2016年10月3日月曜日

ギメ美術館 Le Musée Guimet


連続の更新ですが、昨日も外出をしたので載せてみます。

さて、写真にあるのはギメ美術館。
この日は月の第一日曜日ということで、パリ市内の美術館は、全て入場無料となる日に当たっていたため、この美術館を選びました。
日本の浮世絵が展示されている期間でした。


ギメ美術館は、東洋の美術品のみを扱う美術館として名高く、ここに来ると、古代ギリシャから連綿と続いてきた芸術や宗教の流れが、各部屋ごとに展示されており、特に仏教の源泉、アジアへと流入されていく間の変遷が、よく分かるようになっています。
仏教は、中国が源泉ではなく、インドであることは知っていましたが、世界で一番古い仏像は、ガンダーラ(現在のアフガニスタンやパキスタンの辺り)にあったことを発見した時は衝撃でした。その仏像が、西洋人的な彫りの深い顔、たとえばアポロンの顔をしているのです。文明でいうと古代ギリシャであって、ここからアジアへと広まって行くうちに、アジア的な顔になっていったということです。
世界は繋がっているな~、と、その壮大な時空間を思い、しばしうっとりとなってしまいました。

右下の写真は、北斎を中心とした浮世絵が展示されている部屋で、部屋の奥には春画もありました。
笑ってしまったのは、18歳以下、立ち入り禁止の札があったことで、入る前は「そんなに?」と思っていましたが、なるほど、結構あからさまな作品が多くありました。
夫と二人して、「こんな春画をたくさん展示する意味がどこにあるんだろう?」と首を傾げることしきり。
「日本人のこと誤解するよね」と夫。「え~、もう既に誤解されまくってるでしょ」と私。

この春画を含めた浮世絵展は、「Miroir du désir」(欲望の鏡)と名づけられていて、その命名に、感心しました。

もともと、浮世絵という版画自体、日本では(当時は)高い文化とは違うものとしての扱いだったのが、西洋人がその魅力を発掘した、ということで、そういう意味では春画も興味深いのかもしれません。日本で珍重されていた墨絵による風景画は、西洋では受けなかったということです。西洋では、人物画に比べて風景画は価値が下がるのだとか。
国によって、芸術作品の価値も違うのだ、という事を改めて感じました。

私個人としては、葛飾北斎が同じ墨田区、両国あたりの生まれということで、親しみがあります。
両国駅には江戸東京博物館という、やはり江戸文化を中心とした博物館がありますが、その建物から真っすぐに伸びている大通りは、今では「北斎通り」と名づけられ、道も、私が小学生のころとは打って変わり、きれいに整備され、立派な通りとなっています。40年近く前には、あの通りは歩道と車道の区別すらない、しかし車の往来の激しい、危ない通りでした。亀沢に住む同級生と一緒に、ランドセルをしょって手を繋いで歩いて学校に通いましたが、車が危なくてよく後ろを振り向いたものです。
近々、「北斎美術館」なるものもできるそうで、今夏、建築中の様子を兄と見に行きました。
左の写真にある芸者は、両国で人気の女性だったらしいのですが、この絵をじっと眺めているムッシューがいて、うん、こういうスタイルなら西洋人にも受けるよね、と思いました。

 
右の写真は美しい櫛の展示です。
父は生前、よく「一髪」と言っていました。つまり、女性の美しさは髪の毛から、ということで、入院がちだった母の代わりに、よく私の髪を梳いてくれていました。
なので今でも猪の毛のブラシで髪の毛をブラッシングするのが習慣となっています。


こちらは館内にある図書館。といっても貸し出しをしている訳ではなく、美術品の一部としての展示のようです。
図書館という場所も、また魅力のある空間ですね。この本が整然と並んでいる様子や、古い本の匂い、そして独特の静寂などが好きで、子供の頃からどこの図書館でも行くのが好きでした。

とにかく、このギメ美術館に来たのは、何年ぶりか、というぐらいなので、特別展以外は変わっていない展示品に、懐かしさを感じました。

ここは、メトロでいうと、イエナ( Iéna ) にあたり、9番線です。なのでうちから1本で行けるわけですが、パリの東から西(中央)に行く感じになるので30分近くは乗るでしょうか。(直線距離にするとたいしたことはないのですが)

