2016年12月16日金曜日
佳境
クリスマスに向けての雰囲気も佳境となってきましたが、
街の様子をお伝えする前に、シリアのアレッポでのことに触れたいと思います。
この度のロシアによる反政府の市民たちへの爆撃により、多くの方々が亡くなった事に関し、心から哀悼の意を表したいと思います。この一件も、複雑で一筋縄では行かない問題となっています。フランス側の報道として目立つのは、アレッポの一般市民が多数虐殺されたことで、「我々にはもう、人権を語る資格はない」というものです。ロシア側としては、ヨーロッパのためにやったんだ、というもので、ヨーロッパとしては沈黙せざるを得ない面もあります。
日本は全くの対岸の火事という感じですが、ロシアという国の恐ろしさを知っているという意味では、ヨーロッパの国々と一緒なのではないでしょうか。第二次大戦時に、ロシア軍の捕虜になった日本兵が、シベリアでどんな目にあったかは、忘れてはならない事でしょう。強大な国、ロシア。いみじくも現在日本を訪れているプーチンさんですが、一体ロシア相手に日本が何を要求できると言うのでしょうか。。
昨日、14区に住む友人宅へ招かれた際に撮った一連の街の様子を載せてみたいと思います。
まず14区ですが、左岸のカルチエ・ラタンからちょっと南に位置する地区で、こちらもパリらしい、おしゃれで文化的な地区です。もし引越しをするならここら辺に住みたいものです。
あまり言いたくないですが、私の住んでいる地区とは、明らかに違う人種が街中を歩いていますし、おしゃれな服装をした美男美女が多い。パリは地区によって住み分けがハッキリしていますね。
上の写真は、14区最大の駅と言ってもいい Denfert-Rochereau の近くのパン屋です。こちらのパン、美味しいのですが、私が買いに行くといつも英語で話されるのが気に食わなくて、最近買ったためしがありません。夫からは「小さい声で話すからだよ」と言われますが、他店ではそんな扱いはされたことはないのです。よくよく考えてみるとこのお店、場所柄日本人の観光客が多く訪れるところだそうで、日本の人、特に観光客はフランス語ではなく、英語を話しますからそれで、ということに思い至りました。それにしても、きちんとしたフランス語をこっちが話しているのですから、英語で返すのは失礼です。
犬を連れたパリジェンヌが前にしているのはチーズ屋さん。主にヨーロッパのチーズを売っていますが、大抵のものはここで手に入ります。
右は見ての通りワイン屋さん。もちろんワインだけでなく、シャンパンも各種売られています。そういえば、先月のボジョレーヌーボーですが、こちらではほとんど報道されませんでした。
紹介が遅くなりましたが、ここは14区で一番メジャーな商店街、Rue Daguerre です。カトリックセンターからは一駅分の距離なので、夫とよくセンターから歩いて買い物に行きます。
上は果物屋さん、ここではスペイン産のミカンをよく買います。キロ当たり3ユーロちょっと。日本のミカンに似て、こぶりでむき易く、そして甘いのです。
左は日本人の間では特に知られている魚屋さん。客も日本人が多いため、お店の人も日本語で話しかけてくれるなどとても親切です。
右はクリスマスにかかせない七面鳥や鴨を売っている肉屋さんです。
店内では丸焼きをしているグリルの機械が回っています。
こうして見てみると、何屋さん、何屋さん、と売っているものによってお店が違って、立派に商いが成立しているフランスは、日本より豊かなのではないか、と思います。日本はこういう文化、商店街が消えつつあって、何もかも売っている大型店舗に様変わりしていますし、お店の人とのやり取りを通じて買い物をするという風習もなくなりつつあるのではないでしょうか。ここパリでは、人とのコミュニケーションなくしては、買い物一つできない、という文化です。
とはいえ、鴨もさることながら、恒例のフォア・グラも可哀想ですね。私はもともと内臓系が苦手なのでフォア・グラも滅多に食べないのですが、以前リヨンのあるお店で、カリッと焼いたバゲットの上に、フォア・グラの一切れとアプリコットジャムが乗った一皿を食べたことがあって、それは絶品でした。こうした食べ方をすれば食べられる、と発見でしたね。
それにしてもフランスのテレビでフォア・グラを作る様子を見て、とても直視できませんでした。あぁ、人間は何て残酷なのだろう、と。
そんな事をつらつら思い出しながら歩いていたら、「動物を殺すな!食べるな!」というビラを配っているベジタリアンの人々がいました。
やはりここはフランスだな、と再確認でした。
花屋さんもこの通り、クリスマス向けの商品を所狭しと売っていました。
ポインセチアやヒース、そして年中花を咲かせているサフィニアの類。もちろん、もみの木サパンは、店の前、写真の手前側に並んでしました。(最後の写真がそれです)
それにしてもつい先日、光化学スモッグで、空にもやがかかったようになった日が続いた時はびっくりしました。12月に入ってから、日中も零下と冷え込んだせいで、暖房や車の排気がスモッグとなって漂い、高層の建物の上部が白く霞んで見えませんでした。そのため車の通行規制が実施され、その代わりバスやメトロが終日無料という措置がとられました。
中華街の高層マンションが白い煙で見えなかった光景、写真に撮りたかったですね。エッフェル塔も、霞んでみえたそうです。とても中国のこと、笑えませんね。
次の日曜には、待降節における黙想会を兼ねた日本語ミサがカトリックセンターにて行われます。それが終わるとひと段落、親しい友人を招いてのクリスマスとなります。今から何をつくってもてなそうか、わくわくしながら考えています。でも狭い我が家、果たして多くの人を呼んで大丈夫でしょうか?皆様も何はともあれ楽しいクリスマスをお過ごしください。当日に、世界のどこにもテロが起きませんように。。
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