2017年4月28日金曜日

68番のバスからの眺めと行きつけのカフェのアペロ


ここ2~3日、パリの空は不安定で、晴れたり曇ったり、そして午後から一時的に強く雨が降ったりと、この季節特有の空模様となっています。パリで雨が降ると、気温が緩むという現象がありますが、今朝も小降りながら雨、6度となっています。3月から4月にかけてのまるで初夏のような暑さが続いたのがむしろ例外で、このような不安定さが、パリの春らしいとも言えます。
春とはいえ、もうマロニエの花盛り、新緑も目に清々しい、晩春の季節ですね。

写真はサン・ジェルマン大通りを、バス68番から撮ったものです。
バスの中でパシャパシャ撮っていると、旅行者気分で楽しいものですが、一体何年パリに住んでるんだっけ?と可笑しくなります。でもカメラをいつも持ち歩いては、シャッターチャンスを逃さないようにすること、もう既に習慣ですね。
また、写っている自転車とそのパーキングは、もうすっかりパリに定着したレンタサイクル、ヴェリブ(Verib) です。とはいえ、未だ利用したことはないのですが、なんかメトロがあれば事足りる生活のせいか必要を感じませんし、パリの街中を自転車で走るというのは、いかにも危なくてしたくないですね。


引き続きサン・ジェルマン大通りです。Rue du Bac の交差点に向かっているところです。
こちらはポプラ並木が美しいですね。
この68番のバスはとても便利で、よくオペラ大通りから乗って、Raspail にあるカトリックセンター近くで降りるということをよくします。Rue du Bac からラスパイユ大通りへと入って行きますが、この美しい並木はどこまでも(多分、Denfert-Rochereau まで)続きます。


パリの不安定な空はこんな感じです。
順序が前後しますが、こうして、68番のバスはルーブルとカルーゼル門の間の通りを通るので、まるでパリ市内を観光しているような気分になります。ちょうど雨が止んだ後ですね。

バスに乗っていると、たまに話しかけられることがあって、この日は隣に座ったマダムが「今何時かしら?」と腕時計を指し示す例のゼスチャーで聞かれたので答えると、「Parfait !」とにっこり。フランス語で完璧に答えられたからなのか、時間がわかったからなのか定かではありませんが、私は次の駅で降りなくてはならなかったのでそう告げると、席をわざわざ立って、しかも車内の中ほどまで行ってどいてくれました。「マダムが降りるからどいて下さい」と言いながら。パリではよくあるシーンとはいえ、こんな気遣いをしてくれることに、未だに感心する次第でした。


さて、閑話休題。
ところ変わってカトリックセンター近くにある、行きつけのカフェをご紹介します。
名前はふせておきますが、とても感じの良い、料理の美味しいカフェです。


こちらは、午後5時から7時までの「ハッピーアワー」(そう、フランスでも英語を使っていますが、先日は黒板に、「Heure heureuse」とあって、なんかピンと来ないなぁと苦笑しました。)で皆で注文したアペロの一皿です。これはハム・ソーセージの類とチーズの盛り合わせで、10ユーロしなかったと思います。


これは日本でもお馴染みのカマンベールのオーブン焼き。丸々一つのカマンベールチーズをオーブンで焼いたものですが、外で食べたのは初めてでした。たっぷりの葉野菜とベイクドポテト。これだけでお腹一杯です。
蛇足ですが、こうした葉物のサラダのドレッシング、皆さん、お酢とオイルの割合、どうしてますか?
パリのカフェの場合、経験上、オイルの方が多いようです。もちろん、塩・こしょうもですが、ほんの気持ちですね。最初にこのドレッシングのかかったサラダを食べた時は衝撃でした。このオイルの方が多い、というのに驚いたわけですが、お酢が多めよりもマイルドで、野菜の本来の味を味わえるので、とてもお薦めです。お試しあれ。


これがその夜に頼んだアペロの全容ですが、ちょっと多すぎましたね。一人一皿は日本人にはやはり多い。たんぱく質多めとはいえ、パンは付き物ですし、ビールやワインですから。
翌朝、1,5キロ増えていて驚きました。
でもこの時は、福島の原発事故についての話が中心で、面白くも知的でエキサイティングな夜でした。途中から日が暮れ、夕闇となり、ついには真っ暗となるまで、話は尽きませんでした。。

