2017年7月29日土曜日

生き方について・手芸  

Café 「 Le Cirque」 にて。熱々のカップル。

朝晩は大分涼しくなったパリです。
今、外は朝の9時半で19度、日中、最高でも27度の予報です。

夫がローマに行ってちょうど2週間。私も夫のいないパリに慣れ、羽を伸ばしているところですが、
明日のお昼にはローマに飛んで、夫と合流します。

羽を伸ばしていると書きましたが、実は夫がローマに旅立った後、寂しくて一人で泣きました。
街中を歩いていても、夫がいないパリというのが、自分にとって何とも味気なく、意味のないもののように感じました。
亡父は生前、よく、私が結婚して遠くパリにいることで、
「それでも生きていてくれるんだから良いさ」と言っていたのを思い出します。
そう、生きていれば、再会の機会は必ずあるのだから、と。亡父は、亡き母のことを思って言ったのだ、と今では分かります。

でも死んだら天国で会えるじゃない?キリスト教徒なら、永遠の命を信じている訳ですから。
でもそれで、本当に死への恐怖、自分の心臓が止まり、灰になり、この世から姿を消すことの辛さから、逃れられるものでしょうか?そして離別の悲しみに耐えられるのでしょうか?

先日亡くなったデュノワイエ神父様と、最後に会ってお別れする時に、「次に会うのは神の御元でだね!」と仰っていたのを思い出します。そう、天国で会えるのだから寂しくないよ、その言葉はある種の慰めを含んでいますが、そうおっしゃった時の神父様は、目に涙をためていました。

誰にとっても死は恐いものです。
亡母は、52歳で他界したのですが、その恐怖と闘うために、死ぬ直前の2日間はうわ言のようにしてしゃべり続けていました。
まだ若かったし、まだ生きていたかったでしょう。
この話を年配の友人たちにすると、「でも私にとっては死ぬことは解放なのよ」と言う人もいました。
長く生きてもしょうがない、むしろ、生きる苦しみから早く解放されたい、と思っていらっしゃいました。

夫は、とにかく自分の人生を生ききること、死ぬ直前に後悔しない生き方をすること、と言っています。つまり、「自分に嘘をつかない生き方をしろ」という事だと思います。

大好きな、「すぎやまもと」さんの作品にならって。鍋つかみを編んでいます。

刺繍も好きでやっています。
さて閑話休題。


なんやかんやと言って、手を動かすのが好きで
手芸を好んでやっています。

編み物は棒針編みとかぎ針編み、そしてレース編みが
主にありますが、全て好きですね。
タティングは、機会がなくてやっていません。

刺繍は、大きく分けてクロスステッチと自由に刺すフランス刺繡とがありますが、自由に刺すほうが好きですね。

9月から、白糸刺繍の教室に通おうと思っています。
白い布に白い糸で刺繍をしていくのですが、
その芸術的な美しさにため息が出るほどです。

夢は、教会のミサで使う、祭壇布を作りたいですね。
いつになることやら、ですが。。

こちらも大好きな、「せばたやすこ」さんの作品。手前のミニマフラー。

それにしても、表紙に使った、一番上の写真、良く見てください。
ちょっと分かりづらいですが、中央に座っているカップル、女性が手前で、自分の体を男性に被せるようにしているのが分かるでしょうか? パリでも久々に見た熱々のカップルだったのですが、終始、女性がこのようにして男性に寄り添い、右手で男性の頭をなでていました。

あんまり熱々なんで写真に収めたのですが、
良いですよね~~。良いと思いませんか? 全くひと目を気にしないでいちゃいちゃ出来る。
でも見るとはなしに見ていると、男性は全く動じないで、女性にされるがままになっている。女性が一方的に男性をなでなでしているのです。
それが分かって、「ちょっとな~」と思ったのですが、でも席を立ってカフェを去るときの様子を見ていたら、男性はちゃんとエスコートしていました。感じ良い男性だったのでホッとしました。

でもこんな光景は、パリだからでしょうね。
今度私も真似してみようかしら?


明日の今頃は、ローマに向かう機上にいます。
ローマ、暑いそうです、パリより南に位置しているのですから当然ですが、緯度からすると日本の函館市と同じだそうです。随分、暑さのイメージが違うように感じますが。。海流の影響もあるのでしょう。そしてローマは深刻な水不足とか。日照りという感じですが、存分に楽しみたいと思います!

