2017年5月29日月曜日

一服の清涼剤として  Pour le rafraîchissement


間を置かずにブログを更新したいと思います。

日本もそうなのでしょうが、パリはこのところの快晴で、気温は30度にもなっています。パリで30度というのは、「夏日」とか「猛暑日」と日本で言われるのと同じぐらいの暑さを意味します。暑くてもせいぜい、27~8度ぐらいで、30度となってくると、もうこれは尋常ではないと感じます。

そんな中で書いていますので、どうしても写真にも文面にも涼しさを求めたいと思います。

上の写真は、パリの東に位置する Bois de Vincennes (ヴァンセンヌの森)にある、Château de Vincennes (ヴァンセンヌの城)の入り口です。
この日は、カトリック暦でいうところのご昇天の日で、平日ながら祝日となっている日でしたので、お城を見学する人も、平素よりは多かったようです。
こうしたアーチ状の天井は、ヨーロッパではお馴染みですが、燦々と降り注ぐ太陽とは対照的に、石造りの建物が作り出す日陰は、誠に涼しく、そのコントラストが夏ならではと感じます。


こちらは森の中にある、Parc floral (花の庭園)に設えられた、イギリスのコテージ風ガーデンの一角です。花の庭園というと、つい華やかな色とりどりの庭を思い浮かべますが、夏に向け、早くも花が少なくなり(特に園芸品種として)、代わってハーブや常緑樹の葉が庭の主役になっていました。もちろん、バラや、この時期に咲く宿根草も咲いていましたが、こうして写真で見ると、緑が勝っていますね。様々な葉色、緑のグラデーションは、暑い時には特に目の保養になる気がします。そこここに置かれたテラコッタの鉢も、良い雰囲気作りに一役買っています。







園内には、割と大きな蓮池もあって、見る人の目を涼やかにしてくれます。
蓮池にも鴨を住まわせる大らかさにも、心が和みました。






こちらは所変わって、といっても同じヴァンセンヌの森の中にあるのですが、動物園に行った時のものです。実は、上記した Parc floral に行った翌日に、突如友人たちと繰り出すことになった出来事で、その事がまた、楽しみを味わわせてくれました。この日もかなり強い日差しだったのですが、童心に返って楽しみました。

ここ、Zoo (動物園)は、長い間改装工事のために閉鎖状態だったのが、2年ほどまえにリニューアルオープンしたものです。さすが長い時間をかけて新しくしただけあって、園の広さといい、動物の種類といい、見ごたえ充分でした。最初、入場料22ユーロは「高いな」と感じた私たちでしたが、園内を回っているうちに、充分元は取れた、と思わされました。

園内を順繰りに回って、最後に辿り着いたこの温室が、一番面白かったかもしれません。
写真で、上を見ている先には、ピンク色のフラメンコがいて、あんなに高いところにも行けるんだ、と注目を集めていました。

蒸気にみちた室内には、色々な奇怪な動植物があり、下のイグアナが一番人気でした。



暑い暑いと言いながら、でもパリではこの暑さは貴重ですし、この季節限定のものだと思うと、やはり楽しまなくては損だという気持ちが湧きます。しかもいつまで続くかは定かではありませんし、本番の夏に、思ったよりも暑くならないとか、冷夏ということも充分考えられますから、やはりここは皆さん、存分に楽しんでいるようです。

とはいえ、こうして真夜中にブログを書いているのは、暑さで眠れないため。
余り暑すぎるのも困りものですね。。

水分をしっかり取って、体調を崩さないようにしたいものです。
お薦めは、発泡するミネラルウォーターです。個人的にはフランスでもっとも一般的な、Badoit を愛飲していますが、サン・ペレグリーノもGood です。






2017年5月27日土曜日

ブーローニュのバガテル庭園  Parc de Bagatelle / Bois de Boulogne


先日、親しい友人たちと、久しぶりにバラを見に、ブーローニュの森の中にあるバガテル庭園へと行って来ました。この日もよく晴れて日差しが強く、絶好の散策日和となりました。

近所の街路樹として植えられているバラが、見事に咲きそろっているのを見て、早速友人たちを誘いだしたのですが、ある程度咲いていたとはいえ、実際に満開状態だったのは、アイリスと芍薬でした。

