2015年3月30日月曜日

水仙が咲いた!


この間、アジサイの芽吹きをご紹介したのと同じ場所に、
いつの間にか水仙がこんなにも見事に咲いていました。昨日のことです。

このとてもオーソドックスな花色を見ていて、
ふと、パリでも水仙が一面に咲く場所を思い出しました。
家からバスティーユに向かう、
以前列車が走っていたという高台にあるそこは、
今では楽しい散歩コース。
季節の移り変わりを感じることのできる場所で、
そこに水仙が春になると一斉に咲き乱れる区域があるのです。
そこの水仙が咲くと、「あぁ、今年も春が来たな」と思うのです。

ふと、
「水仙って、香りがあるのかしら?」と思ってしまいました。


このところ、自分の家がなくなり、住所不定の身分になってからというもの、
あちらこちらの友人・知人宅に泊まり歩いているわけですが、
ここ福島の兄のところにも、もう何度も泊まっています。
なので駅という場所に、とても親しみを感じるようになりました。
特に東京駅は、
日本の中心地ということもあり、
日本全国から沢山の人々が集まっては出て行きます。
出会いと別れ。
私の人生にとっても、とても重要なテーマなのですが、
先日、とても感動する場面に出くわしました。

駅の構内の待合室に、
遠目からでも目立つ女性が座っていました。
ストレートの長い髪はほとんど金髪、そしてお化粧、特にアイメークがばっちりで、
服装は高そうな超ミニスカートのスーツでした。
持っているものもブランド品のバッグ。
でも不思議とそれらが彼女の雰囲気にばっちりとはまっていて、
周囲を圧倒していたのです。
そして、となりにはそれに似つかわしい男性がいました。
女性に見とれていたので彼の方の服装はあまり注意しませんでしたが、
ラフながらも、やはりきまっていました。
そんな若い、とっても若い二人でした。

私は新幹線の出るホームに上がるにはまだ時間があったので、
この二人の様子を目の端で見守っていました。
他にもこの二人が気になっている人たちがいましたが、
でもそこは出入りの激しい東京駅。
私ほど気に留めている人はいなかったように思います。

しばらくすると、どういういきさつかは分かりませんが、
男性の方が、女性の真ん前にひざまずいたのです。
西洋でならともかく、
こんな場面って!とドキドキしました。
見ていると、男性は、女性が何かを口にしているのを、
一生懸命聞いていて、それに応えようとしているのでした。
その男性の一途な様子。
周りなんて全く気にもせず、
ただひたすらに女性へ体をかがめて、話を聴いている様子は、
まるで一世一代のプロポーズをしているようでした。

なんて感動的な絵なんだろう、と、
私はしばし見つめていました。

もしかしたら二人はやくざっぽい人たちなのかもしれません。
若いのに持ち物が高価だからです。
でも、そんなことはどうでもいい。
この二人のあり方、
特に男性の熱心な振る舞いに、深い感動を覚えたのでした。

彼の、彼女を思う本気な気持ちは、
生涯で、一度でも本気で人を愛したことのある人なら
深く共感すると思いました。
本当に、心が洗われるようでした。

この話、我が夫君にはまだ話していないのですが、
なんて思うかしらん? と内心にやにやしています。
「くだらない!」と一笑にふすでしょうか。

もしかしたら明日には別れる二人だったかもしれません。
でもそこには確かに愛があった、と思うのです。。。






 


 
 

 

2015年3月28日土曜日

開花宣言


24日から27日まで、短い東京滞在をしました。
ここは JR の市ヶ谷駅を、外堀通りに向けて下る最中に見える景色です。

この日、桜の開花宣言がなされました。
土手の両側には有名な桜並木が続いている訳ですが、
桜の蕾がわずかにほころんでいるような、うっすらとした桃色が霞んでいました。
都会の中心にある桜並木としては有数な場所の一つですよね。