夫は、「16区だぜ~!」などと、肩で風を切って歩いていましたが、私はあの美しい街並みが大好きです。 日本人がよくここに住んでいるのは、日本の企業から派遣されている人たちだからで、今では大分、人数が減ったようです。普通の日本人が自力でここに住むのはちょっと無理があると思います。高級なアパルトマン、もちろんお金を出せば手に入りますが、そこを維持し続けるのは、至難の業です。外観はとても素敵でも、住むためのメンテナンスは、日本人にとっては想像を絶するもので、よく日本のテレビで「シャトーを買った日本人」などともてはやしますが、当のご本人は、相当の苦労をしていると思われます。シャトーに限らず、16区辺りのアパルトマンは、歴史的な建造物としての扱いになるので、その外観の維持を始めとして、常に良い状態に保つ「責任」と「義務」があるのです。そこら辺の認識の甘い日本人が、下手に手を出すと、数年で手放さざるを得ない状況に追い込まれます。

実際、見ると住むとでは大違いで、
外観は素晴らしいけど住みにくい(いつもどこか故障している)、スーパーは遠いし、魚を焼こうものなら匂いですぐ苦情がくる、とは実際に住んでいたことのあるマダムです。

こんな話を聞いて、溜飲を下げるしかないんでしょうね。それに16区とひとくくりに言っても、大きいですから庶民的な地区もあるということですし。

美術館紹介のつもりが、とんだ話に展開してしまいました。すみません。。






 









2016年10月2日日曜日

不思議な天候  Temps mystérieux


パリは、涼しかったり暑かったりを、一日の中で繰り返すような、不思議な天候が続いていますが、さすがに10月に入り、朝晩の冷え込みは秋本番となっています。

今回パリに戻ってから、週末に森に出かけるようになって、森の入り口にあるカフェで朝食をとることが多くなりました。こちらは昨日注文したもの。夫とそれぞれ、クロワッサン1つとカフェオレ(フランス語では Café crème という場合が多いですね)を注文して12,50ユーロ。クロワッサンはパン屋で買うより高く、1つ2ユーロ、カフェオレは1杯4ユーロぐらい。
早朝とはいえない時間帯。でも店内は常連客で賑わっていました。


今回は、ちょっと趣向を変えて(と言っても今まで何度もしていますが)
料理特集にします。

こちらは自宅での様子ですが、
肉は豚の肩ロース。骨付きのせいもありますが、たっぷり150グラムはあります。
日本のロース肉より、やや厚めだと思います。
これを鉄のフライパンを熱々にして、一気に焼き上げます。これは夫の役割。私はまだ、鉄のフライパンが恐くて使いこなせていません。
でも、使いこなせると、これほど美味しく焼ける道具はありません。テフロンはもちろん、ステンレスでさえ、この、外側はこんがりと香ばしく、そして内側は柔らかくてジューシーなまま、という訳には行きません。そして味付けは、ゲランドのあら塩と粒こしょうで充分。
因みにこの肉は安売りで、1切れおよそ1ユーロ。安い肉も、鉄で焼けば、極上の味になります。
付け合せのサラダ、ワカメは、乾燥したものを戻したもので、パリでもアジアの食品店で手に入ります。

こちらも自宅の食卓です。この日はジンジャーパスタ。生姜たっぷりのパスタです。たっぷりのオリーブオイル(大さじ3杯ぐらい)に、生姜を100グラムすり下ろし、そしてニンニク3かけを包丁で潰してフライパンに入れ、弱火で炒めます。香りが出たら1分ほどで唐辛子の酢漬けを千切りにしたのを2本さっと入れ、塩コショウして火を止めます。そこに茹で立てのパスタを一気に入れますが、その時カップ3分の1強の茹で汁も加えます。因みに私たち夫婦がパスタを1皿の料理として食べる場合( Plat unique)、2人で300グラム使います。

生姜をたっぷり使うのがコツですが、あまり濃い味付けや、辛いのがお好みでない場合は適宜、調節してみてください。これから寒い冬を迎えますから、生姜パスタで体を温めましょう!