上の写真は、庭園の入り口を入ってすぐ右に行った、多年生の植物が植わっている、いわば展示型の通路で、壁にはつるバラやそれを引き立てる植物が植わっています。バラのコンパニオンプランツとして代表格のクレマチス(和名:テッセン)は、もう早くも盛りを過ぎていましたが、そのほかの植物が、バラの花色を引き立てるように足元を飾っていました。
写真奥に見えるレンガ造りの小屋は、庭師の家と呼ばれ、この日も幾人かの庭師たちが手入れに精を出していました。





見事に咲きそろっていたのがアイリスと芍薬だったと書きましたが、バラもご覧のように、早咲きのつるバラを中心に、このように咲いていましたので、堪能はできました。
1人の友人は、バガテルに来たのが初めてということで、感動もひとしおだったようです。










アイリスも、本当に色々な花色があり、驚かされました。
結婚前にはまっていたガーデニングでしたが、当時においても多様な花色に驚いていましたが、実際に実物を前にすると圧倒されてしまいました。

芍薬もご紹介したいところですが、正直、パリは連日ものすごい暑さで、バテ気味です。
色鮮やかな花色も、お腹一杯という感じでこれ以上書けません。あしからず。











2017年5月14日日曜日

新たな展望   La nouvelle perspective


大抵は晴れですが、曇ったり、小雨が時に土砂降りになったりと不安定な気候を迎えていますが、確実に素晴らしい夏の訪れの気配をひしひしと感じるこの頃です。

そのせいか、私事ですが、なんというか、今まで感じた事のないような開放感を味わっています。

ここにきて、パリでの日常において、自分のやるべき事とやりたい事との見極めとそのバランスの取り方が(今更ながらですが)分かってきたように感じています。
でもこの「感じる」、というのが結構重要で、本当に自分は何をのぞんでいるのか、ということ、それを深く考えるときに、考えるよりもまず、感じてみるということをしてみると、かなり素直な自分を発見できますし、それによって開放感も味わえるように思います。簡単にいえば、「素の自分に戻る」ということでしょうか。

それには、「無心」になれるひと時が必要です。
私にとっては、こうしてお花を活ける時とか、編み物をしている時、あるいはお香を聞いている時も無心になれますし、集中力が高まっているように感じます。もちろん、朝の瞑想も良いですね。


気温が高くなってくると、今までは編み物から自然と遠のいていたのですが、
最近は小物作りに凝っていて、すぐ編み上げられるものを選んでいるせいか、仕事の合間に暇をみてはやっています。今年は初めて(!)レーヨン100パーセントのエコアンダリアでバッグ作っています。仕上がったらブログでご紹介します。(写真は綿糸で編んだドイリーと毛糸の編みかけの長方形のドイリーです。)


ところで今日の昼間は、新大統領、エマニュエル・マクロン氏の、就任式でした。
夫とテレビの前で見たのですが、場所がシャンゼリゼだったので(エリゼ宮があるので当然ですが)、前もって知っていたら見に行けたのにと残念です。しかも彼は車から手を振ってシャンゼリゼを通ったのではなく、ゆうゆうと歩いて皆の声援に応えたのでした。彼の選挙のスローガンよろしく、「En marche !」(さぁ、歩こう!)とばかり、にこやかに歩いて見せてくれました。

私は彼を見ていると、juvénile(若々しい、みずみずしい)とか、lucide(明晰な)、という形容詞がつい浮かんでしまいますが、とにかく歴代の重厚感のある年老いた大統領にはない、若さから来る期待感というものを感じます。


ところで話題は変わりますが、これ、何だと思いますか?
これは Pièces jaunes と言って、ユーロの下の単位、サンチームの「黄色い小銭」です。
三種類あって、それらをそれぞれ、絨毯の上に並べたものです。

左のブロックは0,05ユーロ(つまり5サンチーム)、真ん中が0,02ユーロ(2サンチーム)、そして右の一番枚数の多かったのが0,01ユーロ、つまり1サンチームです。
この黄色い小銭は、現金で買い物をしていると、貯まる一方で、無駄に財布を膨らませるので空き瓶に入れて貯めていたのです。(因みに、支払う時に、この小銭まできっちりと出して見せると、店員は大抵、「Parfait !」と言ってにっこりするのが通例です。「お、分かってるな」という感じでしょうか。)