ローマからも、ローマ便り、発信する予定ですので、乞うご期待!














2017年7月20日木曜日

遅ればせながら-ジャパンエキスポについて(ほんのさわりです)   C'est trop tard, mais...


La Crêprie du St.Honoré
まず、ジャパンエキスポに向かうための駅、出発点だった、レ・アール界隈を載せます。

この手前に、新しく一部完成したレ・アールの建造物があって、
自転車の走ろうとしている通りがサントノレ。そう、ここにもサントノレが通っているのです。

以前、かの有名なその rue St. Honoré ( サントノレ)の始点というか、
終点を見極めたいと思って、この辺りをうろうろした事がありました。
そういう意味では私も充分おたく的な素質をもっている訳ですが、
この、日本人では特にバブル期にこの通りを闊歩された方、随分多いと思いますが、もう一つの終点である凱旋門まで、延々と続くこの道、いわずと知れたブランド通り。でもこの始まり(終わり?)であるレ・アール界隈は、若者たちのたまり場であり、観光客も多く、活気があります。

でもこのサントノレ、そうそうたる名所を貫いているのですが、なぜか「通り」という単語に rue を使っていて、avenue (アヴェニュー)でも Boulevard (ブールヴァール)でもないのは何故なんだろう?と常々思っていました。
問題は、「道幅」だったんです。いくら煌びやかで人通りが多く、人気があっても、このサントノレ実は、大した道幅ではありません。全長、2キロはあると思いますが、道幅はそれほど広くはないのです。
ですが、コンコルド広場前から凱旋門(メトロ:Terne ) まではぐっと広がり、名前も正式には Rue du Faubourg St.-Honoré となります。
通り一つに、色々な名称のあるのが面白いですよね。

いずれ、この通りの「知られざる一面」をお伝えできたら、と思います。(ちょっと大げさですが)


いつになったらジャパンエキスポ?と言われそうですが、一部リニューアルオープンしたレ・アールの様子を、ちょっとだけお知らせします。

写真ではわかりづらいのですが、以前にも増して、店舗数と営業時間を増やしてオープンしたここ、レ・アールの複合施設です。日本ではもはや馴染み深いというか、当たり前の営業形態が、パリにおいてついに実現されました。パンフレットを捨ててしまったので詳しいことは書けませんが、ファッションだけでなく、映画館やFNAC(本やCD、家電を売る店)、インテリア、スポーツ施設等を備えています。現段階ではまだ、緑地部分が未完成なので、商業施設のみの利用となっています。

しかし新しい建築物ができる度に批判が出るのがここ、パリジャンの土地柄で、レ・アールも例外ではありません。
「なんだ、この crême anglaise (クレーム・アングレーズ、つまりカスタードクリームのことです)のような色は??」と、非難轟々。天井部分、Canopée と呼ばれる反り返った天井の色が、薄い黄色をしているための非難。趣味が悪い、という訳です。そこにはもちろん、イギリスへの批判も含まれている訳で。。。もっとクリーム色がはっきり出ている写真なら良かったのですが。

因みにこの批判を聞いて、面白くないと私は思いました。なぜなら、黄色からイメージされるのは黄色人種であるアジア人。その一人としてムッとした訳です。
でも実際には、太陽光の入る、解放された空間で、優しい色だと思います。


 さぁ、いよいよ(?)ジャパンエキスポです!

この展示会には、実は何年か前に一度、夫と友人とで見に行ったことがあって、まさか二度目があろうとは思いもよりませんでした。
上記に、「おたくの素質がある」としたのは、あくまで、好きを極めたくなる、特に日本人の気質を表現したものであって、決してこうしたアニメや漫画のおたくではありません。

ですが、かの福岡出身の(しかもカトリックだそうで)大臣が言うまでもなく、漫画は日本の文化の一つである、と認めないわけにはいきません。ただ、それはあくまで「サブカルチャー」であって、日本古来からある伝統文化とは一線を引かなくてはなりません(ここの所が結構重要な認識です)。

私の10代の青春は、80年代でしたが、少女漫画全盛期でもありました。色々な漫画や漫画家のファンでしたね~。一人、二人ではないので敢えて名前は出しませんが。


初日に、友人に連れて行ってもらったのですが、会場に入るとすごい人と熱気。改めて日本のサブカルチャー人気に驚かされました。

今回は、面白い写真を撮れなくて残念でした、というのも、あちらこちらの展示を見るのに夢中で、写真をとりはぐったのと、何故か今回はカメラを向けてポーズをとってもらうことに気恥ずかしさを感じたからでした。
なぜだったんでしょう?