恩師に、マロニエの実をはじめて見た、と言われたので、再度、新たに拾ったものを含めて撮ってみました。確かに、日本ではあまり見ないと思われます。北海道辺りでは良く見られるのかもしれません。
面白いのは、時間が経つと、小さくしぼんでしまうこと。水分が飛んでしまうのでしょうが、ちょっと悲しいですね。新しいのは、大きくつやつやとしています。
松ぼっくりも拾いました。これを見ると、どうしてもクリスマスを思います。

秋晴れの空の下、
目の前の公園では、学校が引けた後に遊んでいる子供たちの歓声で一杯になります。
部屋の中で,、そうした本当に無邪気な声、楽しげな笑い声を聞いていると、こちらまで気分が高揚してきます。
時々、エレベーターで、子供連れの親子に出くわしますが、その幼児たちの愛らしいこと。
大抵は、私や夫を興味深く、熱心に見ますし、親御さんは、そんな子供を見て「ほら、きちんと挨拶しなさい!」と叱ったり、諭したりします。小さい頃からきちんと挨拶をするように育てる重要性を思います。


森で見つけた動物、第二弾。                                                             前回はワニでしたが、今回はフクロウを見つけました!良く見ると、逆さに立った両足の、つま先の部分、塔になっています。動く塔ですね。その胴体の下、木でいうと株もとの近くにフクロウが!近くを通りがかったカップルが、「Oh ! Chouette ! 」と叫びました。これ、実はフランス流だじゃれ。Chouette というのは、フクロウという意味のほかに、「素敵」とか「かっこいい」などの意味もあるのです。こう言われて笑えるのが、フランス通か否かの分かれ目。もちろん私は笑いましたよ~。な~んてね。


東京の下町で育った私は、
自然といえば隅田川流域。
だから水を見るのが大好きだし、あまり縁のなかった緑も大好きです。
大自然を感じることのできる森は、本当に大好きです。










 

 

2016年9月27日火曜日

マロニエの実が落ちる季節  La saison où les marrons tombent


これ、何だかわかりますか?
そう、タイトルにも書いたように、マロニエの実です。
先日、午前中に夫と森を歩いている時に拾いました。

マロニエの実は、こうしてみると栗に良く似ていて、「これで食べられないんだ」と驚くばかりです。
パリに来た当初は、このマロニエの実と栗の区別がつかなくて困りましたが、
栗(chataigne) は、やはりイガに包まれていて、そのイガの皮を潰すことによって、食べられる実が出てくるのが分かりました。一方マロニエは、固い薄黄緑のイボのような皮に包まれています。やはり実はその中に眠っている訳ですが、どちらにしても、しっかりとした皮に包まれているので、木から地面に落ちる音が豪快です。
以前、自分の詩にも書いたのですが、山中で聞くその音は絶えることがなくて、
「カーン、コーン」と、心地よい音なのです。
「でも頭に直撃したら相当痛いよね」とは夫の言。
あくまでリアリストです。

因みに写真は夫の手です。
こうしてみると、とても女性的ですよね。
体型がふくよかな夫は、性格も穏やか、、、と言いたいところですが、真の優しさを持ちながらも、どうしてどうして、
思想的にはかなりラディカルだ、と私は見ています。


このところヴァンセンヌの森へ散歩に出かけることが多いのですが、
森はとにかく広大なので、全部を歩きつくすことは出来ません。
上の写真は、もう5年以上も前に、二人でよく自転車で走り回った地域です。
こうした水辺があちらこちらにあって、水を見るのが好きな私としては、もう何時間でも佇んでいたい気分になります。もちろん、水の流れる音も最高です。


あまり森の写真ばかりでも、とは思いますが、
見てください。面白いでしょう? 森の中にワニ出現?! そう、この森には、プロかアマチュアか、あちらこちらに木の彫刻が施されていて、気楽に散歩やジョギングを楽しんでいる人々を驚かせています。あまり側まで近寄ってみなかったのですが、かなりリアルでした。
夫は確か、アリゲーターとクロコダイルの違いについて話をしていたような、、、


遅ればせながらですが、これがマロニエの木に実っている実の様子です。
黄緑色のイボイボが見えるでしょうか。この中に1つ、あるいは2つの実が入っています。
夫は靴を履いた足でこの皮をむき、中に入っている新鮮な実を私にくれたのでした。
葉が茶色いのは、秋で枯れ始めているのもありますが、大抵は病気によるものらしいです。だから、マロニエの葉の落ち葉は、真夏でも地面に散らばっていることがあります。 



