2016年11月26日土曜日
パリ散策 Promenade à Paris
久しぶりに友人と会うついでに、パリの中心地を一人で散歩しました。
一週間ほど前に、左側の腰を痛めてしまい、何をするのも大変でしたが、むしろ歩いている方が体が楽だと分かってからは、また外出をする気になりました。仕事の翻訳は、長時間パソコンを前にして座りっぱなしなので、立ち上がるたびに激痛が走ります。これはどうしようもないことのようです。
写真は、セーヌをはさんで対岸がシテ島です。
右に少し見えている橋はポン・ヌフ。この日もどんよりとした、パリらしい天候となりました。
お馴染み、セーヌ河岸のブキニスト、古本市です。
この日の気温は10度をちょっと切るぐらいだったので、それほどの寒さではありませんでした。
むしろ晴天になると気温が冷え込むようです。週明けの予報は晴天、気温は5度を切る見込みです。
セーヌの水も、どんよりしてますね。
このところの曇天、雨模様で、上流からの土砂が流れ込んでいるのでしょう。でもこの色こそが、セーヌ独自と言えるでしょう。
こちらは Préfécture de Police、パリの警視庁です。
ここで、外国人は滞在許可証を取ったりします。私の10年の許可証も、来年の誕生日(4月)に切れますので、そろそろ切り替える準備を考えないとなりません。
写真では分かりづらいですが、ここにある街頭は、柄の部分に彫りがしてあって、とても素敵なんですよ。
ここまで来たら、やはりここでしょう、ということで、待ち合わせの場所でもあった、ノートルダムに辿り着きました。
ここはいつでも観光客で賑わっていますが、天気のせいか、心なしか人が少なかったようです。
広場前の巨大なツリーを当てにして来たのですが、まだ置かれていませんでした。残念です。
でもカテドラルの中は、しっかりクリスマスらしい飾り付けになっていました。
左は入ってすぐの所に、天井からぶら下がっているオーナメントです。
下は、通常の、ろうそく立て。クリスマスが近いだけあって、灯されたろうそくの数が多かったように感じました。
側廊の奥には、大きくて入念なクレーシュ(馬小屋)が飾られていました。人が多くてうまく写真が撮れなかったのが残念です。
最後に、家の近くの通りを載せてみます。
落ち葉が綺麗に掃き集められていました。
こちらは、ナシオン広場に設けられた、クリスマスツリー(サパン)の売り場です。
このもみの木がこうして展示され、売られるようになると、いよいよ今年もクリスマス(ノエル)が来たな、と思います。
とはいえ、パリでクリスマスを迎えるのは、私にとってはかなり久しぶりのことなので、懐かしいという気持ちと、ワクワク感が混じっているような、子供のような気分でいます。
これはモルヴァンという森から伐採した木で、
一口にもみの木といっても様々な品種があるようです。
右の方に、木の種類と値段が張り出してあるのですが、その木の品種と、その大きさによって値段が異なります。
一つチェックしたのは、épicéa といって、マツ科の針葉高木がありました。大体下は15ユーロから、上は80ユーロぐらいまで。
本物の木を使いたい家族向けのサパンですね。
この日会った友人と、上に載せた、パリ警視庁前にある、クリスマス向けオーナメントを売っているお店で、色々な、でも小さいものを買いました。大切なあの方に送ろう、あの人にも、などと考えながら選んでいたら、すっかり遅くなってしまいました。
クリスマスって、子供だけでなく、大人にとっても胸躍るような、楽しい時期ですよね。
ついつい、可愛いものに目がいってしまう自分をいさめながら、でも楽しいひと時でした。
皆さんはもう、クリスマスの飾りつけ、済みましたか?