ともかく、こちらの人のコスプレは、
(日本人のを見たことがないせいか)、
半端ないですね。
ここまでやるか?!と叫びたくなる人ばかりで、本当に見ていて楽しかったですね。

右はもちろん、マトリックス。告白しますと私、キアヌ・リーブスが
大好きなのです。ハリウッド俳優の中では一番かもです。
(夫はなぜか私のお気に入りはブラッド・ピットだと思っていて、
とんでもないことです!)

この人にもちゃんとポーズをとってもらいたかったんですが、何故か気恥ずかしくできませんでした。(そばでこうして撮るのがやっとでした!)

日本のサブカルチャーに関しての是非はここでは書きません。
とにかく今回は、「日本に出会いたかった」とか、「祖国の香りを少しでも嗅ぎたかった」がメインの理由でした。

売り場にいた日本人は、日本からやってきた人たち。いわば毒されていない日本人(?)という感じで、思わず話し込んだりしてしまいました。しっかり投資もして来ましたよ。(実はあんまり触れたくないんですが、「可愛いもの好き」です。。)

サブでもなんでもいい、日本、がんばれ~~!!という気持ちで一杯のジャパンエキスポでした!





















2017年7月17日月曜日

ある日の朝    le petit déjeuner


ある日の朝-といっても、クロワッサンを食べるのは、大抵日曜日、ミサの帰りにこの近辺で一番美味しいパン屋(このブログでもさんざんご紹介したお店)で買った日のことで、ここのクロワッサンを食べたら、他の近所の普通のパン屋のクロワッサンが美味しいと感じなくなります。値段は一つ1,20ユーロ。バゲット1本分に相当します。                                                     この値段からも、クロワッサンは贅沢とされていて、フランス人も普段は食べないと聞いています。だから私たちも、日曜日だけ、ハレを意識して食します。                                                   もちろん、ここのバゲットも絶品。                私たちは必ず、baguette de tradition、伝統的なバゲット(フランスパン)訳すと「田舎風フランスパン」とでもいいましょうか。普通のバゲットとは違う、ふすま入りの小麦粉で作るので、色が茶色っぽいのです。かみ締めるごとに滋味のある味わいです。こちらも1本1,20ユーロ。(因みに普通のバゲットは1本一律、1ユーロと法律で定められています。昔、日本も国がお米の管理をしていたものですが、今は入札で決められるようになっていますね。
私は個人的にはご飯が好きなので、日本人がお米を食べなくなっている現状を残念に思っています。) パンはフランスの国民食。国がしっかり守っているんですね。

とはいえ、フランス人もパンを年々食べなくなってきているとか。  日本人の米離れほどではないにしても、グルテンアレルギーのフランス人は一定数いるし、昨今のグルテンフリーの流行もあるそうです。                                                                        一番上の写真のフォカッチャは、先日友人とrue du Bac を散策した際に買ったものです。三種の味(ローズマリー、タイム、チーズ)のうちのローズマリーで、一つ4ユーロしない手ごろさ。味も適度な塩気とオリーブオイルで、いくらでも食べられそうな美味しさでした。日本でも知る人ぞ知る、「Des gâteaux et du pain」のものです。ここと、15区にもお店があるそうですが、お店の外観は黒で統一されとてもシック、でも売っているパン類は、とても良心的な値段です。友人によるとケーキが有名だそうで、種類はそんなにないものの、その美しさに目移りします。友人と一緒に、レモンタルトを買って帰りました。
                                              

Tarte au citron(レモンタルト)、1個7ユーロ。日本円にすると900円ぐらいですから、かなりお高いという印象です。でもそれに応えるかのように、甘酸っぱいたっぷりのレモンとフランボワーズにうっとり。絶品でした。

因みに右上のバター(塩入り)は、今一番のお気に入りです。
バターといえばブルターニュ、パンにはバター、ですよね?                                                                 

