2015年5月31日日曜日

愛しのリュクサンブール


昨日、今回パリにもどって初めて、
リュクサンブール公園へと赴きました。

午後からカトリックセンターへと行く用事があったので、
その前の昼休み、晴天を楽しもうと繰り出しました。

お昼は公園の中のカフェで、と当初は考えましたが、
公園の正面入り口近くにあるスタンドで、
夫は名物のホットドッグ、私は甘くないクレープ(ハムとチーズ)にしました。
それをかぶりつきながら公園内を散策。
久しぶりのリュクサンブールに、心踊りました。



奥に見えるお城は、リュクサンブール宮です。
フランスの上院に相当する機関で、元老院、Sénat と言います。

公園内には、オランジュリー ( Orangerie ) という温室があるため、
このように気温が高くなると、その中で育てられている植物や木が、園内に出されます。
レモンとかオレンジの木などです。
写真にあるように、やしの木もあります。

 
リュクサンブール宮の前には、
ご覧の通りの池 ( bassin ) があって、子供たちがお手製のヨットを浮かべての遊び場になっています。

とにかくこの日は(昨日ですが)雲があるとはいえ、日差しの輝く晴天でした。

でもこんなパリ市民に広く愛されている公園ですが、
ここでのんびり寛ぐには、それなりの年季がいる、といつも感じます。
ただただ、日に当たって寛ぐ、ということ自体、
日本女性としては、日焼けが気になって、どうしてもし難いことですね。仕方ありません。

この後カトリックセンターに行って、
夜の8時までぶっ通しで、本棚の整理を夫としました。
本棚に溢れかえっている本のせいで、扉がしまらないぐらいになっていたので、
随分前から気になっていました。

大体、全体の4割ぐらいを、外に出し、夏の間、欲しい人にゆずる期間を設けようと思います。

でも本に触れて、開いてみるという行為は、
何となく今の季節にふさわしく思えて、疲れも知らず、夢中になってしまいました。
何故なんだろう?と考えてみると、
遠い昔、夏休みの課題で本をたくさん読んだ記憶が蘇ってくるせいかもしれない、と
思い当たりました。

昭和の20年代ぐらいの本もあったりして、
中身よりも、存在自体に価値のある本を見つけると、とても楽しい気分になりました。
読書好きの文学少女だった母と、
印刷・製本の会社を経営していた父の、
両方の影響でしょう。

夏に読書も、乙なものです。(東京の夏では、そんな気分になれないでしょうけれど)

 
 


 

 

2015年5月26日火曜日

手作り三昧


暇にかこつけて、というより、
暇を見つけて、昨日と今日、手作りにいそしみました。

上のフラワーアレンジメントは、
先ほど活けたばかりです。
以前書いたと思うのですが、
長く日本にいる間に、それこそ暇をもて余していたので、
4つも通信講座を受講してしまいました。
そのうちの一つがこれ、フラワーアレンジメントです。
五つの課題作品が与えられているのですが、今回は「ダイアモンド」という活け方で、
最後の作品です。申し込めば、終了証がもらえます。
いかがでしょうか?

ただ、活けていて思うのは、
なんか、日本の花と、フランスの花と、ちょっと違うな~、ということ。
というか、花屋さんで売られている花が、すでに違うと思います。
どちらも良いのですが、
日本の花の方が上品で、フランスのは粗野というか、大らかの様な気がします。
気のせいでしょうか?

今回花材に選んだ、ストックにしろ、トルコ桔梗にしろ、
こちらで活けるとダイナミックになるというか、
日本でのように、こじんまりと上品にまとまらないのですね。


こちらは昨日手作りしたピンクッション。
某通信講座の刺繍編です。

大好きな刺繍作家、青木和子さんの講座で、
ピンクッションをつくるためのキットが全部揃っていましたが、
クッションに、刺繍した生地を被せるのが難しく、
ご覧の通り、しわが寄ってしまいました。
刺繍をしたいのに、工作までしなくてはならず、苦労しました。

ついでですが、
下に敷いている方眼編みも、私の手作りです。

さてさて
パリにいて手作りするのも悪くないですが、
家にこもり過ぎるのは考えものですね。
やはりこの陽気ですから、外で楽しむことをしないともったいない。
まぁやり始めたことですから、
できたら最後までやり抜きたいとは思いますが。

秋の夜長、冬の寒くて暗い晩に、ちくちくした方が似合っているかもしれません。。


2015年5月24日日曜日

下町散策 そしてマカロニグラタン


誰の肖像かわかりませんが、なかなか渋い絵を載せてみました。

ここは、パリでも東に位置する下町、
わたしが夫と住むところもパリの東なのですが、
ここに比べると下町とは言えない位、ここは下町のメッカ、メニルモンタンです。
20区のちょうど真ん中の西辺りに位置していて、
坂の多いところでもあります。