2016年11月22日火曜日
夜長にて Dans la nuit longue
秋の夜長。
俳句では、「夜長」は秋の季語なので、「秋の」とつけなくても良いのですが。
その夜長に、今一人でことこととポトフを煮込んでいます。
夫は週一回の夜の授業で未だ大学にいるので、一人の時間を楽しんでいます。
この間、カトリックセンターで、上の階に住んでいる黒人の赤ちゃんと遊びました。
一緒にいた日本女性が、「あら可愛い」と、思わず抱きしめて抱っこしているのを見て、
「私にも抱かせて」と、代わりばんこに抱っこしました。
多分その子(女の子)も、日本人が珍しいのでしょう、きゃっきゃと大喜び。本当に可愛かった。
私にとって、黒人の赤ちゃんに触れるのも抱っこするのも初体験、私も大喜びでした。
そう、そばにいた体の大きいお母さんもすごく嬉しそうで、何度もお礼を言われました。
さてポトフですが、わりと本格的につくっています。
ネットで日本のレシピで簡単な作り方が多く紹介されていますが、
こちらは肉も本場、ポトフも本場の料理なので、ポール・ボキューズさんのレシピを参考にしています。
何が違うかというと、肉が違うんですね。こちらのポトフ用の牛肉には、さまざまな部位を使うのです。具体的には、大人の去勢牛 boeuf と子牛 veau のそれぞれのすね肉 jarret、その去勢牛の胸肉 poitrine de boeuf としっぽqueue de boeuf の骨も使います。それらの肉は、2時間煮込まないと食べられないのです。つまり、2時間煮込んでようやく柔らかくなるわけですね。しかも安い。キロ当たり12ユーロ程度です。1キロ使うとしても、2人で2~3回に分けて食べられることを思えば、やはり安いです。
ポイントは、肉を真水からゆでて、煮立ったら弱火にしつつ、灰汁を丁寧に取っていきます。
この「灰汁を丁寧に取る」というのがポイント。そしてしっかり透明な煮汁になったら2握りのあら塩を入れ、2時間、ふたをして煮込むのです。
あとは適当な、ぶつ切りにした野菜(カブ、にんじん、じゃがいも、玉ねぎ等)とブーケガルニを入れて柔らかくなるまで煮込むだけ。
手間がほとんどかからないのに、本格的なフランス料理が出来上がります。
こちらは今朝、夫がつくってくれたポテトサラダです。
乱切りにしたゆで卵と、缶詰のツナを入れたのがポイントでしょうか。
パンはくるみ入りのパンで、マックス・ポワラーヌのもの。スーパーで手に入るんですよ。
奥に、バターの横にあるのが、先日ディジョンに行ったときにマイユの本店で購入したマスタード。
色とりどりのマスタードの中から、ハーブ入りの緑色と、木の実の入った黄色、そして芥子の入った、パッションフルーツ入りのオレンジ色と、3色買いました。どれも美味しいです。
あ、2時間、煮込み終わりました!
後は夫の帰りを待つばかりです。。
因みに落ち葉ですが、
区の職員が、高圧空気噴射器で落ち葉を飛ばして集めていました。
こちらでも放置はしないのですね。何だかとっても楽しそうでした。
2016年11月16日水曜日
晩秋-ミニマリストへの考察 Fin de l'automne - réflexion sur le minimaliste
11月も半ばを過ぎ、秋も終わりに近づいてきました。
気温はさほど変わりがありませんが、このところの雨で気温が緩んでいます。
今朝も10度を越す気温、空を覆いつくしている雲でうす暗く、部屋の中では明かりが必要です。
街はクリスマスの飾りつけが始まりました。
日本ほど派手でも豪華でもありませんが(今のところ)、物を売るお店ではちらほら見られます。
まだシャンゼリゼのイリュミネーションは始まっていないようです。
早くも年末年始に向けて気持ちがはやりますが、それもそのはず、年末に行う大掃除を今、やっているからなのです。もちろん、フランスには大掃除なる概念は存在しませんが、日本人としてはしっかりやりたいところです。
東京の実家が片付いたせいでしょうか、パリでも身軽になりたいと思っています。
つい先日、翻訳のわりと大きな仕事が終わったので、開放感があります。
カトリックセンターに行く以外、仕事としてはこの翻訳のみなので、家での仕事、家にいる時間が長いこともあって、片付けに気が向くのだと思います。
決してミニマリストになりたい訳ではありませんが(夫がいるので無理です)、
家具はあっても、すっきりとした空間はなるべく確保したいところです。
親日派のドミニク・ローホーさんの本と出合い、刺激を受けていますが、本場フランスでどれだけ受けているのか、今度書店をのぞいた時に確かめてみようと思います。
私の感じからすると、もともとフランス人はミニマリスト的な生活を送っているので(どんなに大きな家に住んでいようと)、彼女の超ミニマルな態度は、一部の人にはすんなり行くかもしれません。ただし、パリに住む人々は、自分の生活形態によって、わりと自由に住居を変えるので、家族が増えればそれなりに大きな所に住みます。ドミニクさんは、独身だからできる、そして同居を拒否している、という要素が大きいので、そこらへんがフランス人にどう受け止められているのか。。。
先ほどフランス人は、もともとミニマリスト的に暮らしていると書きましたが、
それは決して物を最小限にしか持たない、という意味ではありません。
どういうことかというと、一つの部屋、例えばリビングとして、様々な家具やソファーなどがあるものの、表面にはほとんど物を置かない、つまり物を出しっぱなしにしていないのです。
つい日本の家だと、テーブルの上や引き出しの上、箪笥の上などに物を置いてしまいますが、
私の見たところ、装飾品として飾るもの以外、物は出ていません。その点で、ミニマリスト的、と書きました。家具は色々あっても、物が出ていないと見た目すっきり、なのです。
でもここに二人で住み始めて丸12年、少々気分を変えたいと思っています。
持ち家なため、気軽に引越しができない以上、内装を変えるしかありませんね。
生まれてから結婚するまでと、した後でのその2回しか住む場所を変えていないので
(福島にいる兄のところを含めないで)
気軽に引越しをしている人を見ると、うらやましいと思ってしまいます。
あぁ、身軽になりたい。。。
ところで秋の夜長、皆さんは何をして過ごしていますか?