何となく、日曜のブランチの食卓を載せてみます。私たちは日本人カップルなので、フランス人がどんなブランチを取っているのか正確には知りませんが、クロワッサンなどは、やはり日常的にはとらず、週末とかに食べるパターンが多いようですね。
理由は多分簡単で、バゲットに比べて割高だからでしょう。あの大きくて長いバゲットが大体1本1ユーロなのに対し、クロワッサン一つで同じ価格です。私はこの日はクロワッサンを二つ注文し、夫は更に田舎風バゲット(Baguette de Campagne、1本1,50ユーロ)を買いました。フランス人はきっと、こんな買い方はあまりしないと思います。

一つ話を少し。
話題としては突然ですが、私の余暇の過ごし方の一つとして、
Youtube で日本の歌を聴く、というのがあります。
今の時代は、どんなに古く、またマイナーな曲でも、検索すればすぐに見つかって聴くことができるので、本当に良い時代だな~、と思っています。但し、聴くときはヘッドフォンで。以前は大音量で聴いていたこともあるのですが、何となく、周囲との違いを感じて(そう、ここはフランスだ!)今ではもっぱらヘッドフォンです。特に日本の歌謡曲が大好きなのです。

ここで告白(大げさですが)すると、誰か芸能界で好き、と書くのは避けていたのですが、
歌い手さんとしては、中島みゆきさん、好きですね。このブログで書くのは初めてですし、誰かを好きと書くと、イメージが限定されてしまうので嫌だったのですが、この事は堂々と書きたいです。

海外に暮らしていて、様々なストレスや疎外感を味わうことが多い人間にとって、歌は特に一服の清涼剤となります。その中でも、「嘘のない」そして人間としての痛みを吐露している歌に惹かれますが、中島みゆきさんは、そういう面で右に出る人はいないと思います。
よく彼女のことを、「暗い」とか、女性としてマイナスなイメージとかを言う人はいますが、そう評価する人は、本当に人間として深みに欠ける人だと思います。1曲でもいい、彼女の歌を聴けば、必ず何らかのカタルシスを得ることができますし、深い悲しみや喜びと言ったものはこういうものなんだ、と気づかせてくれます。
さっき、「麦の唄」を久しぶりに聴いて、しょっぱなから号泣してしまいました。
やはり海外で暮らしていること、そして父が死んでしまったことが、まだ尾を引いているんだと思いました。

人が好き、会って話すのが好きですが、
たまには家にこもって自分の好きなことに没頭して、疲れを癒したいと思います。
そんな時、編み物をするのもいい気分転換になります、そう、ヘッドフォンでいい音楽を聴きながら。
でも手芸はほどほどがいいですね。あまり根詰めると体が固くなって、かえって疲れてしまいますから。適度に指を動かしたら、ラジオ体操でもして、ちゃんと体をほぐすことが大切です。

これからは秋の夜長。どんどん昼の時間が短くなります。
今は朝の7時。鳥が心地よい声で鳴いています。
外の気温は13度。日中は20度をちょっと越える予報です。

清々しい秋の日々。本当は家の中にいるのはもったいない、そんな時ですね。


追記: 大事なことを書き忘れていました。
     中島みゆきさんの歌が素晴らしい証拠の一つに、海外の歌手によってカバーされている
     ことです(サザンオールスターズと一緒ですね)。例を挙げると、パトリシア・カース 
           Patricia Kaas が、「かもめ」をカバーしています。













2016年9月19日月曜日

やっと秋めいてきました Enfin, l'automne !