これからは日がどんどん長くなって、カフェで時間を過ごすことが多くなります。カフェの醍醐味はマンウォッチング。何時間いても飽きないのが魅力ですね。


来週末は、また巡礼旅行をします。楽しみです。



2017年4月21日金曜日

初夏の風情 - ナシオン広場


晴天続きのパリですが、それに反して気温がかなり低めだったのが、ここに来てまた気温が上がり始めました。今日の最高気温は17度。17度まで上がると、日中は安心して軽装を楽しめるようになりますが、朝晩はまだ油断できませんね。

ところで昨夜、シャンゼリゼでテロ事件が起こり、日本の皆様にも報道されたかと思います。
死者および怪我人の数は少数だったとはいえ、場所が観光地のメッカであり、またテロの起きた時間帯には大統領選に向けてのテレビ討論会が放送中だったことで、放映中、一時騒然となった模様です。今回のテロはまさにこの大統領選を狙い撃ちしたもので、極右政党の票がまたこれで増えることになりそうです。
テロで犠牲になった方々にお悔やみを申し上げると共に、明後日の日曜日に控えた投票日に、何事もないことを祈ります。。

さて上の写真は、自宅近くのナシオン広場のキオスクです。
ここの広場も結構大きいのですが、中央の緑地帯を中心にして、「緑の散歩道」を作ろうというパリ市の計画が、現在進行中です。こうしたキオスクは、この広場だけでも4つはありますが、どの売り子であるおじさんも、とっても親切。この間は、日本のことを、「美しい国だね!」と褒めてくれました。マロニエの咲いてる様子もお伝えしたくて載せました。
 



広場に近い小学校です。
これはマロニエではありませんが、初々しい若葉が茂った、美しい通りです。
この先に、ナチュラリアという、自然食品のチェーン店があります。今日はアプリコットのジャムと、有機栽培の胡桃のオイル、そして豆腐を買いました。日本の味噌や醤油、蕎麦なども売っています。胡桃のオイルは、お昼に早速冷奴の上にかけていただきましたが、ほんのりと香ばしい香りがしました。オメガ3たっぷりで、健康にも良いのです。


                                                                誕生日に夫からもらった花束です。 
大分私の好みが分かるようになったみたいです。


 苺はまだまだ旬です。
1キロ入りの木箱、スペイン産で5ユーロ弱。安いですよね。


春は連日の陽気のせいか、疲れが出やすい時期でもありますね。
せいぜい、ビタミンやミネラルを多めにとって、体を休めたいと思います。
皆様はいかがお過ごしでしょうか。



2017年4月15日土曜日

ソー公園  Parc de Sceaux


昨日、親しい友人たちと、パリ南郊外にある「ソー公園」の桜の花見に行って来ました。
ここは知る人ぞ知る、日本の桜が植わっている庭園として、パリに住む日本人の間では人気のスポットです。園には白とピンクの桜に分かれており、白い方は、もうほとんど葉桜状態で花見をしている人も少なく、ひっそりとしていましたが、ここピンク色の方は、盛りを過ぎているとはいえ、大勢の花見客で賑わっていました。明日の復活祭当日の日曜日や、翌日のLundi de Pâques (復活祭の翌日は祝日で休みです)は、パリに住む日本人の団体が訪れるという情報で、さぞ賑やかになるだろうと思われます。日本人が桜の下で宴会をして楽しむということは、もう既に市民権を得ているようです。


こちらは、ソー公園という名前のついた駅から、住宅地を抜けて、最初に辿り着く門からの眺めです。こうした、木もわずかしか植わっていない、芝生だけの広々とした空間は、日本では考えられないぐらい贅沢なことですね。芝生でのんびり、何にもしないで一人で、あるいは友人や恋人、家族で楽しむ。心の余裕がないと出来ないことかもしれません。


庭園内は、高低さを利用して造られており、ここは園内でも一番高いところに位置しています。
 この庭園は、もとはルイ14世の時代に造られたものですが、フランス革命によって一時は全て破壊されたそうです。その後の紆余曲折を経て、一般市民に公開されるまでに至ったのが、1925年ということです。 まだ日は浅いのですね。


こちらが、ソー城。今回は中に入りませんでしたが、一部イル・ド・フランス美術館としても公開されています。このソー公園を造った、ル・ノートルやル・ブラン(共に、ベルサイユ宮殿の造園や内装を手がけた当代随一の芸術家)が雇われており、太陽王と言われたルイ14世も、その豪華さに感嘆したそうです。その様子が少し垣間見られるようなお城です。