俳句を一句 : コトコトと煮込む小豆の夜長かな
2016年11月11日金曜日
ルーブルにて Au musée du Louvre
先週末、久しぶりにルーブル美術館に行きました。この時は雲がありながらも良く晴れて、気持ちの良い日でした。私たち夫婦は、ルーブルの年間パスポートに加入しているため、その友の会のカードを提示するだけで無料で鑑賞できるのですが、この日は月の第一日曜日ということで、誰もがただで見られる日に当たっていました。「これだったら別の美術館の方が良かったね」と夫。でもほぼ3年ぶりとなるルーブル、とても新鮮で楽しいものとなりました。
ここルーブル美術館を含むルーブル宮は、いつも人で溢れかえっていますが、この日は晴れたこともあり、特に人手が多かったようです。
年間パスポートを持たない人は、この中庭の中央にあるピラミッドにある受付を通らなくては中に入れないので、その前は長蛇の列。でもパスを持っている人は右の写真にあるうす暗い通路から並ばずに入ることができます。
年間のカップルでの会費は120ユーロぐらい。1人だと80ユーロ。その他、色々な特権があるので(館内のカフェの10パーセント割引とか、オルセー美術館の入場料が安くなるとか)、年間を通して、少なくとも月に1回行くだけで元はとれます。
久しぶりなので、一番人気の Denon翼へと向かいました。
順番が前後していますが、このグラデュエーター(剣闘士)の突き当たりに長い階段があり、上り詰めた後に、このサモトラケのニケが展示してあります。やはり美しいです。
下は、分かりづらいですが、モナリザが展示してある部屋。
あまりに人が多くて、絵の近くに寄ることを断念しました。
このモナリザに向かい合うようにして展示してあるのが巨大な「カナの婚礼」(ヴェロネーゼ作)。どちらも大人気です。
私は個人的にはこのアルチンボルドの「春夏秋冬」の「春」が好きです。人物を花や果物で描いたこの作品に、なぜかとても魅力を感じます。特にこの「春」は、色彩の美しさで魅了されます。
対して「冬」は恐ろしいですね。暗くて不気味な雰囲気、どうして冬というものがこんなにきついイメージになるか、面白くもあります。
以前、小学生のパリジェンヌに日本語を教えていた時に、彼女が「冬も大好き!」と言っていたのを思い出します。彼女の中には、冬が、家族の団欒や暖炉の暖かいイメージに溢れているのでしょう。
ちょっと疲れた体を休めるために、館内にあるアンジェリーナに入ることにしました。
上の写真は、店内からの眺めです。
アンジェリーナのモンブラン、
日本ではすっかりお馴染みというか、もう馴染みすぎて飽きられている感がありますが、ここに来たらやはりこれ、という感じで注文;しました。でもやはり大きすぎて食べ切れず、夫と共有しました。
この定番のモンブランの他に、チョコレートモンブランというのがあって、挑戦しようとしたら売り切れていました。残念です。
ルーブル宮に隣接しているチュイルリー公園です。
夏とは打って変わり、やはり物悲しいですね。
こんなに寒くても(10度は切っています)、こちらの人はホッカイロなるものはありませんから、厚着で寒さを凌いでいます。どんなに寒くても外で過ごすことに務めないと、これからの暗い季節を越すのは難しいのです。
リボリ通りと平行したこの並木は、
市民の憩いの場となっていますが、
この日はボーイスカウトの小さなちびっ子たちが、
大人の指導のもと、ボール遊びに興じていました。
私はある本(日本の)で、「キャッチボールで気晴らし」というのを読んで、そうだ、私もしよう!と夫に相談したところ、
キャッチボールとか野球というのは、アメリカの文化であって、
こっち(フランス)ではやらない、とのこと。
そういえば、公園でやっているのを見るのはピンポンとか、フットボールであって、野球はないなぁと。所変われば得意とするスポーツも変わりますね。でもそういうことでは、いかに日本がアメリカの影響を受けているか、このことをもってしても分かると思いました。
アメリカの新しい大統領のことにちょっと触れると、
フランスのオランド氏は、「不確実な時代が来た。トランプ氏の主張する内容には、我々の価値観とは矛盾するものがある。」と演説しました。