チャイナタウンと呼ばれる中華街、ベルヴィルは隣の駅、もう少し北にあります。
ベルヴィルといえばエディット・ピアフの生地。
以前はパリに属していなかった、労働者の街です。

「おぉ、渋いなぁ」と感心してカメラを構えていると、
すぐ後ろのユダヤ人が経営する店から、
「元気か?」などと親しげに話しかけられたりして。
明らかに同じ黒髪をした東洋人に対しての親しみの情が感じられました。

下町といえば、
私も東京の下町生まれの下町育ち。
でも都心の下町なんで、高層建築が多いところでもあります。
古きよき日本、という風情は、近所の人たちの間での交流で残っている程度ですね。

さて、東京の実家は、ついに、まっさらな更地になってしまいました。
ついに、跡形もなくなってしまいました。。
親切な解体業者さんが、
壊れていく様子を、丁寧に写真におさめて、逐一メールに添付して送ってくれたので、
あたかもそこに居合わせているかのように様子が分かるのです。


さて話は変わって。

この間、時間があったのでマカロニグラタンをつくってみました。
日本から持ってきた、
「男子が泣いて喜ぶ料理」という中の(なんでそこまで媚なくちゃなんないんだ?と思いつつ)
メニューの一つが、このマカロニグラタンでした。

なんでも、カレーやハンバーグ、カツ丼、ラーメンなどのほかに、
「時々無性に食べたくなる料理」の一つだそう。
本当かな~?
まぁでもそうかもね、と思いながら作りました。

フランスは、鶏肉といえば骨付きしか売っていませんから(ささみ以外)、
自分でさばくところから始まります。
自分でさばいていると、「あぁ、本当にこの鳥は生きていたんだなぁ」というのがリアルに分かりますし、動物を殺傷している、という気になります。
欧米人が、日本人からみると理解に苦しむぐらい、動物愛護、ベジタリアンに走っているのが、本当に理解できますね。

ともかく、、、
さばいた鶏肉とマカロニ、刻んだ玉ねぎにバター、ホワイトソース、そして仕上げには、今が旬のグリーンアスパラガス一束をのせて、
その上にたっぷりととろけるチーズをちらし(これはこちらでも売っている定番です)、じっくりと焦げ目がつくまで焼きました。

夫には、
「うん、とっても美味しいけど。。」
「美味しいけど何?」
「うん、でもさ~、こんな凝った料理をチャカチャカつくるようなタイプじゃないでしょ?」と
はっきり言われてしまった!「時間がもったいない!」とも。

そうか。。やはりね。。
料理をつくるのは仕事の一部だとしても、
時間をかけて凝った料理をつくる必要は全くないんだな、と実感した次第です。

泣いて喜んではくれなくても、
それ以上に含蓄のある言葉(?)を言ってくれる夫でした。

夫の指摘は正しい!!と、
さらに料理をつくる手間をかけないことを決意しました!^^









2015年5月20日水曜日

パレ・ロワイヤル Palais Royal


久しぶりにパリの友人に会いました。
待ち合わせ場所はオペラ座前。
平日ながら、観光地のメッカらしく、多くの人で賑わっていました。

一年ぶりに会った友達の笑顔に励まされて、
実はちょっと落ち込みがちだった気分から解放されました。

写真はパレ・ロワイヤルの中庭。
この日は、晴天ながら日陰に入ると肌寒く、風も強かったので
薄着はできない陽気だったのですが、
こちらの人はご覧の通り、日差しのあるところでは、肌を露出してリラックス。
本当にみんな、太陽が大好きなんですよね。


こちらの写真は、トップの写真の右側です。
大きな噴水の水を止めて、底面の掃除をしていました。


  この庭園は、歴史的なことはさておき、
 (今は何でもネットで検索できますから)
 コの字型になっている回廊に囲まれていて、
 こうした、壁のように垂直に刈られた並木が
 特徴となっています。 
 こうした美意識って、ちょっと日本人と異なりますよね。




太陽の照っているところは暖かく、日差しを強烈に感じるのですが、
一歩日陰に入ると上着がないと寒いぐらいに感じます。
この落差が、こちらでの特徴的な気候と呼べるのではないでしょうか。

東京だと、夏日には日陰に入ればもちろんホッとしますが、
寒いとは感じませんよね。風も熱風のように熱い。
この違いは何なんだろう?と時々考えます。


こちらもパレ・ロワイヤルの中庭に咲いていたバラです。
紫色の花色と、波打つようにして開いた花弁が美しいと思いました。
同じ場所に、
私が好む、妖精の肌色のような、淡い桃色のバラが、まだ固い蕾のままでいました。
あと2、3日もすれば花開くでしょうか。

この日を境にして、
とても良いことが起きています。
またその報告ができれば、と思います。。





2015年5月18日月曜日

薔薇真っ盛り!