とにかく200ヘクタール以上の広さをもつ庭園ですから、広いこと広いこと。高低さもあるので、軽い散歩でも立派な運動、上天気ということもあって、うっすらと汗をかいてしまいました。


こうしたポプラ並木も、とてもフランス的ですね。日本だと北海道あたりで見られるかもしれません。



これ、見えますか?
拡大写真が右なのですが、
広~い芝生の真ん中に、ブルーの空気ベッドというんでしょうか、それを置いて、のんびりと寝そべって日光浴をしているのです。女性か男性かはわかりません。でも良いと思いませんか?大自然に囲まれて、新鮮な空気の中、まっさらな日の光を浴びて寝転がる。これ以上の贅沢があるでしょうか。
パリでの刺激の強い日常から離れて、一切から遠く、自然と一体化すること。人間には絶対に必要な気がします。


木々がいっせいに芽吹いている様子は、本当に春の到来を思わせます。
日本からパリにもどってちょうど3週間。またこちらでの生活に足が付いてきました。

明日はいよいよ復活祭。
その前夜である今晩は、復活徹夜祭として夜通しそれを祝います。洗礼式ももちろん行われます。
考えてみたら、復活祭にパリにいるのも久しぶり。友人たちと楽しみたいと思います。

少し早いですが、ご復活、おめでとうございます!!




2017年4月2日日曜日

パリの植物園の桜  Des cerisiers japonais du Jardin des plantes


先日訪れた、パリの5区にある植物園の桜です。ネット上で、ここの日本の桜が満開と知り、急いで夫と訪れました。ここには様々な植物、そして動物園までありますが、春のこの時期になると、決まってこの日本の桜が名物となります。パリ市内、および郊外にも日本の桜の名所はありますが、ここの桜はなぜか、一番日本の桜と近く(樹形や花の咲き方など)、見ていて日本を思い起こすことができます。ただ、こうして少し離れて見ると、花の付き方が日本に植わっている桜よりも過多な気がしますね、こんなには花を付けないのではないでしょうか。色も、こんな白いのは日本ではあまり見られないのでは?ともあれ、日本で味わえなかった花見を、ここで堪能しました。




こちらはピンク。白に比べてやや盛りを過ぎた感じでした。

日差しがあまりにも強いせいで、逆光がきつく感じられますね。









こちらも日本の桜で、里桜の一種、「寒山」だそうです。

やはりやや、色目が日本のものよりは濃い感じがします。



これは植物園の正面から入っての全景です。(もちろん、園全体は撮り切れませんが)
両側に桜が植わっている様子を撮ってみました。

とにかくパリにもどってから一週間、連日の晴天と気温の高さに驚いています。3月から4月にかけて、パリも陽気は良くなるとはいえ、これは例外的なことだと思います。



こちらはこの園で最も樹齢の古い木で、やはり日本の桜(白色)です。

                               あまりに枝が伸びすぎて重くなったために、地面に枝が届いてしまっています。日本ですと、こうなる前に整枝するか持ち上げるように支えるかするのでしょうが、ここはフランス。あくまで自然体にするのが美しいとされているようです。                                                       でも枝の先、隅々まで花が付いて咲いている様子は圧巻です。こちらも盛りが過ぎていたので今ひとつ分かりにくいですが、何年か前に満開の様子を見た時は、それはもう、見事でした。                           上の写真は、なんと木の枝のない所から内部へと入った様子で、内側から外側を眺めた様子です。ちゃんと座れるような止まり木があって、他にもそこで休んで寛いでいる人がいました。花全体に包まれるようにしてしばし時を過ごす贅沢を味わいました。



この木の全景はこんな感じです。ちょっと遠いですね。それにしても見事な樹形と青空だと思いませんか?

この他にもたくさんの春の花木や直物が春爛漫を告げていましたが、今回は日本の桜に特化してお知らせしました。日本、特に東京の桜の満開も近いと聞いています。どこもかしこも、北半球は春ですね。明日からカトリックセンターとしてルルド巡礼に行きます。楽しみです。


追伸: カトリックセンターで長きにわたりお花の教室を担当されていた田中万理子さんがお亡くなりになりました。この春爛漫の美しい季節に、まるで桜が散るように逝かれた万理子さん。心からの感謝とご冥福を祈ります。天国であの明るい微笑みで休んでいるお姿を想像しながら。。