それにしても、あのような大統領が誕生した背景、アメリカのみならず全世界の情勢を考えてみると、理想や理念と現実のギャップが、もう埋めようがない時代に来ていると思わざるを得ません。
さて、来年の幕開け、2017年は、一体どういう年になるのでしょうか。。
2016年11月4日金曜日
晩秋
一日一日と、秋が終わりを告げ、冬の訪れを感じるこの頃です。
今朝の気温は7度。日中は晴れても12~14度程度の気温です。涼しいを通り越して、もちろん、寒い、という気温になりました。
前回取り上げた黄葉も見事ですが、アパルトマンの前の黄葉は、もう茶色の方が勝ってきました。
写真は先週末のモンソー公園です。
パリの南に位置し、目の前には Cité Universitaire (大学都市)のある、非常にアカデミックなカルチエです。大学都市には、世界各国の建物が、広い敷地に点在しているのですが、日本館ももちろんあります。そこでは四季折々の様々な催し物が行われており、日本文化を伝える絶好の機会になっています。以前カトリックセンターでも、1階にある部屋を借りて、講演会などを行ったことがありました。先日亡くなられた、森のイスキアの佐藤初女さんも、ここで講演をされました。
この公園は、ご覧の通り常緑樹も多く、青々とした緑が、肌寒い中でも生き生きとしています。
この木の幹が面白い形をしているので撮ったのですが、写真には写らなかった場所で、男の子が幹に腰をかけて携帯をいじっていました。
この写真奥には、ちょっとしたバラ園があって、葉をすべて落として短く刈られた幹だけが地表を覆っていました。バラは寒さには強い植物ですが、来年の春まで休眠ですね。
園内には、黄葉の他に、こうした黄色い実もなっていました。
柑橘類だと思うのですが、何なのか分かりませんでした。
レモンにしては形が丸いし、
金柑にしては黄色いのです。
しかもこうした寒空の下でなる柑橘系の果物が実っていること自体、驚きでした。
こちらの並木道は、Denfert Rochereau (メトロの14番線とRERのB線が通るわりと大きい駅です)へと続く道で、散歩にはもってこいです。道の両側には美しい街並みが続いています。
この階段の通りは Rue des Artistes。いわば芸術家たちの通り、という名に相応しく、アーティストたちのアトリエも立ち並んでいます。
夫の父は、パリに滞在中、この景色をモチーフにして絵を描きました。
写真左下、見えづらいですが、立派な格好をしたムッシューがゴミ箱をあさっています。パリらしい光景です。
前々回の投稿で、焼き栗のことを取り上げましたが、今回も載せてみます。
ここは Denfert Rochereau の駅から程近い、
Daguerre という通りの入り口です。
手前にあるカフェで一息入れて店を出た後にこの焼き栗やさんがいました。
今回は、焼き栗が良く見えるように写真を撮らせてもらいました。皮が真っ黒く焦げるまで焼くと、こうして口が開いて中の実が見えます。
大きな実を新聞紙をまるめて筒状にしたものにたっぷり入れて、これで5ユーロ。
少々高めですが、2人で食べて大満足の量です。
Daguerre について少し書くと、この通りは賑やかな商店街になっていて、特に日本人にとっては、新鮮な魚が手に入る魚屋があることで知られています。
パリで、生の新鮮な魚がスーパーで手に入ることは中々難しい、というか、ほとんど無理なので、ここには「今日は美味しい魚が食べたい!」とか、日本人のお客をもてなす時には必ずといっていいほどこの場所が候補に上がります。普段は、魚は缶詰か、冷凍食品店で手に入れることが多いです。
考えてみれば、この時期にパリにいるのはなんと4年ぶりです。
3年前に他界した父の祥月命日が近づいてきました。もう3年経つのかと思うと、その間の出来事が嘘のように遠く思えます。ここまで来るのに色々あった、、、。感慨深いです。
これからは、パリにいることの方が多くなりそうですが、それも未定です。
年末に近づくほど、日本が恋しくなるのを感じます。
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