そしてこの黄色い小銭は、以前の大統領、ジャック・シラク氏の奥様が、「年末に集めて、恵まれない人々への寄付」としようと呼びかけたことがきっかけで、毎年年末になると、身近なスーパーや公的機関で募集するようになりました。

その流れで新大統領の奥様を批評したいのですが、、、私は好きですね。
今日も、マクロンさんが、行進を終えて、エリゼ宮に到着した後で、奥様が玄関でお出迎えをしたのですが、外見的な美しさはもちろんですが、二人の仲むつまじい感じがとても良くて、見ているこちらを和ませてくれます。あ、本当に仲がいいんだなぁ、と。

日本では、奥さんの方が24歳年上、というだけでからかい半分だったり、かなり下世話な評価をしていたりしますが、ここフランスではそういう反応もあるとはいえ、そんなにあからさまではありません。そもそも、もし男女が逆だったら(例えばトランプ氏夫妻のように)言われないなんて、偏見もいいところではありませんか?男女の仲は、うまく行っていれば、それでいいんです。そしてその事がもっとも重要だと私は思います。

ともかく、新大統領の、単なるエリートとしての頭の良さだけではない、智恵のある人格者としての才覚に、大いに期待したいところです。経験は、正しく積んで行けばいいのですし、優秀な側近が補ってくれるでしょう。

(これで今秋に更新する10年の滞在許可証、無事取れそうでホッとしています。😄)



ところ変わってこちらは、この間の巡礼地、
聖十字架の納められてあるチャペルに続くホスピスです。
シスターの指し示す門の先に宿泊施設がありました。
感謝をこめて、再度載せます。




2017年5月9日火曜日

初夏の巡礼   Le pélerinage au début d'été à Baugé-en-Anjou


週末とその連休を利用して、今年二度目になる巡礼旅行をしてきました。(連休というのは、昨日の5月8日は、フランスにとっては戦勝記念日で祝日なのです。)
6日の土曜日の早朝にパリを発ち、2泊3日して昨夕、パリに戻りました。

巡礼地は、アンジェ (Angers) から車でおよそ30分ぐらいの田舎にある、アンジュー(Baugé-en-Anjou)という小さな町でしたが、ここにはキリストが磔刑された本物と言われる十字架の破片から、十字架像をつくって祭ってあることで知られています。その保管場所は、私たちが宿泊した、Hospice (ホスピス)(Congrégation des Soeurs du Coeur de Marie の修道女たちが住んでいる修道院) の敷地内にあるチャペルにあります。
このホスピスは、1783年に創立され、障害者や不治の病を抱えた人々を受け入れました。その後、フランス革命を経て、1790年より、後に有名となる聖十字架像(la relique de la Vraie Croix d'Anjou) をそのホスピス内にあるチャペルで保管するようになりました。
もともとは聖地、エルサレムから1244年に持ち帰られ、その後時を経て王様の命により宝石で彩られました。その十字架は、後に国のエンブレムにもなり、かの名大統領、ドゴールも使用し、Croix de la Libération (解放の十字架)とも呼ばれました。

その修道院が所有する広大な土地には、老人や障害者のための施設と庭園があり、上の写真はそのごく一部を写したものです。
「初夏の巡礼」と書きましたが、巡礼中は概ね曇り、時折日が差しましたが、少し涼しい陽気でした。


それでも日が差せば明るく、施設の壁を這うつる薔薇は、満開となっていました。
ここは施設の利用者(およそ160人)の散歩や憩いの場所であり、うさぎ小屋や山羊などの動物も飼われていました。
私たちが散策している間に、利用者とその世話をする女性二人が来てうさぎに餌をやりに来ていました。利用者と思われる男性は、私たちを見て無邪気に笑っている姿が印象的でした。


 こちらは、町の中心にある Château  de Baugé から北へ徒歩で10分もしない場所にある、Hôtel-Dieu (病院)内にある、Apothicairerie (薬局)の入り口です。この薬局は、女性限定であった病院のチャペルが改装されたもので、1675年に始まりました。
ここはフランス国内でも有名な薬局の一つで、
( Apothicairerie de Baugé ) と呼ばれ、年間数多くのヴィジター(訪問者)を招いています。
その薬は、古今東西から集められた珍しい動植物から採取されたものから出来ており、写真にあるように、陶器の壺や缶に収められています。その数650!そして天井や床などの美しい板張りでも知られています。
薬には、龍の血(sang de dragon) や甲殻類の粉(poudre de cloportes)、ザリガニの眼(yeux d'écrevisses) などがあります。