上の写真の手前には、右にあるように
こじんまりとした釣堀があります。

春らんまんの平日の昼間にのんびりと釣りを楽しんでいる
大学生と思われる男性たち。
贅沢ですよね~。
亡父も釣りが趣味でした。
亡父は、釣り以外にもいくつも没頭できる趣味がありましたっけ。
年をとってから、特に定年を迎えて仕事がなくなった男性は、やはり趣味があるといいですよね。
1つでもあれば十分ですが、父はゴルフ、碁、詩吟、パソコンと、忙しくしていました。
それもまた、1つの生き方でしょうし、
人との輪がそれだけ広かったので、楽しい思いを一杯したことでしょう。



こちらは「ヨウコウ」という桜の一種の花木です。
あえて場所は出しませんが、こちらも都会の真ん中に咲いていました。
一瞬、「造花?」と思ってしまうほど、満開に咲いていたので、思わずカメラに収めました。
こういった種類の桜もあるんですね~。驚きました。
とても可憐な花色でした。

次回は、満開の桜を載せたいと思っていますが、
さて、東京のか、福島のか分かりません。
来月の12日(日)に成田を出発してパリに向かうのですが、
その数日前から東京に滞在します。
でもその頃はもう、とっくに桜、終わっていますよね。とっく、でもないかな。

日本一といわれる、福島の鏡桜、見られるといいのですが。。
とにかく兄の部屋の片づけに追われている毎日です。
4月1日から、新しい職場で働き始める兄。それを応援するためにもパリ行き、遅くなりました。




海外と日本との旅には慣れている私でも、
日本国内はほとんどなので、
密かにとても憧れていた(?!)駅弁を買って、新幹線の中で食べるということをやっと経験しました。
これは東京駅構内で買った、品川名物という、「貝尽くし」というお弁当です。
その名の通り、様々な貝の身が一杯入っていました。
千円ちょっとと、少しお高いお弁当ですが、でも駅弁って、往々にして高めですよね。
何でなんでしょう?
スーパーやお惣菜やさんで売っているお弁当なんかより確実に高いですよ」ね。
まぁ、数百円のレベルですが。

でもお弁当の、少し濃いめに味付けしてある煮物が、何かとても懐かしい感じがして
一人でも充分楽しめました。

秋は行楽弁当といいますが、
春は花見弁当とでもいうんでしょうか。
今年は満開の桜に、どこで出会えるでしょうか。
パリのリュクサンブール公園では、もう満開だそうです(夫の言)。




2015年3月20日金曜日

春のお彼岸


明日がお彼岸のお中日である日を迎え、
福島市の春も本番を迎えています。

引っ越しさながらに、兄のマンションの部屋を片付け、
注文した収納家具が届くのを待っている間に、散歩に行ってきました。
連日のように届く家具類を待つために部屋に待機していたここ2、3日の間に、
もう外はすっかり春めいていました。

写真は、マンションのエントランスに植わっているアジサイ。
この日差しでぐんぐん、目を出していました。
新芽の若い緑色、勢いのある様子は、本当に見ていて気持ちがいいですね。


ぽかぽか日和の中、のんびり歩いていると、
家の軒下には、冬の間に植えられた球根類が次々と芽を出していました。
水仙やチューリップは、もう緑のスッとした葉を一杯出しています。
花木の沈丁花は、もう数時間したら花びらを開くのでは?と思うほど、花芽が充実していました。

春っていいですよね。
年度の始まり、新学期、桜、暖かい気候とともに、新しい人生が始まる予感です。
春に生まれたから、という訳ではないけれど、
やはり一年で一番、希望に満ちた季節ではないかな、と思います。
私の人生の春は、やはりどうしたって過ぎてしまっていますけれど、
春を迎えるこの季節には、いつでもやりたいことは今、始められると信じています。

ある意味、世の中の裏を知ってしまって、絶望も十分味わった今だからこそ、
希望をもつことの大切さがわかるのだと思います。
絶望を抱えながらでも生きていかれるのは、
どこかで希望も持っている、ということでしょうか。

