2014年6月20日金曜日

Saint Julien Le Pauvre 教会


先日、知人による、毎年恒例のクラブサンを中心としたコンサートが、ここ、St Julien Le Pauvre 教会で行われました。この教会は、以前にもチラとご紹介したのですが、パリで最古の教会と言われ、紀元は中世にまで遡ります。歴史は複雑で、僧院であったり、病院であったりを繰り返すのですが、ちょうど125年前からは東方典礼カトリック教会へと受け渡されています。そのちょうど節目に今年が当たるそうです。

コンサートは夜の8時からだったので、写真もその時間の直前だった訳ですが、この通り、紺碧の空が広がっていました。明日は夏至。1年でもっとも日が長く、太陽の位置が高い日となります。


肝心のコンサートですが、例年に違わず、美しいコンサートとなりました。
パリには、無数といっても良いほどの数の教会がありますが、そんな中でもここは、とてもこじんまりとした規模の教会で、コンサートをするのにも、音と人とが一体となれるような感覚があります。
写真は、回廊にある柱頭の1つです。
その柱頭に彫られている Harpie 、日本語ではハルピュイアというギリシャ神話に出てくる女面鳥身で冥府の使者を務めるものですが、転じて貪欲な人、底意地の悪い女という意味にも使われます。きっと、この教会に足を踏み入れる人々に憑かれた、魔物や悪霊を追い払ってくれているのでしょう。

このコンサートのお蔭で、クラヴサンという楽器を初めて知りました。何という無知、と思われるかもしれませんが、ピアノの前身として、素晴らしい活躍をしたことも知りませんでした。この楽器を愛用した Jean-Philippe RAMEAU という作曲家、そして良く知られている Jean-Sébastian BACH や Maurice RAVEL が曲目としてクラヴサンとピアノで演奏されました。
特に圧巻だと思ったのは、その2つの楽器の連弾でした。クラヴサンの強い響きと、ピアノの自在な響きとが溶け合って、独特の音の世界を作り上げていました。
ピアノの音は、聴き慣れていますが、クラヴサンの音色は珍しく耳に響きます。単独で聴いていると、不思議な、音が輝いているような、しかも古の物語の世界が繰り広げられるような感覚に陥ります。


入口、つまり西側の正門の上にあるステンドグラスです。 一番上の写真を、聖堂内から撮ったものです。コンサートの終了後に撮ったので、夜の10時半ごろ。聖堂内の暗さと、外の淡い光を受けてしんみりと輝いていました。こうした神秘を感じて、昔の人々はそこに神を見出したのでしょう。



さて、昨日まで続いていた重苦しい気持ちが、今朝になって一転したので、早々にブログを更新してみました。
たかがブログ、されどブログ、こんな文章を書くのでさえ、日頃の精神状態にかなり影響を受けるのだと実感した日々でした。


今朝も14度と低め。涼しい朝を迎えています。鳥のさえずりが清々しい。
皆様もどうぞ、日常においても神秘を感じられるような、そんな瞬間のある日々をお過ごしくださいますように。
読んでいただきまして、ありがとうございました。








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