。
しょうがない、次回は夫の手作りホットケーキを載せますか。




2014年5月6日火曜日

教会の裏手より  À côté de St Julien Le Pauvre


前回、友人と3人でランチする前に待ち合わせた場所です。
正面にあるのは、サン・ジュリアン・ル・ポーブル教会といって、パリ最古の教会です。この背の低い、ロマン式建築の教会は、内部がとても神秘的です。ゴシック様式と違って、華美な装飾はなく、こじんまりとした、暖かい雰囲気です。祭壇向かって右手にある柱頭には、ちょっと恐いケルビム(智天使)がいたりして面白いです。毎年夏に、知人がここでクラブサンのコンサートを開きます。クラブサンの音色と響きが、この小さな教会にはとてもふさわしいと感じます。



さて、写真はその右手の壁になるのですが、この角度から改めて教会を眺めていたら、向こうから杖をついたお年寄りが歩いてきたので、思わず写真に撮りました。この古い教会と老人。とても厳かで、でも穏やかな日差しによく映える光景だと思います。建物と共に、年輪を重ねてきた重みがあります。

 こちらに向かってきた老人は、やはりまたパリで最古と言われる巨木(ニセアカシア)の根元にあるベンチに腰を掛けました。その姿に見とれていると、私に向かって静かに微笑んでくれました。

 左は、その巨木と、それを支えている石の柱の間から見た風景です。最奥に見える窓がまた素晴らしいので、アップにして撮りました。パリには珍しい、でも時折見かける一軒家です。


この教会の手前には、スクエアー(小さな公園)があります。 
小さいながらも緑が多く、ちょっとした市民の憩いの場になっています。このスクエアーの中心には、バラのアーチと色とりどりの花の花壇に囲まれた大きな彫刻があります。この作品は、ボーザール ( Beaux Arts ) の先生の作品なのですが、実は、彫刻家の義兄が留学中に習った先生でもあります。ちょっと東洋的な、しかし奇妙な雰囲気のある彫刻です。
教会の反対側には、ノートルダム大聖堂がそびえ立っています。なので観光客のたまり場でもあります。教会側から見た、ノートルダムです。バラのアーチの向こうにある彫刻は、ちょっと見えずらいですね。


とにかく良く晴れ上がった青空の広がる真昼間でした。
この場所から、前回の投稿に載せたサロン・ド・テ、兼レストランに向かいました。

次回は、食後の散歩の様子をお届けしたいと思います。



2014年5月4日日曜日

またお気に入りの店へ!  Mon restaurant favori !


さぁ、この内装を見て、「あ、あの店だ!」と思われた方、いらっしゃるでしょうか。
以前、このブログで紹介した、サロン・ド・テ兼、レストランです。もちろんフレンチ。昨日の土曜日の昼間、親しい友人と夫と3人で食事を楽しみました。以前来た時は、平日の昼間だったせいか、わりとすいていたのですが、昨日は土曜とあって、すぐに満員、断られる客も出てくるほどでした。写真には見えませんが、お店の外に出してあるテーブル席にも人でぎっしり。やはり人気店です。

この内装のカラーコーディネートが大好きです。
本棚に並ぶ本の背表紙の色がパステルカラーだし、壁の色と、「ルイ14世」と書かれたオレンジの文字の色とか同系色であること、そして更に同系色の鮮やかなレモンイエローのイス。(ラブチェアをイスに使用しています。)来ている人たちもどことなくマッチしている色合い。
写真には写っていない、中国の福の神の銅像や、与謝野晶子の詩が壁に架かれていたりもします。サーブしてくれたボーイさんも、とっても感じの良い男性。


左が夫の頼んだ、鱒(マス、truite )のマリネソース掛けと、サフランご飯。夫曰く、添えられていたレモンの半分の輪切りがとても良かったそうです、魚にたっぷりと絞ってかけられた、ということで。右奥が友人の頼んだ、Poivron farci 、パプリカ(大きいピーマンですね)に、BIO の穀類が、2種類のソースで詰め込まれています。
どちらもアツアツで、味も抜群でした。(3人で、それぞれの料理を分け合ったのです。)

私が頼んだのは、


見てお分かりになるでしょうか。そう、シーザーズサラダです。パリでも食べられるんですよ。
こちらも美味しかったですが、食べるのに難儀しました。お皿の下の方に、普通よりも小さい黒オリーブが、たくさん入っていて、それが種付きだったのです。