朝食には、パンのほかに、必ずサラダ(生野菜が多いです)に卵とできればソーセージやハムなどの charcuterie (豚肉加工食品)を付け合せます。

まずサラダには、塩・胡椒のほか、バルサミコ酢(ワインビネガーにすることもあります)、オイルは夫はダイエット中なのでなし、わたしは無農薬の胡麻油か、オメガ3のたっぷり入った胡桃のオイルを少量たらします。

卵は、写真はゆで卵ですが、たまに夫が腕をふるって目玉焼きにしたりします。そう、たかが目玉焼きなのですが、彼のこだわりの鉄のフライパンで作るため、かなりの熟練が必要なのです。その甲斐あって、テフロンで作るのと大違い、白身の周辺がパリッと焦げて、黄身も熱々ながら半熟という、まるでホテルで食べるのと違わない味を味わえます。ただし、鉄のフライパンは、手入れもかなりのコツがいるので、慣れるまではちょっと大変ですね。

因みに塩は、日本でもメジャーになった、Guérande(ゲランド:ブルターニュ半島南岸の町)のもの。フランスではごく普通にスーパーで売っている塩ですが、日本に来ると関税のせいで馬鹿高くなって売られています
ね。残念です。





前日食べ過ぎたな、と思うときは、写真のように、プレーンのヨーグルトにバナナを切って入れ、蜂蜜をたっぷりかけていただきます。蜂蜜は、ピレネー山脈の自然の中で養蜂家によって採れたもので味が濃く、とても風味が強いです。

7月の薔薇 健気です

今回も他愛もない話でした。
暇つぶしにでもなったら幸いです。
良い一日をお過ごしください。


PS : 夫は今日からローマで仕事です。
    ほぼ2ヶ月、パリへの戻りは9月12日。
    これから一緒に(見送りで)空港に行きます。
     私も30日から向かいます。
     夏のローマ、暑そうだなぁ。。


























2017年7月14日金曜日

Quatorze Juillet 「パリ祭」  ― La Fête Nationale

Drapeau tricolore de la brigade de Sapeurs-Pompiers de Paris


パリ消防隊の三色旗
今日は、いわゆる「パリ祭」です。
フランスでは国の祭りという意味の La Fête Nationale が正式名称らしいですが、巷では Quatorze Juillet 、つまりそのまま、7月14日という言い方が一般的です。
「パリ祭」という言い方は日本独自の言い方で、ルネ・クレール監督映画の「Quatorze Juillet」(1933年)が、邦題として「巴里祭」として公開されヒットしたことから来ているそうです。この映画を配給した会社の社長の命名だそうですが、私の世代からするととっくに時代遅れ、この名称にはなぜか反発すら覚えます。今現在パリに住んでいる日本人で、同世代から下は、「パリ祭」などとは言わず、フランス人と同様、「Quatorze Juillet」と言う人がほとんどだと思います。


今朝の8時過ぎから1チャンネルと2チャンネルでパレードの放送が準備され、10時頃から先ずマクロン氏が先陣を切って、パレードの幕開けとなりました。

その後、.École polytechnique ( grandes écoles の一つ、理工科学校)や、Saint-Cyr-l'École (サン・シールの陸軍士官学校)、そしてフランス海兵学校(École navale) の生徒たち等による行進が続きます。歩兵部隊、機械化部隊、フランス空軍のアクロバット飛行チームも演技飛行を行いました。


更にフランス共和国親衛隊、パリ消防隊、そしてフランス国家警察も行進します。

行進の最後を飾るのは、常にフランス外人部隊(写真下)が務めますが、沿道で行進を眺めている人々からは一番人気があり、一番盛り上がるようです。よく見るとアジア系の軍人もいたりして、「あれ、日本人かな?」なんて人が見つかると、やはり興奮しますね。
それにしても、他の部隊に比べてふてぶてしいというか、(髭のせい??)まさしく百戦錬磨の猛者、という感じです。

Pionniers du 1er régiment étranger (いわゆるフランスの外人部隊です)

前後してすみません。今回の投稿の、最上部の写真の旗は、いわゆるポンピエ (Pompier、消防士)と呼ばれ親しまれているパリの消防団の旗ですが、(下の写真2枚がその行進の様子) そこには

『 Honneur et Patrie
   Dévouement et Discipline 』 と書かれています。
つまり、「名誉と祖国愛、忠誠と規律の遵守」という意味です。