父が亡くなって二度目の春の彼岸。
福島にいてお墓参りはできないけれど、
いつも父の面影を感じながら兄と暮らしています。

父の思いは計り知れない、
実際、どんな風に感じ、考えながら暮らしていたかは、もう知る由もありませんが、
とにかく希望はもっていた、と思います。

その希望とは、とりもなおさず、私や兄たちだったのだと思います。
その強い思いを受け継いで、私たちはしっかりと歩んでい行かなくてはなりません。
父が死ぬことへの恐怖よりも私たちのために生きるとした、
その強い思い。
春の暖かい陽射しの中で、改めて考えたのでした。

2015年3月16日月曜日

春! 友人宅にて 2


福島市でも、春の訪れを感じるこの頃となりました。
週末、兄と過ごした様子をお伝えします。

ここは阿武隈川。
兄の住むアパートから車で5、6分のところに流れています。
阿武隈川と聞いて、子供の頃社会科で習ったな、とか、国語の時間に出てきたな、ぐらいの知識しかありません。東北地方でも、北上川に次ぐ一級河川だそうです。
「ナポリタン(スパゲッティの)が美味しい店」というキャッチフレーズにひかれて入ったイタリアンレストランで、ランチを済ませた後に撮った写真です。
左手には弁天橋があります。
なんとなく、春の訪れを感じるような、まだ気温は低めでも、暖かい日差しの中、兄と愉しんだ風景です。ちょっと影絵のような風景だと思いませんか?

さて兄とのアパート暮らしが再開しました。
何をしようか? と思い悩みましたが、やはり「ここを部屋らしく、快適な空間にしよう!」と思い至りました。片づけって、本来苦手ですが、片付いていない部屋にいるのはもっと嫌なので、やるしかありません。そして編み物。。課題作品は早く仕上げたいですね。

そして前回ご紹介した友人宅での、夕食編です。


この日のメニューは、一汁三菜そのもの、
青菜のじゃ子和え、山芋のざく切り海苔和え、切り干し大根と人参、椎茸の煮物、
メインは赤鯛と鮭、そして漬物類。(右の写真)

締めに飛び切り美味しい白いご飯とお吸い物でした。

テーブル中央に置かれた徳利には、
これまた一級品の日本酒が入っていました。
このお酒は、次の晩にも出され、
お酒の苦手な私も、お猪口に1杯は軽く飲めたほど
質の良い、美味しいお酒でした。

この頃、自分は本当にお酒に弱いのか?と考えてしまうほど、
特に美味しいお酒を飲むときに思います。
ワインでも高級品をいただいていると結構飲める自分がいて驚きます。

  
   この日の夜は、手作りのハンバーグ、久しぶりでした。
  フランスでは、ひき肉は牛のみで、
  すでに楕円形にされて売られています。
  そこに味付けがすでにしてあったりもするので、
  中々、日本風のハンバーグを作るのに苦労します。
  ブリもフランスでは食べられない魚。感涙ものでした。 
 
 更に別の晩。
 右は伝統的なきんぴらごぼうと、
 豚肉の炒め物。
 友人曰く、「子供が小さい時、良く作ったものよ」と。
 「簡単なの、豚肉と玉ねぎを炒め合わせるだけ」。
  でも豚肉はとても質の良い、炒めても柔らかいまま、
 玉ねぎも有機野菜のものでした。
 調味料までは聞かなかったのが残念ですが、
 素材が良いので
 基本の塩・こしょうぐらいだったのではないでしょうか。
 添えられた赤・青ピーマンの炒め物も最高でした。


