家の近所の白い百合 Le lys blanc près de chez moi |
梅雨真っ盛りの海の日。なかなか梅雨は明けませんね。久しぶりに日本の梅雨を満喫しています。
そんな中、一人で近所の浅草に出かけました。
今や、浅草は世界の浅草になりつつあると言っても過言ではないぐらい、海外からの観光客で賑わっています。土地柄、気取りというものとは程遠い、気楽で雑多な雰囲気も加味されて、東京でも人気のスポットですね。地元人でなくても、人が多いことが苦にならなければ、いたって居心地の良いところです。
そんな中をぶらぶら歩いていて思うのは、浅草は、日本人が、東京で最も日本人らしくいられる土地なのではないかな、ということです。下町の人情や江戸文化で発展した「粋」などは、日本人に本来そなわっているもので、その名残のある浅草に来ると、皆、解放されたように感じるのでは ? と。
ブルーが美しい桔梗 la belle blue, campanule |
肩の力を抜いて、お気楽に歩ける町、それが浅草の魅力ですね。
翻って自分を振り返ると、そんな街並みから一転してパリに住み始めた当時の自分は、かなり肩に力が入っていたなぁ、と思うのです。
どこの国に行っても短パンにTシャツにビーサンのようなアメリカ人を真似てみようか、とは思いませんが、浅草を歩いているようにパリの街中を歩けたら... どんなに楽だろう... と、一人感慨に耽っていました。
赤い百合の花言葉は、「虚栄心」だそうです... | language des fleurs du lys rouge; la vanité |
どんな国、どんな土地柄でも自分らしく生きられる道はあるのではないか、とも思います。
最近、浅草寺の裏の、昔「山谷」と言われた地区のことを考えています。キリスト教徒としても「蟻の町のマリア」で有名な土地ですが、自分に何かできないか、と。
一方で、そんな力みもどこ吹く風、海外からの観光客のための安宿が増えたために、ディパックをかついだ外国人たちが多く闊歩しているとか。
そんな人々の風情を、フランス語では nonchalant(e) とか、sans-souci などと言いますが、そういったのんきさや拘りのなさも、浅草には似つかわしいですね。
梅雨明けの待ち遠しい、浅草散歩でした。
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