2017年5月3日水曜日

すずらんの日に   au jour du muguet !


遅きに失した感がありますが、5月1日(メーデー)(もちろんフランスは休日です)の出来事を軽く載せたいと思います。この日は、日本でも、過去には労働組合の会合か何かが盛んに行われたりしていましたが、いかんせん、労働者側に立たない日本の風土からか、風前の灯か、あるいは形だけのものに成り下がった感があります。
一方のフランスは、真逆と言ってもよい風土状況でして、労働者の強いこと強いこと。その権利を主張する姿は本当に雄々しいと言ってもいいでしょう。しかも今年は大統領選、今週末の日曜には、決選投票ともいえる第二回戦が待ち構えています。ここで熱くならなきゃいつ熱くなるんだ?とばかり、ルペンに反対するデモが一斉に行われました。

この可憐な、日陰にひっそりと咲く花が、どうしてこのメーデーの日に選ばれたのか定かではありませんが、とにかくデモに向かう先々の道で売り子が立っていました。


すみません、どうしたものか、こんな写りになってしまいました。時々、原因不明(夫も分からないと言っていますが)の膜がかかったようになってしまうのです。。でも考えようによっては、顔の判別を避けられるという利点がありますね。

ところでデモの集合場所はレピュブリック広場。ここはうちの近所にあるナシオン広場の倍の広さがあるような所で、共和国を象徴する女性像が立っていることでも知られています。(何で女性像なんでしょうね?自由の女神もしかり。フランス女性の強さの象徴でしょうか。)

確かそう、福島の反原発のデモも、ここを拠点としていました。
そして部外者(?)(選挙権がないという意味で)の私が、夫に強く誘われてデモに参加しましたが、その反原発以来のデモ参加でした。

メーデーということもあり、別の、労働者を守る組合(CGT)や、移民の権利を主張する過激な団体や、それからアナーキストたちもデモをしているという、もう、混乱状態というか、すごい人混みでした。そちらの方のデモでは、ケバブ(日本でも売るようになりましたね、羊肉のサンドイッチ)を焼く煙やら、太鼓や雄たけびなどでやかましいことやかましいこと。


一方、ルペンに反対する人々は白人が中心で、何となく、過激なプラカードを掲げてはいても上品な感じ。まぁここで弁護するわけではありませんが、どちらのデモも、やっている人たちは真剣そのものとはいえ、余裕があるのは白人たち、という気がしました。

上の写真は、EU連合の旗と、奥にはエコロジストたちの旗をもって若者たち。う~ん、ルペン反対とは言っても、あくまでも白人中心なのかなぁ、と物足りなさを感じました。



とはいえ過激なフランス人ですから、その先端を担う若者のスローガンは半端ではありません。
フランス語をご存知な方、この若い女性が掲げているプラカードの文字、読めますか?(因みに両側にいるのは若者ではありませんが)
実はここでこのフランス語を文字にするのがはばかれる内容ですが、勉強のために。
「La jeunesse em...de le Front National !」(点線筆者)と書かれています。敢えて訳しますと、「若者はFN(国民戦線-つまりルペンのこと)にうんざりしている」あるいは「くそ食らえ!」と思っている、という内容です。
色々過激な言葉の列挙を、デモの行進中に見つけては夫と笑い合っていましたが、プラカードに描かれていた絵の一つに、スターウォーズの悪玉、ダースヴェーダーの顔になぞらえて、左側に娘のマリ・ル・ペン、右側に父親のル・ペンの顔を描いたものがあって、さすがに面白かったですね。
娘のマリ・ル・ペンは、過激な発言を繰り返す父親を、党から追い出して、普通の(?)、他の党派に並ぶよう、並々ならぬ努力を重ねて来ましたが、どっこい、国民をなめちゃいかんよ、父親そっくりの主張をもっていることぐらい、みんな見抜いている、ということですね。いやはや、フランス人て、抜け目ないし、本当に政治的な民族です。


ここに来ていきなりレンズの調子が戻りましたが、延々、レピュブリック広場から行進を続けて、バスティーユ広場まで来ました。ここが終点か?と思いきや、ナシオン広場まで来たらしいですね。私たちは充分堪能したので、ここからメトロに乗って帰宅をしました。
一つ思ったのは、パリにある広場って、デモをするために作られたんじゃないか?ということ。元々は街の中心ということでの役割だったとは思うのですが、とにかくデモの多いパリですから、広場から広場へと練り歩くのが常識となっています。

先ほどフランス人は、政治的な民族だ、と書きましたが、日本で選挙のたびによく言われる、「どうせどこの党になっても変わらない」という白けた発言はフランスではあり得ません。どこの党の誰がなるか(大統領に)で、まるっきり変わるのがフランスの政治です。
例えば、フランス国籍を持たない私のような外国人でも生活する上で、何がしかの影響を被ります。一番は、滞在許可証でしょうか。奇しくも今年の秋に、10年の滞在許可証が切れるので更新するのですが、もう更新するための日時も今現在予約という形で押さえていますが、万が一ルペンが大統領になったとしたら、もしかしてすんなりとまた10年の許可証がもらえるかどうか。
今の段階では、もうその前の3年間も含めて14年目の滞在ですし、夫は「法律上は」 フランス人ですから永久の滞在許可証が出てもおかしくはないのです。

何はともあれ、4日後に迫った決選投票。アメリカのようなどんでん返しが起こるのか、否、オランダのように「まともな」結果となるのか、歴史的な選挙になると言っても過言ではありません。
しかも今晩(3日水の夜9時から)、マクロンとマリ・ル・ペンの最後の討論会がテレビ中継されます。この討論で、どちらが有利になるかが決まります。

さて、日本式に枕を並べて、カウチポテト(死後ですね?)でもしながら夫と見るとしましょうか。
フランス人の高い確立で、目を皿のようにしてテレビの前に陣取って、今回の討論会を見ること必至ですね(笑)。







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