修道院の中庭にあった赤いつる薔薇です。
そろそろバラの季節となってきました。
このつる薔薇の側にはルルドの洞窟と、そこに出現されたマリア像のレプリカがあり、
およそひと月前に訪れた彼の地を思い出す機会となりました。

パリの薔薇が咲くのは、もう少し先になりそうです。

さて、このアンジューの聖十字架像巡礼の最中、フランスは歴史的な選挙の結果が決まる投票日を迎えました。(つまり7日の日曜日です。)
前回のブログで、華々しいデモの様子を書いたので、責任上、結果の報告をしたいと思います。
夫は、この巡礼のためにパリを不在とするのが分かっていたため、前々からパリのアパルトマンの自宅の階下に住むフランス人夫妻に代理投票をお願いしていました。今回、代理投票だけでなく、例外的に棄権の数もフランスとしては多かったのですが、代理の場合、代理をしてくれる人に、自分がどの人物に入れるかを明言しなくてはなりません。日本には、事前投票というものがありますが、不思議なことに、その制度はフランスでは採用されていません。なので、代理人が、当日に、代理を頼んだ人からもらった代理人投票券を持って、投票所に行くわけです。(面倒ですね)

さて、結果は皆さんご存知のように、新大統領は社会党のエマニュエル・マクロンとなりました。

当日は、修道院のテレビの前で皆で首っ引きとなり、夜8時の選挙結果を今か今かと待ち受けました。神父様もかなり熱くなっていたようです(笑)。
マクロンがなるだろうという見込みはあったものの、今回は、アメリカ並みの怪情報がル・ペン側から大量に流れたために、皆、ひやひやしていたのです。でもフランス人は、アメリカ人ほど(敢えて書いてしまいますが)愚かではなかったわけです。やれやれ、これで一件落着、フランスはまたしばらく安泰でしょう。
因みにマクロンはフランス史上最年少の大統領となりますが、彼の才覚で上手く乗り切って行けることでしょう。若い、ということはそれほど障害にはならないと思います。当人の主義主張と人格が、一番問題となる訳ですから。ただし、この後に控えている6月の国民議会選挙がありますので、議席の数がどうなるか、マクロンを党首とするマクロン党なるものができるそうなので、その議席がどこまで伸びるかが課題となるでしょう。

日本はゴールデンウィークが終わり、早くも日常に戻っている日々だと思いますが、どうぞお元気でお過ごしください。

 修道院の、階下の中庭に面した、サンルームです。
ここでも真っ赤なゼラニウムが咲いていました。

















2017年5月3日水曜日

すずらんの日に   au jour du muguet !


遅きに失した感がありますが、5月1日(メーデー)(もちろんフランスは休日です)の出来事を軽く載せたいと思います。この日は、日本でも、過去には労働組合の会合か何かが盛んに行われたりしていましたが、いかんせん、労働者側に立たない日本の風土からか、風前の灯か、あるいは形だけのものに成り下がった感があります。
一方のフランスは、真逆と言ってもよい風土状況でして、労働者の強いこと強いこと。その権利を主張する姿は本当に雄々しいと言ってもいいでしょう。しかも今年は大統領選、今週末の日曜には、決選投票ともいえる第二回戦が待ち構えています。ここで熱くならなきゃいつ熱くなるんだ?とばかり、ルペンに反対するデモが一斉に行われました。

この可憐な、日陰にひっそりと咲く花が、どうしてこのメーデーの日に選ばれたのか定かではありませんが、とにかくデモに向かう先々の道で売り子が立っていました。


すみません、どうしたものか、こんな写りになってしまいました。時々、原因不明(夫も分からないと言っていますが)の膜がかかったようになってしまうのです。。でも考えようによっては、顔の判別を避けられるという利点がありますね。

ところでデモの集合場所はレピュブリック広場。ここはうちの近所にあるナシオン広場の倍の広さがあるような所で、共和国を象徴する女性像が立っていることでも知られています。(何で女性像なんでしょうね?自由の女神もしかり。フランス女性の強さの象徴でしょうか。)

