2016年10月26日水曜日

焼き栗の季節  Saison de châtaignes grillées


室内と外との温度差で、風邪をひいている人が多いこの頃です。
夫も例に漏れず、のどを痛め、授業のない日は家で横になっています。
そのせいか私も少々風邪気味。寝込むほどではありませんが、うがいをして、家の中で大人しくしています。

とはいえ、どうしても用事があり、久しぶりにオペラ街に行ってきました。これは正面ではなく、真裏の様子です。
この近所に、知る人ぞ知る、レートの良い両替屋があります。
日本から来た日本人の方から、円建てでお仕事代をいただいたのでユーロに換えたのですが、円高でびっくり。1ユーロ百円近くまで下がっていました。ユーロになりたては、確かやはり1ユーロ百円計算だったので、そこまで落ちたことに驚きました。ラッキーです。

こちらが正面です。
このような冴えない天気ですが(この季節らしい天気です)、やはり観光地のメッカ、オペラ街には人通りが多く、会社も多いので、いつも賑わっています。
写真のように、2階建て観光バスがひっきりなしに通行しているので、それを避けて写真を撮ることはかなり困難です。

正面階段には、いつも若者たちが階段状に座ってのんびりおしゃべりを楽しんでいます。

上記するのを忘れましたが、このガルニエ・オペラの裏手の方に、ユニクロのフランス1号店があり、ときどき行くようにしています。
色々と問題があるようですが、フランスでは根強い人気で、いつ行っても店内は客が多くいます。


左の写真は、焼き栗を売っているお兄さん。
あぁ、その季節になったのだな、と思わずカメラを構えました。
でも売っているのがこうして肌の浅黒い、中近東らしき人、で買おうとしているのが中国の若い女性たち。こんな風景も、観光地らしいですね。

写真向かって左には、かの有名な Café de la Paix があります。
以前、結婚する遥か前ですが、ここで朝食をとる機会があって、出されたカフェオレとクロワッサンが絶品だったことを思い出します。もちろん、そのお値段にもびっくりでしたが(通常のカフェの2倍以上はします)、それ相応のお味でした。夫曰く、高いのは品質が良いからだけじゃなく、場所代らしいですが。でも相応のサービスもありますから、仕方ない、という感じです。
でも、最近のこのカフェの雰囲気は、あまり好きではないですね。なんとなく、お金をもった外国人観光客が、これみよがしな態度を取っている感じで。なんなんだ、この威圧感は?と思う節もあります。


このおじさんも焼き栗売り。やはり中近東の人っぽいですね。
先ほどの写真から、通りを一つ渡ったところですが、まだオペラ座前の交差点です。いかに大きいか、改めて思います。
焼き栗、どこで買っても大抵は美味しいですし、値段も一律で、新聞紙にくるんで片手で持てる量で一つ2ユーロ。熱々が特に美味しいです。

ここら辺を歩いていても、前ほど日本人に会わなくなりました。あ、日本人かな?と思うと、すれ違う言語で、中国人だったり、韓国人だったりします。やはり自主規制しているんでしょうね。


ここまで来て、全景が撮れました。
ここから伸びているオペラ通りまで辿り着くまでに、いくつもの信号を渡らなくてはならないのですが、車の往来が多く、運転するのも一苦労だろうな、と思います。

それにしても、こちらに居を構えて13年目。未だ自分がパリで暮らしている不思議を思います。
「いい加減慣れたら?」と自分でも思いますが、外に出るたびに、新鮮な驚きがあります。
自分が日本人で外国人だから、というのではなく、これはひたすら私自身の気質に因るんだと思います。いつも何か、ほんの些細なことでも新たな発見をしていると感じます。

ちょっと例はあんまり良くないと思うのですが、今思い出すのは、この日のメトロの中でのこと。
本格的なラッシュアワーにはならない、直前ぐらいの混み具合で、人との距離にあまり隙間がありませんでした。6番線だったのですが、私は揺れに弱いのでしっかりと棒につかまって周囲の人を観察していました。
ある駅で素敵なカップルが乗り込んできました。女性の方が、私のつかまっている棒につかまりました。そういう姿勢になったので、目の前に彼女の手が来たわけで、見るとはなしに見ると、ジャケットの袖口から少し見えていた手首に、産毛がたくさん生えていたのです。日本にいると、女性は腕の毛、剃りますよね?夏の間だけでしょうか?
ただし、この方は薄茶の髪でしたので、腕の毛も悪目立ちは全然していませんでした。むしろ、なぜこんなことを書くのかというと、この自然体の美しさに胸打たれたからです。彼女の心から楽しげに笑う様子が、やはりとても美しく、あぁ、この人は自分の人生を謳歌しているな、と思いました。


パリで暮らす魅力の一つに、こうした、何気ないことも、多くあると思います。
やはりその国の魅力というのは、そこに住んでいる、生活している人たちに因るのだ、と思います。国は、住民によって成り立っているのですから。
逆に言えば、そこに住んでいる人たちの魅力、人間性によっても、その国の評価が決まってくるように思います。 そこで生きている人たちが、文化を担っているということで。
そんな事にも、考えが行くようになるパリという街の魅力を思います。

 


 




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