 このお店の人気の秘密の1つに、お店で焼いた、出来立てのパン、しかもBIO製のものが食べ放題なこと。それを知っていて、私はサラダ1品で済ませました。カゴに盛られたパンは、ふすまか何かが入っているせいで茶色、噛むほどに味わい深いものでした。

たっぷり食べた後は、コーヒーで締めくくりました。
1皿、大体15ユーロ前後。ワインを飲まなかったので安く上がりました。


この日は朝から晴天に恵まれて、久しぶりの温かい陽気でした。
お決まりの食後の散歩を3人で楽しみましたので、それはまた次回。
お楽しみに!



 

2014年5月2日金曜日

近所の散歩 2   Porte de Montreuil 2


前回に引き続き、Montreuil の様子、特に、このマクドナルドを中心に話を進めたいと思います。

パリに住んでいると、こうしたファーストフードのお店と、縁遠くなります。子供がいない、ということもあるし、すぐ近くにはないし(日本のように駅前にある訳ではありません)、そもそも美味しくない。日本のマックを初めとする、バーガー系のものって、かなり美味しいじゃないですか?でもこちらではそれほどではないのですよ。
ただ、コーヒーはさすがに美味しい。そのコーヒーと一緒に食べる、マフィンやブラウニーといった洋菓子類は文句なく美味しい。その、「じゃ、コーヒー飲みに行こうか?」という夫の言葉に、間髪入れずに「そうだね!」と答えたのでした。≪マクドナルドにコーヒー飲みに行くの?≫と不思議に思われるでしょうが、その時は、まだ夕方の5時ごろ。お腹はすいていませんでした。でも妙に、「マクド(フランスでは、マクドナルドを「マクド」と呼びます)でコーヒー、いいじゃん?」みたいに、気分にピッタリそぐうような、そんな午後でした。(どんな午後だ?)
 

 写真はその内部。もともとアメリカのものを、フランスに導入しているので、このメニューを見ているだけで、フランス語の勉強になりますよね。人々もなんとなくアメリカナイズ。すっごくラフです。

                                       混んでいたので、私は先に席取りのため窓際の席に座っていました。その時に撮ったのがこれ。最初は気付かなかったのですが、何とはなしに壁を見ていたら、「しゃれているな~。日本のマクドナルドとは雰囲気が違うな~」と思って撮ることにしました。外観を撮りはぐりましたが、外観もシックに作られています。          


窓際の席から、外の様子を撮ってみました。                              これだと良くわからないかもしれませんが、本当に様々な人種が通りを歩きまわっています。特に、日曜だったので、通りの向こう、(左のメトロの看板、わかりますか?そこには Porte de Montreuil とあります) そのメトロの向こうには、実は環状線を超えた場所に、マルシェが立ち並んでいます。ヴァンヴやクリニャンクールのと違って、雰囲気がハードなのは、売っている人たちが、ほとんどがアフリカやアラブの男たちだから。「ちょっと見に行ってみよう」と言い出した夫も、「これじゃちょっとね」と、行くのをやめました。こういう場合、行くか行かないか、躊躇するのが一番危険なので、躊躇せず、さっさとその場を後にしました。

ここのマクドナルドには、年に1回ほど来ます。「え~!」と驚かれるかもしれませんが上記の理由と、考えてみたら、そもそも日本でもほとんど入らないことに気づきました。よく言われるように、たま~に食べたくなるじゃないですか、その時ぐらいですね。そういえば、今回5か月滞在した東京でも、一度も食べませんでした。

でもパリでは、この不思議な、というか、エキゾチックな雰囲気を味わいたくて、この Montreuil のマクドに行きたくなります。自分が外国人であることを忘れることができるからです。だってここではみんなが外人。すっごく楽です。

いつだったか、パリで知り合った日本女性が、スタバやマクドが好きという理由に、「国際的な雰囲気が味わえるから」と言っていたのを思い出します。「フランスの、いかにもっていうカフェは好きじゃないの」と。その頃は私はフランスに来たばかりだったので、「フランスにいるのに、どうして?」とちょっと不思議でしたが、今はわかります。10年経った今は。それが大きな慰めになるからですね。

でも実は、生粋なフランス、パリっぽいところが大好きな私です (*^_^*)

土曜日の昼間に、お気に入りのフレンチを食べに行くのでお楽しみに。