週末を境にして、ようやく秋めいてきたパリです。
今朝のパリは15度。日中も20度を越えないようです。
いつものパリの気候に戻ったとはいえ、今までの異例の暑さの影響が残っていて、急に寒さが身にこたえます。急激な温度変化で風邪を引いている人が多いようです。

日本はシルバーウィークですね。この呼び名、私にとっては全く馴染みがないのですが、敬老の日を移動させることによって、休みが増えたのは、単純に喜ばしいことなのではないでしょうか。
日本人は得てして、まだまだ働きすぎですからね。

さて、このところ、新学期が始まったせいもあり、連日のように外出しています。
写真はまたヴァンセンヌの森の入り口ですが、日曜ということもあり、家族連れが大勢来ていました。


大勢、と言っても写真に撮ると、何故か閑散としているようになってしまうのが不思議です。
あまり人に向けてカメラを構えるのは気がひけるということと、実際、日本と違って人出が多くても混雑はしない、という事情があります。
写真は、秋になったので土を掘り起こし、芝生の再生をしているところのようです。
こういう土を見ると、ガーデニングが趣味だった頃の熱が蘇ってきて、「あぁ、土いじりをしたい!」と切に思います。
住んでいるアパルトマンに、小さくてもいいからベランダがあったら、と思います。


前回載せた東やを、違う角度で撮ったのでまた載せます。
家族連れが、ボートを漕いでいるのが見えるでしょうか。

余談ですが、
私には関西方面に、恩師を初めとして幾人かの友人や知り合いがいるのですが、
関西弁て、つくづく良いなぁ、と思っています。
関西弁といっても土地によって異なるらしいのですが、
一般的に、歯に衣着せぬ、というのは、私にとってはとても痛快に思えて大好きなのです。
私は東京生まれの東京育ちですが、墨田区という、都心に近い下町でしか日本では暮らしたことがない人間なので、関西というのは、気質からいって非常に近いものを感じるせいかもしれません。
育ちから言うと、山の手の「ざ~ます」言葉にも慣れ親しんでいるのですが、
気質から言って、物事の本質をずばり言うような感覚がとても合っているように感じます。
だから、逆に、この人と合う、合わないがはっきりとして、そのことでも無駄がないように思います。
いい年の大人は、広く色々な人と付き合うことが余儀なくされていますが、
この、「合う合わない」は、いかんともしがたいように思います。(だから何だ?と言われればそれまでですけれど。)
つまり、話をしていて、テンポや感覚が合う、というのは、重要な要素なのでは?と思うからなのでした。もちろん、話の内容、価値観が同じ、ということが最重要ではありますが。


私は完全に猫派の人間ですが、
こんな姿を見たら、胸がキュンとなってしまいます。
この犬の、日本語では何と表現すればいいのでしょうか、フランス語だと Très sage et obéissant ! つまり大人しく主人に仕えている様子は、本当に胸打たれます。
このおじさんは、それが当然のように振舞っていましたが、でもすごく可愛がってもいるんだろうな、という感じが伝わってきました。これだから犬好きは止められないのでしょう。
私たち夫婦は、ここのカフェで遅めの朝食を食べました。
朝食メニュー8ユーロで、クロワッサン、タルティーヌ(パンにバターを塗ったもの)、カフェオレ、そしてオレンジジュース。朝からお腹が一杯になります。


部屋の中でも羽織物が必要な、こんな涼しさになってくると、
編み物がしたくなります。
温かいココアを飲みながら、ゆっくりと編む楽しさを再開すると致しましょうか。

皆様のご健康と幸せを祈ります。

 






 

2016年9月12日月曜日

12回目の結婚記念日 Douzième anniversaire de notre mariage


いや~暑いですね~。パリが、9月に入ってもこんなに暑いのは、2003年にパリに住むようになって以来、初めての経験です。
例年でいくと、8月の半ば過ぎには早くも涼しく、秋の気配となるパリですが、今年は9月に入ってからずっと、30度前後の暑さが続いています。鉄の鎧戸を閉めていても暑く、普通だとひんやりとする部屋の中が、もう蒸し風呂状態。「ここは本当にパリなのだろうか?」というぐらいです。

さて、暑さ談義はおいておくとして(余計暑くなります)、
先日の日曜日、12回目の結婚記念日でした。(前回のブログの追伸で触れましたが。)
干支が一回りしたということで、2004年は申年だったんだ、知らなかったなぁ~、と感慨深いです。同級生に言わせると、「まだ12年かぁ」ということになりますが、私たち夫婦にとっては長い年月が流れたなぁと思っています。

この日は、珍しく朝から涼しく、「散歩しようか」という流れになりました。
散歩といえば、このブログでも何回も載せているヴァンセンヌの森の湖、Lac de Daumesnil を周遊しました。