こちらが、夫が日本滞在での最後の晩餐です。
当初は夫がかき揚げを担当する予定だったのが、連日の疲れと、翌日パリへの出発への荷造りとで不可能となり、今まで通り、友人に作っていただきました。
手前から、キノコ、グリーンアスパラ、玉ねぎと小エビのかき揚げ、ピーマン、ジャガイモの五種類の野菜の天ぷらです。別皿の四種の漬物は、友人の京都のお友達が私たち夫婦のために郵送してくださったもの。さすが漬物の京都。美味しくて、ばりばり戴きました。
豆腐は奥様に頼まれて、「ちょっと高め」の、デパ地下で買い求めたもの。豆の味が濃いお豆腐でした。そして淡いピンクのワインボトルは、某社の「桜ワイン」。写真では分かりづらいですが、瓶の底には2つの桜の花が舞っていました。通常のワインの半分ほどのアルコール分だったせいもあり、グラスに2杯ほど飲んでしまいました。甘くておいしかったです。

2月の末から10日余り、
この友人宅にすっかりお世話になりました。
食を通してのコミュニケーションは、体に良いだけでなく、心にも豊かさと温かさを運んでくれる、と、この滞在中に確信しました。

「森のイスキア」の佐藤初女さんのおむすびを食べて、自殺を思いとどまった青年がいたこと。時々思い出します。彼は、お土産にと差し出されたおむすびの包みを列車の中で開いた時に、おむすびが乾燥しないようにとタオルに包まれていたことに感動したと言います。その何気ない、でも本当に心のこもった心遣いが、人を動かすのだな、と思います。その精神が生き生きと生かされていた、この友人宅での滞在でした。
友人にならって、私も手作りをし続けよう、と決意した次第です。

彼女の、にこやかに台所に立って料理を作り続けていた姿が、目に焼き付いています。
  (料理の説明で、間違っていたり、不十分、不明瞭なところはご勘弁!)









2015年3月12日木曜日

春! 友人宅にて


まだまだ寒い日があるものの、暦の上ではもう春ですね。

ブログ、ずい分ご無沙汰していました。
インターネットの接続が簡単にできない環境にいたためです。
昨日、奇しくも震災の日に福島に戻ってきました。
前回のブログから今まで、東京の友人宅にお世話になっていました。

写真は、夫が一時帰国していたので、
晴れた日に有栖川記念公園に行ったときのショットです。
3月初旬、紅白の梅が咲き誇っていました。
この梅、白は白梅ですが、左手の梅の花の色は、紅梅というには淡いピンク色で、大好きな色です。桃色の梅も素敵ですね。

行きつけの美容院が広尾にあるので、その前に2人で散策しました。

髪の毛、軽く染めました。
日本にいると、カラーをしたくなりますね。不思議です。
パリでは黒髪の方が希少価値が高いのでもてるのですが、
真っ黒い髪は、日本ではちょっと古臭い、重たいイメージになります。
もうカラーリングが常識の世界になっているからでしょう。
パリでは、茶髪が普通なので、黒髪は新鮮に美しく見えます。

ところで。
東京でお世話になった友人のお宅での手料理の数々をご紹介いたします。

 

東京にいた最初の10日余り、お世話になりました。


今回は朝食編とします。


果物尽くしのときもあり、野菜尽くしのときもありました。
パンにバター、ジャム、コーヒーだけだった自分一人の朝食とは打って変わり、
朝から豪華な手料理をたっぷりいただきました。
中央のお皿にもってあるレーズンパンは、
階下に住む奥様からの差し入れ。
そうしたやり取りのある、とても親しい空間で過ごせた、と思っています。


バターはカルピスバター、ジャムは無農薬のイチジク。

こうした手料理に慣れると、インスタントのものが食べられなくなります。
福島に戻った昨日、買い物をする暇がなかったので、
兄が買い置きしていたカップ麺を食べたのですが、本当に体に悪いものを食べた、という気がして気分が悪くなりました。やはり、食べ物って大切ですよね。きちんとしたものを食べて、健康でいたい、と強く思うようになりました。

皆さんは食べ物、どうしていますか?