「1日遅れた」と記すのさえ大変申し訳なく思っています、
そう、昨日は広島に原子爆弾が落とされた日、しかも70年目の大きな節目の日でした。
今回、親しい友を訪ねながら、その友の案内で、じっくりと広島を見学した矢先です。
昨日、ブログを更新する際に、この日のことが頭からすっかり飛んでいたことに、
深い反省の気持ちで一杯です。
言い訳をするなら、まだ広島の思い出は、自分の中で、しっかりと消化していないということでしょうか。昨日、「今日は原爆の日だね」と夫と話していたのにも関わらず、今回の日本の旅の紹介でそれが出てこなかった、つまり、日本で最後に見た蓮の花の写真を頼りに振り返ったのが精一杯で、まだ、自分の中でこのひと月の経験が定まっていない、という証だったと思います。
とはいえ、気が付いた以上、この日の思い出を書かなくて済むはずもありません。そこで、とりもなおさず、時差ぼけでパリはまだ真夜中ですが、こうしてパソコンに向かうことにしました。
これは単なる旅の思い出ではなく、同行してくれた友人への友情に応えることにもなると思います。
とはいえ、そんな大見得を切ったところで、
教科書にあるような歴史的な事柄をここで紹介する気にはなりません。
(何度も書きますが、そういった事柄は、
いくらでもネットで検索すれば良いのです。)
上からの写真は、ご紹介するまでもなく、
どれも原爆ドームの様子です。
私の場合、父と見たのが最初ですが、ここまで
近づいて見たのは初めてでした。夫は、広島自体、来るのが初めてでした。
こうした建物が、ここまで現存されていることに驚くばかりですが、その内部の様子から、いかに原爆の破壊力がすごかったか、想像するに難くありませんでした。
彼女の立つ右側の建物には、未だ発見されていない遺族の名前が連ねてありました。
平和の鐘。
ここにも、一つ一つ丹精込めて折られた千羽鶴が
捧げられていました。
この地に眠る、何百万の人々の魂の鎮魂のために、
思い切り鐘を叩きました。
この地には、
もちろん、日本人だけが眠っているのではありません。
被爆の苦しみに耐え、あるいは一瞬にして命を奪われた
韓国の人々もいます。右はその記念碑です。
私の実家は、戦争では東京大空襲、
その前の関東大震災においても被災しましたが、
その際における、韓国の人々の受けた仕打ちにも
思いを巡らしました。
上は、学徒動員された若者たちのための碑です。
家屋疎開のために勤労動員された、数多くの中学生たちが
亡くなりました。
戦争がなかったら、そして戦争などのために命を落とさなかったら、
どんな未来が開けていたのだろうと思うと、
涙が止まりませんでした。
左は爆心地の記念碑です。
まさにこの碑の真上で、
エノラゲイによる原爆が投下されたのでした。
この記念の地を、一通り見学した後に、開放感溢れるレストランのテラス席に陣取りました。
案内してくれた若い友人は、「胃が痛い」からと、あの暑い盛り、温かいスープを注文していたのが印象的でした。このことは、今も少し気掛かりになっていることです。
閑話休題。
あまりの激しい思いに打ちのめされるようにして見学し終わった後は、
(もちろん、最初に原爆記念館を見学しています、そこでまず、打ちのめされました。)
一旦ホテルに戻り、気を取り直してから、
友人が、以前働いていた居酒屋に繰り出しました。
単に、「居酒屋」とご紹介するにはとっても惜しいお店で、
お店の雰囲気としてはざっくばらんな居酒屋さんそのものですが、
出される品が、半端なく美味しい、文句無く美味しい、そんな、意外性のあるお店でした。
そんな料理の数々を丹精込めてつくってくれたのが、
もちろん、そこの店主である「大将」。
彼は、自分で育てた、無農薬の食材や、厳選された食材で、
フレンチの粋を超えた、無国籍な手料理を披露してくれました。
三年勤めた友人との、気心の知れたやり取りも、
楽しい酒の肴となった晩でした。
料理やその食材に関しての詳しい記述は避けますが、
色とりどりの野菜を使った前菜、
(適度な塩加減が最高でした!減塩が嫌いな私にとっては
最高の味付けでした。)米ナスの一品、特別な豚肉のヒレカツ、
ズッキーニの一品、そして下にある、
しめのニンニク炒飯。どれも絶品でした。
その他、ここでは書ききれない程のおもてなしがあり、心から寛ぎ、楽しめる晩でした。
もちろん、広島での経験は、この原爆の地だけではありませんでした。
またいずれ、機会を見てご紹介いたします。
今回は、少し長くなりましたのでこの辺で失礼します。
最後に、もう二度と戦争は起こしたくない、起こさせない、との決意にも似た思いで、
この回を終わりにしたいと思います。
あの恐ろしい原爆のために、一生を無にした、数多くの御霊のために、
そして未だ後遺症に苦しんでいる方々、その方々を支える人々のために、
改めて、心を込めて祈ります。
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