これは望遠レンズで撮ったものです。
周囲2キロある湖の中洲から撮ったもので、これでもかなり近くにいる感じがしますよね。


老いも若きも、思い思いの自由な格好で、気楽に走っています。
日曜の朝は、いつもこんな感じだそうで、「みんな走るの好きだな~」と感心するばかりです。
そんな中、邪魔にならないように夫と道の端をのんびりと歩いていたのですが、「私もまた走りたいな」という気持ちになってしまいました。


               中洲を歩いていると、
白鳥の群れに出くわしました。

               よくよく見ると、その中州は、
               どうも鳥たちの住処になっているようで、
               白鳥のほかに鴨も群れもいました。

 



これぞシャッターチャンス!
 パシャパシャと撮りまくりました。

近くの被写体を、
望遠レンズで撮ると迫力が出ることが分かりました。




 念のため、
他の鳥たちと一緒のも載せてみます。
遠近があるとはいえ、
この白鳥の大きさが、少しは分かると思います。

あまり書きたくないんですが、
この白鳥たちがたむろしているここでは、
辺り一面フンだらけ。
あぁ、こんなに美しい白鳥だって、
やっぱり、なのです。(当たり前ですが)



とにかく、走る、走る。
夫も、時間のある時は、1時間ぐらい走る人なのですが、
今夏、日本でも隅田川沿いを、いくつもの橋を超えて走っていました。
その夫に、「日本のジョガーとフランスのジョガーの違いは?」と聞いてみたところ、
一番の違いは、女性の服装だそうです。
まぁ、男性のも違うとは思いますが、そこは男ですから女性に目が行くわけです。
「どんな風に違うの?」「こっちは余計な装飾をしないし、体のラインをピッチリ見せることに、なんのこだわりもないからね。」とのこと。体型の良し悪しは、本当に関係ないですね。「えぇ!」と驚くぐらい、どんなに太っていても(まぁそんなに太ったジョガーはいませんが。それでも。)、ピッチリと体型を見せています。お国柄ですね~。これだけ大らかだからこそ、走ることへのハードルが低く、老いも若きも楽しんで走れる訳です。走らな、損々!


走るといえば、こちらも走ってました!
森からの帰り道、ハーレーダヴィットソンの群れが突如として現れました。

実はこのハーレー、夫の憧れの的なんです。
「らしくない!」といえば、夫ほど「らしくない」人はいないと思うのですが、「いつか乗ってやる!」と、密かにこぶしを握り締めています。

夫はバイクはおろか、車の免許すら持っていない人ですが、若い頃からバイクを乗り回したいという願望を持っていたようです。                                      大学教授であり、作家でもある、尚中さんは、確か還暦を迎えてから、ハーレーに乗ることにしたとか。60歳から夢を叶えたんですね。素晴らしいと思います。                                           いくつになっても夢は叶う!            そう信じたいですね。


最後に、
異例なんですが二人の写真を載せたいと思います。
12年という節目に、記念として。
(結婚記念日として、12年目というのは特に祝わないそうです。10年目が「錫婚」で、15年目が「水晶婚」だとか。でも、毎年祝いたいですね。)
しかし格好がラフ過ぎましたね、すみません。あまりに暑いもので。

そしてこの日は9.11の日でもあります。あの日から今年は15年目だそうです。
心からのご冥福を、新たに祈りたいと思います。


         











 





2016年9月8日木曜日

まだまだ暑いパリ Il fait encore chaud à Paris !


昨日からまた急に暑さが戻ってきました。
ここはリュクサンブール公園です。

パリに戻ってまだ1週間も経たないうちで、時差ぼけがまだ激しいのですが、
家の中にいてはますます治らないと夫と出かけました。
夫は晴れて神学の学士号を取得、今月から始まる新学期からは修士課程の二年目に突入します。そのお祝いも兼ねて、昨日は随分パリの街中を歩き回りました。

今夏、日本滞在中、Olympus の Pen を購入しました。
今回から Pen を使って撮影した写真を使っています。
心なしか、今までの画質と違って見えますが、いかがでしょうか。