確かそう、福島の反原発のデモも、ここを拠点としていました。
そして部外者(?)(選挙権がないという意味で)の私が、夫に強く誘われてデモに参加しましたが、その反原発以来のデモ参加でした。

メーデーということもあり、別の、労働者を守る組合(CGT)や、移民の権利を主張する過激な団体や、それからアナーキストたちもデモをしているという、もう、混乱状態というか、すごい人混みでした。そちらの方のデモでは、ケバブ(日本でも売るようになりましたね、羊肉のサンドイッチ)を焼く煙やら、太鼓や雄たけびなどでやかましいことやかましいこと。


一方、ルペンに反対する人々は白人が中心で、何となく、過激なプラカードを掲げてはいても上品な感じ。まぁここで弁護するわけではありませんが、どちらのデモも、やっている人たちは真剣そのものとはいえ、余裕があるのは白人たち、という気がしました。

上の写真は、EU連合の旗と、奥にはエコロジストたちの旗をもって若者たち。う~ん、ルペン反対とは言っても、あくまでも白人中心なのかなぁ、と物足りなさを感じました。



とはいえ過激なフランス人ですから、その先端を担う若者のスローガンは半端ではありません。
フランス語をご存知な方、この若い女性が掲げているプラカードの文字、読めますか?(因みに両側にいるのは若者ではありませんが)
実はここでこのフランス語を文字にするのがはばかれる内容ですが、勉強のために。
「La jeunesse em...de le Front National !」(点線筆者)と書かれています。敢えて訳しますと、「若者はFN(国民戦線-つまりルペンのこと)にうんざりしている」あるいは「くそ食らえ!」と思っている、という内容です。
色々過激な言葉の列挙を、デモの行進中に見つけては夫と笑い合っていましたが、プラカードに描かれていた絵の一つに、スターウォーズの悪玉、ダースヴェーダーの顔になぞらえて、左側に娘のマリ・ル・ペン、右側に父親のル・ペンの顔を描いたものがあって、さすがに面白かったですね。
娘のマリ・ル・ペンは、過激な発言を繰り返す父親を、党から追い出して、普通の(?)、他の党派に並ぶよう、並々ならぬ努力を重ねて来ましたが、どっこい、国民をなめちゃいかんよ、父親そっくりの主張をもっていることぐらい、みんな見抜いている、ということですね。いやはや、フランス人て、抜け目ないし、本当に政治的な民族です。


ここに来ていきなりレンズの調子が戻りましたが、延々、レピュブリック広場から行進を続けて、バスティーユ広場まで来ました。ここが終点か?と思いきや、ナシオン広場まで来たらしいですね。私たちは充分堪能したので、ここからメトロに乗って帰宅をしました。
一つ思ったのは、パリにある広場って、デモをするために作られたんじゃないか?ということ。元々は街の中心ということでの役割だったとは思うのですが、とにかくデモの多いパリですから、広場から広場へと練り歩くのが常識となっています。

先ほどフランス人は、政治的な民族だ、と書きましたが、日本で選挙のたびによく言われる、「どうせどこの党になっても変わらない」という白けた発言はフランスではあり得ません。どこの党の誰がなるか(大統領に)で、まるっきり変わるのがフランスの政治です。
例えば、フランス国籍を持たない私のような外国人でも生活する上で、何がしかの影響を被ります。一番は、滞在許可証でしょうか。奇しくも今年の秋に、10年の滞在許可証が切れるので更新するのですが、もう更新するための日時も今現在予約という形で押さえていますが、万が一ルペンが大統領になったとしたら、もしかしてすんなりとまた10年の許可証がもらえるかどうか。
今の段階では、もうその前の3年間も含めて14年目の滞在ですし、夫は「法律上は」 フランス人ですから永久の滞在許可証が出てもおかしくはないのです。

何はともあれ、4日後に迫った決選投票。アメリカのようなどんでん返しが起こるのか、否、オランダのように「まともな」結果となるのか、歴史的な選挙になると言っても過言ではありません。
しかも今晩(3日水の夜9時から)、マクロンとマリ・ル・ペンの最後の討論会がテレビ中継されます。この討論で、どちらが有利になるかが決まります。

さて、日本式に枕を並べて、カウチポテト(死後ですね?)でもしながら夫と見るとしましょうか。
フランス人の高い確立で、目を皿のようにしてテレビの前に陣取って、今回の討論会を見ること必至ですね(笑)。