2014年4月11日金曜日

最後の東京便りです  La dernière lettre de la part de Tokyo. Je rentre enfin à Paris !


いよいよこれが、東京からの最後の便りとなりました。明後日、日曜の早朝に成田を出発します。

父が亡くなって、急きょ帰国となってからおよそ5か月。長かったような、短かったような。振り返るとあっという間ですね、何でもそうですが。でも密度の濃い5か月間でした。
今朝、父が通っていた碁会所の人たちがお線香を上げに来てくれました。「全く知りませんでした。」 もちろん、私たちが家族葬にしたために、伝え漏れた人々、でも、父を知る最後の人たちでした。こうしてみると、父も交友関係が広かったな、とつくづく思います。趣味が数多くあったので、色々な方面の方々が、父を慕ってお線香を上げに来てくれました。わかる範囲だけでも、囲碁将棋、詩吟、バードゴルフ、パソコン教室とありました。

写真の木蓮は、近所に咲いていたものです。木蓮が咲いているのを日本で見るのは久しぶりです。木蓮って、よく見ると、しっとりと豊かに大ぶりの花びらを咲かせる花木だとばかり思っていましたが、花の内側が真っ白で(ほんのり紅がさしていますが)、実は花だけ見ているとさわやかな花でもあると発見しました。ちょっと意外です。こう書き連ねてみると、女性も、この紫木蓮のようでなくちゃいけないかな、と思いました。東京便りの最後にこの紫木蓮をもってきたのは、もうすぐ帰るパリで、大好きな俳句の会にまた、参加できる期待からです。俳句の会の名前が、この「紫木蓮」なのです。

ところで、このパリ便りならぬ東京便り、見返してみると、花の写真がダントツで多いですね。次に多いのがスカイツリー、これは地元なので宣伝として当たり前ですが、次に料理でしょうか。
でも、今回は東京便りの最後として、すべて花で終えたいと思います。

こちらは、スカイツリーの4階部分、アリーナのところで咲いていた、「ミツバツツジ」です。
あまりに花色が美しかったので、感嘆の声をあげながら撮影しました。名前も美味しそうですよね。

普通のツツジより早く咲くタイプなのか、日が良く当たるからもう咲いていたのか知りませんが、枝の先に、たっぷりと咲いていました。あくまでも可憐で美しい花でした。                                                                      

こちらは近所といっても隣町。でももちろん、歩いて行ける距離範囲で、わたしの大好きな散歩コースに咲いていました。

本当に下町は、植木鉢を路面に並べて育てている家が多く、この時期は特に、歩いていて目移りしてしまいます。いつもシャッターチャンスを逃さないようにとカメラを持ち歩いているのですが、写してばかりいて散歩にならない、ということもままあります。
知ってる方だと挨拶したり、立ち話を始めたり。
それもまた、外に出る楽しみでしょうか。


こちらのお宅も、それこそ1年中、花が絶えたことがないぐらいの花好きで、通るたびに目を楽しませてくれます。

この通りは区役所へと通じる通りなので、「区役所通り」と名付けられているのですが、両側の家々には道路沿いに色とりどりの花が今、咲き乱れています。

この通りはまた、帰国した際に、父が生前中は、よくお寿司を食べに行く途中の道でもありました。
墨田区は、関東大震災、東京大空襲と、壊滅的な打撃を受けた土地柄か、道路は京都のように碁盤の目のように整備されています。友だちにそのことを言ったら、実際にそうなっているので納得、驚いていもいました。ここは下町といっても都心に近く、東京駅までなら車で10分かからないぐらいで行ってしまいます。

ミッションスクール時代、この下町に住んでいるのを引け目に感じていたものですが、どうしてどうして、大人になって暮らしてみるのに悪くない土地柄です。浅草まで行かなくても、下町の人情に触れることのできる土地です。
逆に言えば、悪いことができない(笑)。み~んな生まれた時から知っているから、「誰々ちゃんはこうだった、あぁだった」、というのが、未だに言い伝えられています。

最近知って笑ったのが、上の兄の小学生のころの話。八百屋のけいちゃんが教えてくれたのですが、わたしの兄は、子供のころとっても可愛かったらしく、あだ名が「ベイビー」だったとか。それ聞いて、「うっそ~!!」とのけぞりましたけどね。今じゃ立派なおっさんですから。


最後に、こちらの家のお花を載せます。
こちらは家から数分のところにあるお宅。こちらのお宅の花を載せるのは、実は初めてなのですが、それも、あまりにご近所なのと、それからあまりにたくさんの花を育てているので、どれを撮ったらいいのか分からなかったからです。
ここの家のシンボルツリーも、我が家と同じく大型のつるバラです。確か、「カクテル」という名のつるバラで、とにかく真っ赤な花をたくさんつけるので、遠目からもよく目立ちます。

本当は、隣家のSさん宅の花々も写したかったのですが、それはまた今度の帰国の時にしましょう。留守の間、うちの植木に水をやってくださる、心優しい人々です。その点は安心して家を留守にできます。


愛猫アビを載せようとも思いましたがやめておきます。

朝の行事として、神棚、仏壇、お地蔵様へと、朝一番に汲んだ水で一杯湯を沸かし、それで日本茶をいれてお供えします。父が生前、よくことわざや言い伝えを口にしたのですが、その1つに、「朝茶は難を逃れる」というのがあって、そのためにこの5か月間、それを実行してきました。


パリで、朝一番に飲むのはコーヒーでしたが、ここ日本では日本茶でした。上記の三か所にお茶を上げてから、届いたばかりの印刷のにおいのする朝刊を読む。もちろん、お茶を飲みながら。1人きりで過ごす、静かな夜明け。静寂なひと時。パリに帰ったらもう、それは叶わなくなるな~、と思いながら、今朝、最後の朝を迎えました。

でも、パリでも先に起きだすのはいつも私だった。真っ暗な中から、いつも1人起きだして、夫が起きるのを居間のテーブルで待っていた。そんな時がまた戻ってくる。悪くない。(村上春樹流につぶやく) 悪くないではないか!

皆さん、いつも読んでくださってありがとう。
次回からは、本当のパリ便りとなります。
今後とも、ご愛読、よろしくお願いいたします!



 

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