昨日は、私たちの小教区、Notre-Dame des Champs のミサに、センターの人たちと参加してきました。このバラは、その教会の前庭に咲いていたもので、ミサの終わった、晴れ上がった空の下、見事に咲き誇っていました。
バラのマニアを自称していた過去があるせいか、
こうした何の変哲もない、名前もあるのかどうかわからないようなバラは、
本来興味の対象外だったのですが、
そういうことにこだわりがなくなっている今、
素直に美しいと感じます。
なんといっても、丈夫で育てやすいのが、こういった環境には適しているのでしょう。


昨日でパリにもどってひと月と一週間。
読んでる方には、いちいちカウントしているので鬱陶しいと感じられるかもしれませんが、
本人としては、
この月日の日数が結構重要で、
これぐらい経ったからこそ、ようやく態勢が整ってきた、と実感できるのです。



こちらは、私と夫が住んでいるアパルトマンの中庭の生垣です。
満開にはちょっと過ぎていますが、
この花が咲く季節になった、と
花の開花で移り行く季節を思います。

バラにもどりますが、
今年はバラ園、行く機会、なさそうです。

バガテル、ライバラ園、そしてジェルブロワ。
ジェルブロワは、数年前に、日本のバラ会のメンバーの人たちと訪れました。
街全体がバラに彩られているように美しい、一見の価値のあるところでした。

親しい友人たちと行ったバラ園での思い出は、
永遠にわたしの心に残るでしょう。


2015年5月15日金曜日

シンプルポテトサラダ そしてメロンの季節


気分を変えて、お料理編とします。

「このごろ じゃがいもって食べてないよね?」ということで
じゃがいも1キロを夫が買ってきました。
なぜじゃがいもか、というと、
私がずっと日本にいる間に見ていた、日本の自炊本(私が日本から送ったもの)に、
「にんじん・玉ねぎ・じゃがいもは必需品」というのがあったのと、
ポテトサラダの超かんたんレシピが載っていたからです。

この写真のは、玉ねぎとじゃがいもだけのとてもシンプルなものですが、
これを作ってくれる前は、ツナ(缶詰の)と玉ねぎでした。
それに味をしめて今回つくってくれたのですが、
スライスした薄切りの玉ねぎがからかった。
きちんと塩をふり、しっかりと揉んでからみ成分をしぼらないと、生の玉ねぎってすごくからいんですよね。
その辛味を生かして、たとえばカレーの薬味なんかにすると最高なんですが。
私は結婚前は、生の玉ねぎというのをあまり食べたことがなかったんですが、
夫がそのうまみを教えてくれたのでした。


こちらはミントティー。わたしがいれました。

香菜の代表格、コリアンダーはじめ、色々なハーブは中華の食材店などで豊富に売っています。
今や日本食品は、ほとんどがパリで手に入るといっても過言ではないのですが、
私と夫は、純日本食品店よりも、中国人や韓国人が経営しているお店で買うことが多いです。
理由は単純、そのほうが安いからです。
「どうしてもこのメーカー(日本)のうどんが食べたいんだ!」みたいなのって、ありませんし。
安くても美味しい食材は一杯あります。

話が脱線しましたが、
このミントティーにつかったミントも、そんな中華店で手に入れました。
実家で暮らしていた時代には、庭に生えていたミントでお茶をつくったものです。
バジル同様、ミントの香りをかいでいると、
懐かしい夏の思い出がよみがえります。
何の屈託もなかった(今から思うと、ですが)、十代の夏の思い出。
そのときの詩、いつかご紹介します。

ミントティーは、個人的には、砂糖をたっぷり入れて飲むのが好きですね。
ストレートで飲んで香りを楽しむのもいいのですが、
その場合はミントがとても新鮮でないとならないと思います。
今日のは、冷蔵庫の中ですこし時間が経ってしまったので、
お砂糖をたっぷりと入れて楽しみました。


こちらはお待ちかねのメロンのサラダです。

Plat de jour (その日のおすすめ)の、
「Melon à l'italienne 」(イタリア流メロン)という一皿です。
なぜイタリア流かというと、
イタリア産の生ハムと、モッツァレラチーズをつかったサラダだからです。

