2016年5月12日木曜日

夜のパリ


先週の、どこまでも青く広がっていた空はどこへやら、
今週に入ってから、またパリ特有の曇り空になっています。

パリでは、雨が降ることももちろんありますが、大抵は小降りかすぐに止んでしまうことが多いのです。しかしこのところ、日本の秋の長雨のような雨が降り続いています。しとしと降っていたのが、急に雨脚が強くなったりします。そしてかなり強く降っても、傘をささない人が多いのには未だに驚いています。見ると上着のフードを被って雨除けをしているんですね。それでも上着はびしょ濡れ。でも平気な顔をしています。「そんなに傘をさすのが嫌なの?」と言いたくなりますが。。これも一つの文化でしょうね。

ところで上の写真は、もう10日ほど前に、コンサートが引けた後、夫と夜のパリを歩いた時に撮りました。どこのブランドだったか忘れましたが、今年らしいマネキンの装いに、思わずパチリ。
実は私、洋服が大好き、おしゃれが大好き、です。
昔の人は、着道楽と言ったそうですが、まさにそれ。しかも困ったことに、買って似合わないと分かると片っ端から捨ててしまうという恐ろしい習性があります。
普通、洋服ってそんなに捨てないですよね?それとも10年以上前から流行っている断捨離で、結構捨てている人も多いんでしょうか。
私の場合、外から見ると、買っては捨てて、買っては捨てて、を繰り返しているように見えるらしく、夫からは、「いい加減にして!」と悲鳴にも近い声で言われてしまいます。


「こんな素敵なロングドレスを着ている人がいるような場所、パリで行ったことない」とため息混じりに見ていますが、流行は、とくに先進国ではやはり似通っているなぁと感心しました。
写真の、腰に巻いているフリンジとかショルダーは、日本でも大流行してますよね。(実際に身につけている人は少ないように思いますが) 日本で「これ素敵」と思ったフリンジ付きのショルダーバッグを見つけ、値段を見てのけ反りました。一時の流行に、こんなには出せない、と思いましたね。

ところで夜のパリというと、個人的に思い出すのがパリに暮らし始めた頃の夜です。
ここで打ち明けてしまうと、
その頃は体調が悪く、日本で療養中だったのですが、いきなりパリに来て夫に助けられながら生活を始めたのでした。それなのに、「パリにいる!」と大興奮していましたので、その勢いで、毎夜のように、二人でパリの街中を徘徊(?!)していたのです。
そう、それは、村上春樹さんの小説、「ノルウェーの森」に出てくる女性と僕のように、
まるで何かに憑かれたように二人して歩き回っていたのです。

その女性の名(調べないですみません)は忘れましたが、幼馴染の男の子を自殺で亡くしたために、病にかかってしまった。その病名は、統合失調症。作中にはその病名は出てきませんが、面白いことに、映画化されたときに、スクリーンの中で登場しました。多分、日本人の監督だったら、こんなにハッキリとは出さないだろうな、と観ていて思いました。


これはパリのデパートの一つ、ギャラリー・ラファイエットです。
日本にいると、デパートに行くことが楽しみの一つになったりしますが、ここパリではそうは行きませんね。日本のデパートほど、楽しくありませんから。(こう書くと、お叱りが来るかもしれませんが、そもそも普段、パリのデパートに行って遊ぶという日本人を知りません。ほとんどが、観光客の方ですね。)何故なんだろう、といつも考えますが、、、分かりません。「楽しくない」これに尽きますね。
デパートのブランド売り場に群がっているのは、もはや日本人ではありませんし。

でも久しぶりに訪れて、(夜の10時は回っていました)クリスマス前のイリュミネーションしか知らなかった自分を発見しました。これも悪くないのでは?と思いパチリ。その横を、二人の男女が颯爽とジョギングしながら通り抜けました。。

夜の街を歩くと、ふと、最初の頃の自分の姿を思い出すのでした。


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