ここ、リュクサンブール公園は、
パリのほぼ真ん中に位置していることもあって、
特にパリ市民の憩いの場所となっています。
地区としてはカルチエ・ラタン。
左岸のアカデミックな雰囲気を代表している公園とも言えます。

それにしてもこのパーム椰子、
これだけ見ると、南国にいるような気分になります。
実際昨日は雲ひとつない青空、
日差しを遮るものがない場所では、強烈な太陽が降り注いでいました。


ここでも何回も書いているので耳にたこならぬ、
目にたこ、かもしれませんが、
フランス人は本当に太陽が大好き。写真はごく一部ですが、
燦々と照っている場所での日光浴は、都会にいながらにして日焼けができるとばかり、
ベンチで横たわる(そう、ベンチ自体にかなりの傾斜があるので、寝そべる感じになるのです)
姿は、こちらでは風景の一部となっています。

私はといえば、
日本で皮膚科の治療を受けていることもあって、
特に日焼けは厳禁。ですが午後から急に出てきた日差しで帽子など持っているはずもなく、
どうしたか。緊急に、タオル素材のハンカチで日をよけていました。
「あのね、誰もそんなことしている人いないでしょ」と夫に言われながら、
必死でハンカチをかざしていました。
でも悪目立ちはしていませんでした、むしろ、首から提げていたピカピカの(?!)Pen に、
注目が集まっていたのを感じました。


夫が例によって、私を空港に出迎える際に抱えていた花束です。
最初の頃は、「柄じゃないのに良くやるよ!」と思っていたのですが、
この頃は花束をもっている姿もさまになっているように思えます。
でも恥ずかしげに差し出してくれるところはやっぱり日本男児。すっかり旅の疲れが取れてしまいました。

これからまた、そう、新たにという感じでパリ生活が始まります。
正直、なんと言えばいいのか分からないぐらい、様々な感慨がありますが、
最終的には自分で選んだ道。誰に強制されたものでもないどころか、自分で望んだ道ですから、
そうですね、しっかり、というよりは楽しんで生きたいですね。
「自分にとって《楽しい》ってなんだろう?」、
これを追求したいです、夫とともに。

さぁ、まだまだ暑い夏、存分に楽しみましょう!


追伸: 書き忘れるところでした、
     今日は夫の49回目の誕生日。
     いよいよ40代最後の年となりました。
     今後とも、目標に向かってがんばっていってもらいたいと思います。
     ついでに書くと、日曜は結婚12周年。いつの間にか干支が一回りしました。
     同級生に比べると晩婚でしたが、今ではそれほどでもないみたいですね。














2016年9月4日日曜日

パリに戻りました Retour à Paris !


およそ2ヶ月の日本滞在を終えて、一昨日、パリに戻りました。
日本に滞在中は、ブログの更新を一切止めていたので、かなり久しぶりの再開となります。

いや~、パリ、結構暑いです。
特に部屋の中が暑くて参っています。日本のように、クーラーがありませんから、部屋の中に日中の暑い空気がこもりがちになります。目隠しのカーテンのせいもあって、蒸し暑いです。先週はもっと暑かったそうで、これでもマシになったそうですが。

写真は、もちろん日本ですが、
およそひと月前、8月の頭に、浦安の猫実という町に用事があって出かけた際に撮りました。
この日も猛烈に暑い最中で、猫たちが日陰でぐったりしていました。
猫実、というぐらいですから、猫があちらこちらにいて、猫好きとしてはいちいち立ち止まっては声をかけたり、見とれたりしていました。

浦安の駅からこの町を延々と炎天下、夫と歩いた訳ですが、
夫ともども、その暑さを堪能しました。「これぞ日本の夏!」という感じで、汗をびっしょりかきながらも、日本の住宅街を散策したのは、とても楽しい思い出です。

福島の兄のところにいる実家の猫は、もう15才。おばあちゃん猫で、いつスカイプで見ても寝ています。「この子の死に目にも会えないのかな」と思うと、本当に落ち込みます。動物は、好きなだけじゃ飼えないですね、看取ることも考えると、もう新たに飼う気がしません。

今回の日本の滞在のことはまた改めて。
こんな風に、日本とフランスを往復していると、つくづく、「人生は旅」だな、と思います。。

ブログ再開、これからもまた、よろしくお願い致します。