フランス人にとって、名誉と祖国愛はうなずけても、忠誠心と規律の遵守というのは。。一番似つかわしくない言葉のように思えます(笑)。



Brigade des Sapeurs-Pompiers de Paris (パリで人気の「Pompiers」です)

パレードが終わると、フランス共和国大統領、つまり今日はエマニュエル・マクロンさんが演説をします。そして大統領は賓客を伴い、エリゼ宮殿に移ってお茶会をします。


ファンファーレは共和国衛兵隊の騎兵たちによって行われました。ここの連隊の軍楽隊はフランスでは歴史のあるもので、パレードの最後をゆっくりと馬で行進します。
大統領をはじめとした貴賓の前では、今年はダフト・パンク Daft Punk の乗りの良い曲 (Harder, Better, Faster, Stronger) を披露したりして、場を大いに盛り上げました。


そして今回の目玉は、なんと言ってもアメリカの大統領であるトランプさんが招かれていることでしょう。



先陣を切って行進を終えた後に、マクロン氏がトランプ夫妻に挨拶をしているところを載せてみます。

その握手の仕方で話題になったトランプ氏ですが、その勢いを止めるかのようにマクロンさんが上手に押さえているのが分かります。
しかし全てのパレードを終え、マクロンさんが演説を終えた後の二人の握手と抱擁は、熱いものがありました。。




とにかくマクロンさんの若さから来る生真面目さに、今回もノックアウトされました。
なにしろ、一つ一つの連隊が自分の目の前に来るたびに、頭を軽く下げていたのです。こうしてきちんと拍手をするのは礼儀としても、頭を下げることでその恩に報いていたのです。ちょっと日本人的ではないですか?好感持てますよね?


あらゆる面でとても対照的な二人ですが、こうして写真で色々な角度から見てみると、いかにトランプ氏の体格が良いか(ごく控えめな表現で言うと)がわかります。並ぶとまるでマクロンさんが小柄なように見えてしまいます。トランプ氏は、その押し出しの強さで乗り切って来たのでしょう。

最後に、マクロン氏が演説で述べたことを少し。

このQuatorze Juillet の歴史的経緯、いかにその時(フランス革命)からフランスの民衆が自分たちの権利を勝ち取ってきたか、そして今も、テロから人々を守るために、今日行進をした軍隊、並びにそれに即した団体の努力に感謝。そして国を守るために命を落としたり怪我をした人々を称えました。また、臨席したトランプ夫妻に対して、その友情に感謝。今後の協力体制を願いました。


そして「Vive la République !  Vive la France !」の言葉で締めくくられました。
                          (共和政万歳! フランス万歳!)
 






2017年7月8日土曜日

小暑


夏休みに入ってからも、しばらく忙しくしていましたが、
ここにきて急に暇になったのでまたブログを更新します。
まぁいつもの雑文なので、軽く読み飛ばしてください。


件名には「小暑」と書きましたが、暦の上ではそうでも、日本もずいぶん暑そうですね。
大雨による被害も甚大と聞いています。被害に合われた方々には、本当にどんな言葉もなぐさめにはならないですね。心からお悔やみ申し上げます。
世界中を見渡せば、戦争やテロなどで命を落としている人が多いわけですが、日本は自然が豊かな分、自然災害が多いですね。地球温暖化による災害だとしたら、やはり私たち人間全体への、自然からの応酬かもしれません。

ところで写真のスイカは、夫が今日の昼間、近くの中華食料品店で買ってきたものです。
細長いタイプのスイカとはいえ、縦に40センチはありそうです。日本のよりやや味は劣るものの、こちらのスイカはあまり外れがないように思います。夏といったらコレ!ですよね。
小さい頃は、兄妹で、古いヒノキのお風呂のあるお風呂場で、しゃがんで食べさせられたのを思い出します。大正生まれの父は、スイカを食べる時は必ず、塩をふんだんに振って食べていました。
平成生まれの孫たちはそれを見てびっくり。「塩をかけると甘くなるんだよ」と父が言っても絶対信じようとしませんでした。
その是非はともかくとして、価値の伝達って、やっぱり難しいんだな、とつくづく思いましたね。

