先日、久しぶりに古本屋街を訪れました。
ここは神保町のとある本屋さんなのですが、楽しい立像を発見したので思わず撮りました。
彼がうずたかく手にしている本は、実は空箱になっていて、そこには少量のパンフレットが置かれていました。でもその表情がなんとも言えず面白いので(写真だとわかりづらいですが)写真に納めました。
この本屋街は、思えば十代の頃は、下の兄(わたしには2人の兄がいます)に連れられて、毎週のように通ったものです。下の兄は、大の本好きで、若いころから特にSFの大ファン。今では自分の家に本屋のような部屋を造らせて、そこに二千冊以上の本をコレクションしています。
亡母も、本好きの文学少女でした。
その時々に応じて、気に入った作家の本を全部読んだりしていました。女流作家の本も結構あります。歴史小説、ミステリーも好きだったようです。
その影響下、わたしも十代の頃に、日本文学とフランスの作家の小説を読みふけりました。
一番心に残っているのが、やはりスタンダールの「赤と黒」。これは、パリに住むようになってからも、原書を読むなどして縁のある小説です。
この日は、村上春樹氏の、「恋しくて」を買いました。
これは10編の恋愛小説が収められているわりと分厚い本で、10編目には、春樹氏の書き下ろしの短編となっています。
今回もノーベル文学賞を逃し、本当に悔しい限りです。賞をとったパトリック・モディアーノ、フランスの作家ですが、確かに「マルテの手記」の素晴らしい序文を書いてはいるものの、そんなに読まれてるのかなぁ?と疑問ですね。
パリ生活の長い夫は、良い作家だと思うし、優れた文学者としてフランスでの評価は高いと言っています。ノーベル文学賞をとるに値する、と。しかし、村上春樹ほど世界中で読まれているわけではないとも言っています。
村上春樹の小説を、あれは文学ではないとする側の人間もいるということですが、それを聞くと私は怒り心頭となります。少なくとも彼は、独自の世界観を築き上げた、唯一無二の小説家です。その点だけでも、高く評価すべきでしょう。日本の文壇から生まれたとは予想だにできなかった、まさに彗星のごとく現れた天才だと私は評価しています。また、毎朝10キロ走っている作家としても、今までの日本の作家の不健康なイメージを覆えした点で評価すべきです。
話題を変えて。。。
こちらはとある有名なパン屋のアップルパイです。リンゴの美味しい季節になってきましたね。
わたしも、2年ぐらい前のこの時期に、なぜか熱心にお菓子作りをしていた時があって、やはりアップルパイを作りました。フランスには、様々な種類のリンゴが売られているので、その中からパイに適したリンゴを探して作ったものです。日本ではちょっと想像できないぐらいの種類のリンゴが、普通のスーパーに山積みにされます。
この時は、チェリーパイも一緒に買いました。両方とも甘酸っぱさが口に広がって、とても美味しかったです。
ところでパイを乗せているお皿、ちょっと素敵だと思いませんか?
実はこれ、わたしが初めてフランスに渡ったときに購入したお皿の1つで、とても思い入れのあるものなんです。パリで買ったのですが、ドイツ製の陶器、それを知らずに買いました。
有名な食器店などで買ったのではなく、お気に入りの、でもフランス国内ならどこにでもある大型スーパーで売られていました。なので枚数はなく、同じものは2枚となかったのです。
このお皿のほかにも、気に入ったお皿を吟味して買って来たのですが、その時のレジのお姉さんが、とても良い趣味ね、と言ってわたしにウィンクしたのを良く覚えています。
でも食器って、結構かさばるし、重いんですよね。
割れないように手荷物にして大事に持って帰ったのですが、大変な思いをしました。(しゃれじゃなく(*^_^*))。
最初にフランスに渡った頃の、純粋な気持ちが、今や薄れつつあることに危機感を抱きつつも、でもやはりフランスの魅力にはかなわないという気持ちも持ち続けています。
強い憧れ。
失いたくないですね。たとえそれが幻想だとしても。
この頃は、よくパリの街角を思い起こすようになりました。
甘栗、売られ始めているでしょう。
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