メロンは今、もっとも旬な食材です。
こうした、オレンジ色の小ぶり(片手にのるサイズ)なものが一般的で、
1個1ユーロぐらいで売りに出されています。
これぐらいの価格であれば、メロンもとても身近な食べ物となりますよね。
そして充分美味しいです。とても瑞々しくて甘いのです。

「これ、前菜でしょ?」と言われる方もおられるかと思いますが、
いえいえ、これはれっきとした一品料理なんです。パン(バゲット)がついて14ユーロ。
ちゃんとお腹一杯になりました。

でも最初に生ハムとメロンの組み合わせを考えた人ってすごいですよね。
とても簡単には結びつかない気がします。
生ハムの塩気と、メロンの甘味。絶妙のコンビネーションだと思います。
 

今回は、気分をかえて、
食べ物・飲み物について書いてみました。


 



2015年5月14日木曜日

雨に心からの花束を そして錦織圭君!


花屋の店頭にバラが並び始めました。
これはチェーン店の店先にあったバラですが、
見た目は美しくても、もって3日ぐらいでしょうか。
温室で育てられ、季節よりちょっと早めに売り出すまで冷凍しておくそうで、
長く持たないのは仕方ないとか。
でも、花を買って自分の家に飾るという習慣は、パリに来てからです。
部屋の中に花があるだけで、何か元気が出ます。

昼過ぎだったでしょうか、
雲行きがおかしいな、と思って、薄暗い空を窓から見ていたら、
急に日本のにわか雨のような驟雨が降り出しました。
ほんの数分で止みましたが、
久しぶりの雨。しかも、窓をちょっとも開けていられないぐらいの激しい雨は久しぶりでした。
草木たちが喜び、
雨の上がったあとには、鳥たちのさえずりが楽しそうでした。


人の運命って、わからないものですよね。

私がパリに住むようになったのも、
思えば色々な人たちとの縁のつながりがあったからこそなのですが、
その縁が、何かの拍子で切れてしまうことがあるんですね。

わたしは、もう2年前になることに驚くのですが、
父が他界してからずっと、日本にいる間、
長年、あるいは数年にわたる旧友たちと親交を結びなおしていたのですが、
自分の中の歯車がちがう音を立て始めたというんでしょうか。
友情が消えてしまった経験をいくつかしました。


パリにおいてもしかりです。

やはり、親を亡くし、自分の生まれ育った家をなくす、という経験をすると、
経験した方はわかると思いますが、
かなりの喪失感、悲しみを経験します。
そのことが、自分本来のあり方を目覚めさせるのかもしれません。
「友情って、一体なんだろう?」
そんなことを真剣に考えるようになりました。

「死」というものを、
わたしは30年前に母に死なれてからよく考えるようになりました。
この決定的なことが、
いつ自分に降りかかってくるかわからない、という恐怖は、
ある程度の年齢を重ねていれば、誰でも経験することなのだと思います。
早熟な人は、子供の頃、すでにそういう経験をするものですよね。

人は誰でも必ず死ぬのですから、
できれば、可能なかぎり、ゆるしあって生きて行きたいと思います。

私の場合は母の死以来、
近しい人に死なれて、そのことで後悔にさいなまれるような思いだけはすまい、
そう決意して生きてきたつもりです。

ところが。。。
それでも人とうまく行かなくなることは、
避けられないことなんですね。
今回の長い日本滞在において、いわば生まれ変わったように感じている自分の中で、
初めて、友情が消える経験をしました。


さて話は大きく変わって。

メトロの通路にあった電光掲示板に、
なんと錦織圭くんの写真が!
いつも持ち歩いているカメラを思わず構えていると、
通行人の人たちがにこにこと待ってくれている。
杖のついたおじいさんなんか、にっこりとして私を見ているので、
慌てて「どうぞ通ってください」と手招き。

あぁ、この笑顔。
もちろん、ケイ君の最高の笑顔は、精一杯、自分の好きなことをやっている人のものだなぁ、と、
本当に勇気付けられますよね。
「君は、日本人の誇りだよ!」と心の中で叫びながらメトロに乗り込んだのでした。

わたしも猛烈に打ち込める何かが欲しい!! と、
思うこのごろです。
でもパリに仲良しの夫と暮らしているだけでよしとしようとしている自分がいるのも事実。。
昔は、こんな怠慢じゃなかったんですが。。

KANさん作曲の、今井美樹さんの歌「雨にキッスの花束を」をYoutubeで聴きながら
気を紛らわせています^^