私は父を偲んで、盛大に塩をふって食べようと思います。




夏といえばコレ!の一つに、素麺もありますよね。
ここパリでも、日本人は涙ぐましい苦労をして、日本的な夏を再現しようとがんばっています😂

夫には、よく、「あなた一体何人なの?」と言いたくなるほど、食に関しては日本人ですね。
暑くなってくると、「冷たい素麺、食べたくない?」と私に迫ってきます。

最初は、一体全体、ここは本当にフランス・パリなのか?と思うぐらい、夫はフランス料理より日本食をつくることに熱心で、パリに住む日本の友人たちもその例にもれません。
旦那さんがフランス人だとこうは行かないことを考えると、むしろ僥倖なのかもしれませんが、ご飯よりパンが好きだった私にしてみれば、すごい日本回帰だな~、と感心しきりでした。

また書きますが、「ふるさとは、遠くにありて思うもの」(続きははしょります)というには世界はあまりにも狭くなったように感じるこの頃ですが、物理的な距離はどうしたって縮まらないわけで、いくら日本は近くなったとはいえ、直行便に12時間は乗らなくてはならないわけです。

素麺、こちらでも日本製の美味しいのが手に入るようになりました。
我が家は、近所の中華食材店で手に入る韓国製で済ますことも多いです。何でもそうですが、贅沢を言わない、そして慣れれば結構美味しい、これでいきます。

胡麻味噌の冷汁は、もともとは栃木の名物とか。栃木出身の友人は、砂糖を入れて甘くすると聞きましたが、 私たちは逆に一味唐辛子と生姜でいただきます。両方とも手に入りますが、一味を入れている小さい陶器は、今春に恩師に会いに行ったとき、京都の専門店で買い求めたものです。大事にしているものの一つです。
因みにナスのシギ焼きは、夫がダイエット中なので、ほとんど油をひかずにじっくり時間をかけて焼いたものです。(料理は全部、夫がつくりまして、私は暑さで横に伸びていましたが😅)


今、パリは夜の6時半。外は31度。猛暑です。




2017年7月7日金曜日

暑中お見舞い申し上げます   Grande chaleur reprise !


日本はまだ、梅雨が明けてない地域が多いと思いますが、
パリはまた、猛暑が戻ってきました。朝の9時にして24度、気温の上がる夕暮れには30度を越す予報です。「日本の夏は暑いから」と、パリで過ごすことにしている日本人にとって(私も含めて)、一体なんのためにパリにいるのか、といった面持ちになります。これから避暑と称して日本からパリに来る人たちも、この暑さには驚くことでしょう。

先日、久しぶりにポンピドゥーセンターを訪れ、「デヴィッド・ホックニー展」を見て来ました。
デヴィッド・ホックニーといえば、まだ存命ですが、前世紀、ポップアートにも大きな影響を与えたイギリスのアーティストですね。あの明るい色彩と、プールを眺めた自画像は、知っている人も多いと思います。
現在はロサンジェルスを中心に活動しているとかで、あの陽気な色彩と画風は、カリフォルニアの風土にぴったりと当てはまるように思いました。撮影禁止で、写真を載せられないのが残念です。



さて、こちらは、上の写真のカフェで注文したデザート、「赤い実のティラミス」です。チョコレートの入っていないティラミスって、そもそもティラミスというのか疑問ですが、お店のお薦めの、その日の朝に作り置きしたものだとか。エスプレッソを入れないで、単品で8ユーロ。ボリュームたっぷりで、マスカルポーネがふんだんに使われていました。美味!でも私にはこの量の半分でよかった。

このカフェは、ポンピドゥーセンターを目の前にした位置にあって、Le Cirque (サーカス)という名前です。テラスに並んだ赤いイスが明るくて開放的に見えたので、初めてでしたが友人と入ってみました。店員さん(今はギャルソンとは絶対呼ばないそうですね)たちもすごく感じが良くて、つい長居をしてしまいました。

私はカフェに座って人を眺めるのが好きなのですが、
こうしてみると、各々の人が、自分の人生を演じているのがよく分かります。見る、見られることに敏感で、見られることで自分を表現するのが上手なパリジャン、パリジェンヌたち。自分がその場にいることを心から楽しみ、そして自分自身でいることに誇りをもっている。絵になるのもうなずけますね。


こちらは、昨日、友人たちと出掛ける前に立ち寄ったカフェ。ここもポンピドゥーの近辺で、もっと場末的な、でもおしゃれなレ・アル界隈。カフェによって、来ている人種が違うのを眺めるのも面白いものです。


日本は七夕。星に願いをする日ですが、皆様はどんな願いを託しますか?

夏本番を前に、パリは早くも猛暑、体調管理に充分気をつけたいと思います。




2017年7月2日日曜日

短夜   La nuit courte

Jardin du Luxembourg リュクサンブール公園

なんとなくパッとしない天気が続いています。
先週末あたりから気温がグッと下がったのはいいのですが、今度は突然の雨に悩まされる天気となりました。ただし、パリの場合はかなり激しい雨が降っても、日本のようには長くは降らないので、外で突然降られるような目に合っても、しばらく雨宿りをしていれば止んでくれるものです。だから今はむしろ恵みの雨として、街路樹が喜んでいると思ってやり過ごすべきなのでしょう。

今週はずっと、こんな感じの天気で、雨の合間の晴れ間にタイミングを見計らって外に出る、という感じです。しかし今日の午後は、あまりにも雨が強く降っていたので、友人との待ち合わせをキャンセルしました。



写真を撮っても、まるでピンぼけをしているような、冴えない空ですが、実際のところは公園内には色とりどりの花が植えられていて、晴れ間にはその花々が輝くように見えました。
写真にはないですが、園内をぐるりと囲む高台の縁には、一定間隔で大鉢に花が植えられており、今は濃いピンク色のゼラニウムとなっています。季節ごとに、花は換えられます。




こうして、園内のあちらこちらにある立像の足元には様々な花が植えられ、散歩を楽しむ人々の目を楽しませてくれます。


Paris Ⅲ、Ⅳ  rue St.Jacques


上の写真は、リュクサンブール公園から程近い、サン・ジャック通り。いわゆるソルボンヌ大学の裏手にある通りで、後ろ右手に Panthéon パンテオン、左手に表記したようにパリ第三・第四大学、その目の前、通りを挟んでかの名門校、Lycée Louis-le-Grand、そして  Collège de France という、そうそうたる学問の殿堂のあるカルチエです。もちろん、6区と5区です。

とはいえ、写真では分かりづらいですが、沿道の柵に腰掛けた若いカップルが、激しく抱擁を重ねているという、ここはやはり恋の街、パリですね~。超一流の学問をする若者たちは、恋愛も享受するという。 遥か昔、大学受験に勤しんでいた頃、恋愛はご法度だったことを考えると、なんとも、文化の違いを超えて、人間のスケールの違いもあるのかな、と感心します。

人間、頭でっかちじゃ、本来の幸福には至れないのかもしれません。
夫が、フランスでは優秀な哲学者ほど、恋愛に熱心なんだよ、と教えてくれました。そういうのがよく分かるフランス映画、ありましたっけ。



ちょっと手前に戻って、正面がパンテオンです。夕日を浴びて、オレンジ色に輝いていました。


何度も書いたかもしれませんが、自分がパリで暮らしていること、生きていることの不思議を思います。結婚して暮らし始めて14年目になりますが、自分がこの街の住人であることの不思議を未だに思うのです。
違和感、とは違います。時折、自分が風景の一部になったように、この街に溶け込んだように感じる場面(錯覚?)もふえましたが、やはり不思議なのです。

不思議、だけでなく、新鮮でもあります。
パリに住む友人たちには、「よっぽど感受性が豊かなのよね」と驚かれますが、こればっかりはどうしようもありません。
ですからブログ用の写真を撮るためにカメラをぶら下げてあちらこちらを歩いていると、自分が住人ではなく、旅行者の気分になっていると感じるのです。



閑話休題。

こちらは、カトリックセンターの近く、Edgar Quinet の広場に面したカフェの食事です。
昼が夜の10時近くまであると、夜の外出も頻繁となります。

手前が私の頼んだ Saumon grillé avec du riz basmati et de l'haricot vert (インディカの米とインゲンの添えられた鮭のグリル焼き)、向こうが夫の頼んだ Sauté de veau avec du riz basmati (子牛のソテー、やはりインディカのご飯つき)です。それぞれ、14~5ユーロぐらい。

やはり賑やかな駅前とカルチエには、それに相応しい料理が食べられますね。

夫の減量に付き合って普段小食にしているせいか、ご飯を半分残しました。



パリに生きる不思議 - 一体いつになったら消えるんでしょうか。